つれづれなる日々

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2006年5月の日々

おかあさん


05/31/2006(水)

今週ゴミ当番。月曜も、きょうも、午前4時過ぎにゴミネットを出してから床についた。9時に玄関チャイムで起こされて、出てみたら、宗教の勧誘だった。寝直して、昼頃起きる。

最近、スタートレックの一番新しいシリーズ『エンタープライズ』を第1シーズンのはじめからDVDで見ている。TV放映のときには何だかピンと来なくて、つまらなくなってじきに見るのをやめちゃったんだけど、いま見直してみると、このシリーズもけっこうおもしろい。失礼なくらいフレンドリーなトリップ、なかなか心をひらかないマルコム、地球の宇宙鑑で好奇心を持って楽しんで仕事をしているドクター、バルカン人のトゥポル――キャラクターが多彩ではっきりしている。メイウェザーやホシは、最初のほうではあまりパッとしないけれど、だんだんとバックグラウンドが描かれたり物語の中で成長していったりして、興味深い人物になってきている。いま、第16話まで見た。この後も楽しみだ。トゥポルのナイスバディーぶりがときどき強調されすぎているのが気になるけれど。

サンケイスポーツに、スタートレック40周年に関する記事が載った。


05/30/2006(火)

『東京ノート』稽古。夜、『職さがし』を見る。きょうもおかげさまで満員になったとのことで、身内の私たちは照明ブースの近くから見おろす形で観劇。

「本来想定されている客席」以外の場所から見たため、作り手が伝えたかったことを充分受けとめてはいないと思うので、演劇作品としての感想は述べない。ただ、全員ではないが出演者が何度も台詞を言いまちがうのが印象的だった。動きや声の調子には演出が行き届いているのに台詞にあんなにミスが多いのは、どこかに大きな問題があるのではないか。そのような感想を持った。思い浮かんだ理由は2つ(単なる想像ですが)。1つは、違和感のある台詞を、俳優が自分の中で解決のつかないまま(どうして言いにくいのか理解しないまま)なんとかねじふせてしゃべっているから、なにかがほんのちょっとでもずれるとガクーッと崩れてしまいやすいのではないかということ。もう1つは、日本語を理解しない演出家相手の稽古場で、ささいな言い間違いで稽古を中断しない習慣を俳優が身につけてしまったのではないかということ。私自身、どちらも経験がある。

終演後に関係者から聞いた話では、これはたいそう不思議な戯曲であり、だれに向かってしゃべっているのか不明の部分や、わざとむずかしい言葉を使った堅苦しい文章になっている部分があるとのことだったが、そのような作者の意図がきょうの日本語上演を見た観客に伝わったかどうかというと、私はあまりうまくいっていなかったのではないかと思う。意図的な違和感を提示するためにはそれ以外の部分に違和感があったらダメだけど、台詞の日本語全体にまだまだ翻訳された言語としての違和感があり、少なくとも私には、見ていて両者の区別はつかなかった。


05/29/2006(月)

夏のツアーのミーティング。その後、稽古(東京ノート)。夜、『職さがし』を見ようと思っていたんだけど、きょうは大変混んでいるとのことで、明日見ることにして、明るいうちに帰途につく。

少し前に、パッチワークについてホームページを見て問い合わせてきた人がいて、返事をしたら、きょう、嬉しいことにお礼のメールが来た。返事をもらって「かなりうれしかったです」と書かれていた。きっと、若い人なんだね。この「かなり」はたぶん平板に言うんだろうね。


05/29/2006(日)

朝から『東京ノート』稽古。日曜の9時台はすいているのかと思ったら、電車、混んでいた。

稽古のあと、午後は自主稽古という予定になっていたが、結局きょうもきのうと同じメンツしかいないので、自主稽古はやらないことに。

文学座と青年団の交流シリーズ『お月さまへようこそ』観劇。6つの短編のオムニバス。6編を通してなにか大きな背景が浮かび上がってくるのかと思ったけれど、そういうことでもないようだった。でも何か共通したものがなければ、1つの作品として上演する意味がないではないか。しかし、最後まで見ても、私にはそれがなんなのかわからなかった。

