つれづれなる日々

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2007年2月の日々


02/28/2007(水)

装置の借り物を集めてまわる人。装置の買い物に行く人。照明の直しをする人。まずはみんなそれぞれの仕事をして、3時から集まって稽古。という段取り。

私は照明班。当初の予定よりも舞台の奥行きがなくなったので、地明かりでカバーするエリアを狭くして、その中では暗いところがないように灯体を吊り直した。顔の暗いシーンがあったので、