どこかになにか手掛かりがないかとウェブを探すと、「6編はそれぞれ別の物語で、場所は、開拓時代の西部があるかと思うと夜のセントラルパークも出てくる。しかし、そのどれもが、大きな夢のために勇気をふるう物語である。夢を実現するため、自分をさらけ出し、バカにされるのをいとわない、そういう人たちの物語だ」と書いてあるページがあった。なるほど、そういうことだったのか。

6編全部が他のどれともちがった雰囲気に作られていたら、私もそのように理解したかもしれないけれど、今回の上演は、私の中で、「都会の小粋な男女の恋愛ストーリー」4編、「寓話劇」1編、「西部劇のパロディー」1編、というふうに分類され、その結果大きな「?」が頭に浮かんだのだということが、その記事を読んでわかった。


05/27/2006(土)

午後から『東京ノート』自主稽古。とはいえみんな他の公演で忙しいらしく、集まったのは、今朝「お疲れさま」と別れてきた『上野動物園再々々襲撃』チームのみ。家族のシーンや演説などを練習。

『東京ノート』は1994年初演以来何度も上演している作品で、俳優も、長く同じ役をやっている人もいれば、今回新しい役に挑戦の人もいる。私は初演からずっと同じ役をやってるんだけど、新しい人の目を通して、新しい見方ができるような気がして、新鮮でおもしろい。


05/26/2006(金)

昼夜2回公演。バラし、軽く打ち上げをして、チャーターバスで帰る。


05/25/2006(木)

朝の新幹線で名古屋。乗り換えて、岐阜県可児市へ。演出家不在のまま場当たり。なにか不都合があったら自己申告でとめながらやる、ということになっていたが、失敗してとまる以外積極的にとめる人がなく、さくさく進む。まぁ、もうだいぶ公演したから、さすがに不安な箇所がないってことだとは思う。

演出家が到着して、ゲネプロ。私は、登場直後に他の俳優のゆかいな動きで動揺。すぐに持ち直したけれど、一瞬マジで笑っちゃうかと思ったよ。

夜、ホテルにチェックインし、「飲みに行こうか」となったら、17人集まった。こんなに大人数になるのはめずらしい。


05/24/2006(水)
注意:映画『プロデューサーズ』のネタバレがあります。

青年団リンク松井企画の『地下室』(作・演出:松井周)マチネ観劇。ちょっと早く着きすぎたなぁと思ってそれでも春風舎への道を歩いていると、友だちの青年団員が道ばたのコンクリートで固めたとこにちょこんと二人座っていた。合流して時間をつぶしていたら、そんな四つ角の脇の私たちに道を尋ねる人がいた。
「○○病院って、この道? それともこっちの道? ○○大学の近くなんだけど」
「あー、よくわかんないんですけどー」
「たぶんこの道を道なりに行って、住宅地をどっかで曲がるんだと思います」
「位置的にはあっちのほうだと思いますよ(その人の指し示した2本の道の中間点あたりを示す)」
と、知ってる知識を総動員しておぼつかなげに答える私たち。それでもその人は、だいたい納得がいったようで、
「お巡りさんに聞いても、知らないって言われたの。管轄じゃないんだって」
と言いながら去っていった。なんか春風舎のあたりで会う人って、フレンドリーな人が多いような気がする(例:雨の日の人モロッコ居酒屋の前の人)。

松井企画を見るのは、第1回の『通過』以来、2回目。あいかわらずイヤな話(ジャンルとして言ってるんで、「見るのがイヤ」という意味ではありません)だけど、暴力的で生理的に耐えられない感じは今回はなく、ラストになっても笑いの絶えない作品だった。怒鳴ってる人より、ニコニコ笑ってる人(登場人物)のほうが、怖かった。変な人たちだけど、普通の人たちで、共感するのイヤなんだけど共感できてしまう。長く私の心に残ると思う。

きょうは私にとって、伊丹公演と可児公演のあいだの唯一の完全オフ日だったので、春風舎のあと、映画『プロデューサーズ』を見に行った。おもしろかったし、見てよかったと思うが、劇中劇(ここは文句なく面白かった)以降の展開があまりにとっちらかっているように感じた。マックス(ネイサン・レイン)が獄中でいままでのことを回想する(という形でざざざーっと一人で歌でつづる)シーン、法廷にレオ(マシュー・ブロデリック)があらわれてマックスとのことを歌い上げるシーンなど、劇場で見てたら圧巻の、見せ場のシーンなんだと思うけど、映画だとなんだか中途半端な印象だった。そしてこの映画を見て、私は、マシュー・ブロデリックが気に入った模様。ダンスシーンの生真面目さ(相手や足元を注意深く見てるよね)とか、気弱そうにしていながら立ち姿がきれいなとことか。そして、この人、左利きなのね? エンピツ左手に持ってましたよ。


05/23/2006(火)

歯医者。2本、歯が入る。まだ仮接着。

1カ月分の勤務時間表を提出したり、交通費をもらったりするため、アゴラへ。『職さがし』が劇場入りしていて、そのスタッフをしている友の顔を久しぶりに見た。

きのうはいい天気で、今年初めてサンダルで外出したくらいだったけど、きょうは雨模様で寒かった。


05/22/2006(月)

日記に、以下の言葉を引用している人がいた。

Information is not knowledge.
Knowledge is not wisdom.
Wisdom is not truth.
Truth is not beauty.
ウェブ検索してみると、フランク・ザッパの楽曲が出典だとかT.S.エリオットがこういうことを言ってるとか(例えばKaminskiWikiのこのページ)、いろんな人がこの文章のことを書いてるのね。あと、ちょっと字句のちがうバリエーションもいろいろと出てきた。

これを「花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ」みたいに訳せたらいいなぁと思う。でも、それでは原文の持つ「応用範囲の広さ」が限定されてしまうような気もする。むずかしいね。翻訳って、文脈に一番あうように訳すことによって(それはホントに大事なことだけど)、どうしても原文から何かを取り去ったり原文に何かを付け加えたりしてしまう。それはしかたのないことで、その辺(何を犠牲にして何を守るか)腹をくくって取り組むべきだと、私は思ってる。

夜中のスーパーチャンネルでTOS(宇宙大作戦。つまり、カーク船長のスタートレック)を見た。すでに死滅した種族がつくった巨大最終兵器が宇宙をさまよって破壊を続けているという話。ビジュアル的にはいま見ればたしかにちゃちなんだけど(アサヒビール吾妻橋ビルの上の物体のような形をしているし)、「一定距離以内に近づいたもの(惑星でも宇宙船でも)を無条件に破壊してはそのエネルギーを取り込んで進み続ける、現在となっては目的をうしなった最終兵器」という設定は、実に実にロッデンベリー的だと思う。同じような設定が、後のスタートレックにも何度かある。ところでこのエピソードではカーク船長がキモノ的な打ち合わせの船長服を着てるんだけど、前身頃の衿あきの見返しが手縫いでまつりつけてあるように見えて(裁縫しない人にはなんのことやらチンプンカンプンでしょうが)興味深かった。


05/21/2006(日)

ホテルをチェックアウトして、劇場に向かう。集合して来週の可児(岐阜)公演のタイムテーブルの確認などをして、その後、伊丹での最後の公演。終演後すぐバラし、ホールのかたやバラシを手伝ってくれたかたがたを交えてロビーで乾杯し、夜の飛行機で羽田へ。日付のかわる少し前に帰宅。

きのうくらいに掲示板に迷惑書き込みがどっとあって、まぁすぐ帰るから帰ってから対処すればいいやとほっておいたら、「大丈夫?」と友からメールが来た。心配してくれてありがとう。掲示板っていう、だれが書いてもいいしだれの書き込みに返事をしてもいい「ゆるい」感じが好きなので、まだまだがんばってみるよ。

洗濯機を1回まわして、早めに就寝。


05/20/2006(土)

12時集合。マチネのあと、劇場内のあちこちでみんなゴロゴロ。積み込みのとき、舞台監督(外部の人)が、「ホントにこんなに寝袋要るの?」って言ってたけど、こういうとき寝袋大人気である。もちろん、ウォームアップでストレッチするとき使ったりもしてるけれど。「こんなに」ったって5個くらいだけど。

夜の公演に友が両親を連れて見に来てくれた。おとうさんは、終演後のロビーでみんなとはなしてる最中にまた涙がこみ上げてきて(劇場内でもずいぶん泣いていたらしい)ハンカチで拭いたりしていた。

友(さっきとは別の人)の後輩のやっている居酒屋、というところに何人かで飲みに行く。居酒屋といっても、日本ずきのガイジン映画監督がここで撮影したいって言い出しそうな感じの、相当お洒落な店だった。ので最初少し気後れしたけど、店長はじめスタッフの方々が気さくに接してくれたし、日本酒(たいへん充実)以外にビールもおいしい地ビールが何種類もあったし、シンプルでしみじみとおいしい料理が並んだし、落ちついて楽しく過ごすことができた。


05/19/2006(金)

場当たりの続き、ゲネプロ、そして初日。着物を3回着たり脱いだりして、さすがにちょっと疲れた。

昼食は、劇場の隣のスーパーでいろいろ買って食べた。スーパー内の、うどん屋さん、パン屋さんがなくなっていた。駅の向こう側に大きなショッピングモール(私は「買い物天国」と命名)ができたせいなんだろうか。

終演後、ホテルの近くで大人数で飲む。


05/18/2006(木)

『上野動物園再々々襲撃』の伊丹AIホールでの公演のため、伊丹へ。家から羽田までは空港行きバスを利用。早朝なので大丈夫だろうとは思ったけど、バスは時間通りに到着する保証がないので、乗るたびに気が揉める。それでも、乗り換えがないし楽に座って行けるので、たびたび利用している。きょうは、予定より15分くらい早く空港に着いた。

劇場に着くと、舞台はすっかり出来ていた(きのう、仕込みだった)。青年団の旅公演は俳優とスタッフがみんなで仕込みをするんだけど、今回は年齢が上のほうの何人かは仕込み免除になり、私も免除組なので客演の方々と一緒に本日合流した次第。楽屋の使い方を考えたり、小道具のセッティングをしたりして、場当たりに臨む。

夕方には解散になり、ホテルにチェックインして、数人で近所の美味しい焼鳥屋さんで飲む。少し飲み過ぎた。


05/17/2006(水)

3月末にニューヨークから船便で送った荷物が、届いた。1〜3月のカナダ滞在中の資料とか、どうしてもなくしたくない物がいくつか含まれていて、「もう届かないんじゃないか。重くても持って帰ればよかった」と後悔し始めていたところだった。届いてよかった。

小竹向原のサイスタジオに『卵』(作:李康白 翻訳:金承福 演出:藤原新平)を見に行った。怖い話だった。昔読んだ、小学校の生徒が先生に洗脳されるのに30分もかからなかった(最後にはアメリカ国旗が切りきざまれてしまう)という怖い話(10時23分だか28分だかの奇蹟というタイトルだったと思うんだけど、うまく検索できない……)を思い出した。


05/16/2006(火)

歯医者。状態がよくて、誉められた。こないだ先生からすすめられて、すすめられてっていうか先生自身がそうしているという話を聞いて、最近お風呂に入るときに湯船につかりながらゆっくりじっくり歯磨きをしているんだけど、それがよかったみたいだ。

夜、アゴラに文学座の『忠臣蔵』(作:平田オリザ 演出:戌井市郎)を見に行く。OL編とか何編とかっていう要素を付け加えなくても充分におもしろい作品であることがよくわかった。興味深いと思ったのは、一字一句台本に忠実にやっているらしいということ。平田オリザの『忠臣蔵』は、最初男性7名の作品として書かれ、その後女性が演じたりなんだりしていったのと関係があるんじゃないかと私は思っているんだけど、一部男言葉と女言葉が入り混じった風になっている。台詞によってだいぶ女性っぽく聞こえて、それが妙におもしろいところもあったけど、統一感に欠ける感じがした(台本を読んだ時点では、もっとニュートラルな感じだと思ってた。きょうの公演を見て、女性っぽく聞こえる部分がこんなにあるんだ、とちょっとおどろいた)。

この忠臣蔵の大石は、最初に台本を読んだときからいつかやりたいと密かにネラっている役なんだけど、きょうの大石さんもカッコよかった。原田芳雄とか松田優作とか的な、ハードボイルドででもちょっとユーモラスな感じが、好きだった。


05/15/2006(月)

旅に持っていかない平台などを劇団の倉庫に戻して仕舞うのを、行って手伝う。倉庫がいえの近所なので。

あとは、食事をして、ごろごろして、桜美林大学に演劇を見に行って、飲みに行って。久しぶりにいえの人とずっと一緒にすごした1日。


05/14/2006(日)

昼夜2回公演。その後、撤収。トラックに積み込んで、それから打ち上げ。ビールの美味しい店だった。座組みの人たちとはこれからも旅公演でまだまだ一緒なんだけど、きょうでもうお別れという人たち(稽古の様子をずっと記録していた研究者チーム2名。これまで日記には書いてこなかったけど)もいて、名残惜しかったけど終電が近くなり私は12時頃帰路についた。


05/13/2006(土)

昼夜2回公演。昼公演のあと、劇場の下の書店や、隣のデパートをぶらつく。書店にいると2時間くらい平気でつぶれる。最近はだいたいネット通販で本を買ってしまうけど、たまに書店で実際に手にとってあれこれと選ぶのもいいもんだ。

帯広の友と再会。帯広はいま桜が満開だそうだ。


05/12/2006(金)

10時から場当たりの続き。衣裳への着替えがギリギリになってしまい、あたふたした。帯をしめるのを、羽場さんに手伝っていただいてしまった。その手伝ってくださり方がたいへんスマートでかっこよく、今後私もこういうふうに人を助けたいものだと思ったことであった。

そして、ゲネ。7時開演で初日。


05/11/2006(木)

朝から劇場で仕込み。青年団の人たちが大人数来てくれて、まぁ自分たちの劇団の本公演だから当然という考え方もあるけれど、それぞれ本番が近かったりなんだりでいろいろ忙しい中集まってくれて、嬉しく、たのもしかった。

ほぼ予定通り夕方に仕込みが終わり、夜1時間ほど場当たり。最大2場の終わりまでしかやらないということで、私は出番が来ないからもう帰ってもよかったんだけど、客席のあちらこちらに座って舞台の様子を眺めてみた。


05/10/2006(水)

朝からふじみで撤収、積み込み。新宿に移動。衣裳の買い物をしてから、搬入のため紀伊国屋サザンシアターへ。搬入用エレベータに、定員81人と書かれていた。「この中で青年団の全体ミーティングができるね」と言い合った。


05/09/2006(火)

衣裳を着けての、3回めの通し稽古。きょうは、ふじみで写真ワークショップを受けている人たちによる撮影付き。帯は、途中であちらこちらを紐で仮りに固定しながら、一人でなんとか結んでいる。だれかにお願いしなくても自分でやれるというのは、気が楽だ。精神衛生上大変よろしい。

いまスーパーチャンネルで毎日TOSをやっていて、きのうきょうは、パイク船長の話(前後編)だった。最初に作ったパイロット版の映像を使い回したことで有名なエピソード。黒髪のメイジェル・バレット(パイク船長の副長役)の出演部分がこんなに多いとは、以前に見たときは気がつかなかった。


05/08/2006(月)

何か他の物を探していたら、一昨日も昨日も背負っていたバックパックの中から、探していた本『食品の裏側』が出てきた。一昨日いくら探しても見つからなかったのになー。そしてこのバックパックを背負って昨日私は駅の忘れ物コーナーに行ったんだなー。バカだなー。

7時前に自分のとこの稽古が終わったので、急いでアゴラへ。『チェンジングルーム』の本番が見られないので、通し稽古を見せてもらうため。通し開始が当初の予定より20分ほど遅れて8時20分になったので、余裕で間に合った、ヨカッタ。文学座と青年団とその他いろいろの劇団から集まった20人ほどのキャストが、「寄せ集め」ではなく1つのチームになっていた。「文学座+青年団自主企画交流シリーズ」の開幕を飾るにふさわしいスケールの大きさ。

今月のイラスト「おかあさん」は、最初友だちの似顔絵として描き始めたんだけどぜんぜん似なくて、でもなんだかいかにも「おかあさん」って感じの顔が描けたし今月は母の日あるしってことで、採用したもの。毎月その月のイラストをケータイの待ち受けにしているんだけど、今月のをその友だちに見せたら、欲しいというので、でもこんな似てないのだけあげてもなーと思ってもう1枚描いてみたら今度はちょっとは似てるかなってのが描けて、両方送った。2枚めはこんなの:


05/07/2006(日)

駅の忘れ物コーナーに行って聞いてみたけど、そういう本は届いていないとのこと。何日かしたらまた来てみてください、と駅員さんが言うので、
「え、それで戻ってくることあるんですか?」
と聞いてしまった。いや、あまりないんですが、お客さんがどこか他に届けているということもあるかもしれないんで、という答え。置き忘れたの改札の外だし、無理じゃないかな。

そしてなんと、きょうも忘れ物をした。「荷物の数が増えると忘れ物をしがちだ」というのは経験から学んだルールだけど、きのうきょうもそれにあてはまる。小さなバッグをタスキ掛けにした上からバックパックも背負って、さらに片手に書物を持っていたからなー。東武東上線を池袋で降りて、乗り換えのためJR構内に入ったところで、あ、傘を車内に忘れてきた、と気づいたんだけど、取りに戻る気力がなく、そのまま帰宅。あれは十年以上前に親が銀座のデパートで買ってくれた傘。いい傘だったけど、もうこのまま探さずになくしてしまってもいいような気もしている。


05/06/2006(土)

アメリカで太った分の体重がぜんぜん戻らない。書店でダイエット本を立ち読み。でも買ったのは食品添加物の本。『食品の裏側―みんな大好きな食品添加物』(安部司著 東洋経済新報社)。食品添加物怖いよーという話(であろうと想像した)を読んだら食べ過ぎ防止になるかなという期待もあって。

稽古の帰りの電車移動中(2時間弱)に読破。食品添加物商社の営業トップの地位にいたが自分の開発した商品を我が子に食べさせたくない自分に気づいて会社を辞め、添加物についての講演を行っているという著者が、情報公開が遅れている食品添加物界のあれこれをわかりやすく解説した本。どういう商品にどういう目的でどんな添加物が入っているかという、聞いてビックリの話満載。そして、それぞれの食品添加物の名前や用途をいちいち覚えなくてもいいから、商品を買う前にとにかく裏の表示を見てみてほしい、値段だけで飛びつくんじゃなく安い商品がなぜそんなに安いんだろうと考えてみてほしい、ということが書かれていた。そして、そういう「影」の部分ばっかじゃなく、食品添加物の恩恵もたしかに私たちは受けているわけで、そういう「光」の部分も無視できない、ただ食品添加物を使うことのプラスとマイナスをわかった上で商品を選ぶべきだ、という著者の主張は大変納得のいくものであった。

読み終わって、駅ビルのスーパーに寄ったんだけど、たとえば同じ納豆でも原材料が「大豆 納豆菌」だけのと、「米粉」てのが入ってるのとあるんだね。納豆についてるたれは、もっと。もう物によってそれこそ原材料がぜんぜんちがう。今までぜんぜんそんなことに注意を払っていなかったよー。

減塩にするため保存料を入れるとか、合成保存料無添加を実現するため他の添加物を足すとか、「健康にいい」というイメージの商品が必ずしもそうじゃないということもこの本には書いてあったんだけど、そういう実例もスーパーで見つかった。「合成着色料 合成保存料無添加」のハムの表示に並んだ食品添加物の多さに驚いた。

ところがこの本、帰宅してご飯食べて、この日記を書くのに引用したりしようとして探したんだけど、どこに行ったか見つからない。家の中が散らかっているのがとにかくいけないんだけど、きょう買って電車で読んだ本がなぜなくなるのか?

食品添加物のことがいろいろとわかったし、そういうことに私はいままで無関心だったけどこの本の影響で関心を持つようになりそうなのもよかった。ただ、知らない世界のことだから記述が正しいか誤っているかまったく不明なわけで、語り口調などはたしかに信用できる感じなんだけど、ちょっと「?」と思ったのは、ポテトサラダの作り方(これは私のよく知っている世界)を説明している部分(スーパーで出来合いのを買ってくれば簡単に手に入るが、お母さんが作るのを子供が見ていればどんなに手間ひま掛けて作っているのかが伝わる、というような話)になんだか変なところがあったからだ。ジャガイモを「煮る」と書いてある。そして皮をむいて、それから粉ふきにする、と書いてある。ポテトサラダのジャガイモは、「ゆでる」もんだと思う。そして、皮つきで(つまりまるのまま)ゆでたんなら、切ってからゆでた場合とちがってよけいな水分がないから「粉ふきにする」必要はないと思う。同じ説明の中に卵の「皮をむく」と書いてあるのも、あやしげだ(むくのは殻でしょ?)。こういうところがいい加減(に私には思えた)なら、この本は他にもいい加減な部分があるんじゃないか?と、疑う気持ちが少し起きた。それと、220ページに誤植がありました。うろ覚えだけど、たしか「て」と「と」が入れ替わってた。

とはいえ、読んでよかったと思う。ネットでちょっと調べたら、いま話題の本らしい。

そして本の行方だけど、自分の行動を振り返ってみると、電車降りるときバックパックに入れようかと思ってでもめんどくさくて片手に持ったままだったのは覚えている。改札出て、パスネット買ったときに、自販機の前に本を置いてそこに忘れてきたんじゃないかと思う。どうもそんな気がする。


05/05/2006(金)

インターネットにお太鼓の結び方が載ってんじゃないの?と気づき(遅いよ)、調べてみると、あるあるあるある。写真やイラストでわかりやすく説明してある。読んでいるうちに、はるか昔日舞のお師匠さんに一人でお太鼓を結ぶやり方を習ったときの記憶もだんだん戻ってきた。で、稽古場で浴衣の上からお太鼓結びをやってみたら、案外簡単にできちゃった! まぁ、手先が長いとか短いとか、お太鼓の上が形が整っているかどうかとか、和服を着慣れたり見慣れたりした人が見たら「これはどうなの?」というところが多々あるんだろうけど、とにかくこれで一人でなんとか帯が結べそうなメドが立ったので、私としてはきょうのところはこれで満足。着物自体もすっきり着れたし。きょうは通し稽古があったけど、着崩れたりへんなものが見えたりということは一切なかった。よし!

夜遅い電車。新宿から吊革につかまって寝ていたおじさんが、前の席が空いて腰を掛けた。隣の席に座った女の人になにか話しかけるけど、女の人は答えない。というかおじさんが何を言っているのかよく聞き取れないんだ。そのまた隣に座った私がそちらに顔を向けると、
「新宿でよっぱらっちゃってさー」
「どこ行くの?」
「江ノ島。いま、半分くらい来たとこだろ?」
「いま新百合だよ。相模大野で乗り換えかもね。相模大野着いてから考えればいいんじゃない?」
と言って、あとは3人とも黙って。というかおじさんはまた寝た様子。隣の女の人は、町田で下車。大野について目をさましたおじさんが、「で?」という感じで私のほうを見るので、
「江ノ島行くんでしょ? 各停に乗り換えだよ」
と言うと(車内アナウンスでさっきそう言っていた)、
「ありがとう。サンキュー」
と握手の手を差し出してきた。うん、って握手して、気を付けて、と別れる。おじさんは、
「いやー、まいったまいった」
と、自分が酔っぱらったことにビックリしてるのか、それともホントは江ノ島の近くから乗ってはるばる新宿まで行っちゃったのか、なんだか私にはわからないけど、それでも機嫌良さそうに、向かい側のホームで電車を待つ人群れに入っていった。


05/04/2006(木)

お太鼓に挑戦。どうもまだ構造を把握し切れていないようで、これで合ってるんだかまちがってるんだか、自分で判断がつかない。


05/03/2006(水)

さっそく着物改造作戦実行。着てみると、あら、いいではないですか。よし、これで行こう。後は、帯だな。初演のときはお太鼓を他の人に結んでもらっていたんだけど、今回は自分で結べるようにしたいんだ。


05/02/2006(火)

足りなくなったゴムテープを買いに、洋裁用品店へ。45mmのロータリーカッター用のピンキング刃というものを見つけて購入。私はハサミは左手で扱うんだけど、左手用のピンキングバサミというものはなかなか見ないしあっても高価なので、欲しくてもいままで手が出なかった。だけどこの刃だったら、右手で切ろうが左手で切ろうが関係ないじゃない?これは買いだ。と一も二もなく。

衣裳の和服を着てみる。やはり身幅が足りなくて、立っていればいいけれど、歩いたり座ったりするとどうしても前が開いて襦袢だのなんだのが見えてしまう。下前に布を足すしかないか。和服に詳しい人に相談すると、絹地(本体にあわせて)でなくとも裏地用の生地を使えばいいだろうとのこと。あした新宿に行く人に、布を買ってきてもらうようお願いした。

いただきものの美味しい卵で、煮玉子を作る。こんな感じでやった。

  1. 水を入れた鍋に卵と塩を入れ、弱火にかける。菜箸でときどきかきまわしながら、沸騰してから5分ゆでる
  2. 玉子を水にとり、流水で冷やす。からをむく
  3. 清酒1:紹興酒1:しょうゆ2:水4を鍋に入れ、火に掛けて沸騰させる。ボウルなどに玉子を入れ、この汁をひたひたにそそぐ
  4. そのまま置いておく

黄身のまん中がまだとろとろの半熟で、たいへん美味しく出来ました。


05/01/2006(月)

朝から舞台仕込み。といっても、本番は12日から紀伊国屋サザンシアターで。きょうは、キラリ☆ふじみのメインホールの舞台に、舞台装置を建ててみる「仮仕込み」。青年団の人たち総出で、壁を建てたり床を張ったり、梁や壁を「よごし」たり。私は、午前中は椅子のクッションにゴムテープを付ける作業。午後からはよごしに加わる。グラデーションになるように2色使って濃淡もつけて、とちまちまちまちまやっていると、だんだん自分一人の世界に入っていってしまう。『砂と兵隊』の仕込みで銃のよごしをやったときのことを少し思い出す。

座組みで、風邪が流行っている。猛威をふるっている。そんな中、
「僕は2年数カ月風邪をひいてません」
という人がいたので、秘訣を聞いたら、「手洗いとうがい」とのこと。基本中の基本だけど、なかなかきちんとできないことではある。よし、今夜から私もやるぞと、帰宅してさっそく丁寧に手を洗った。


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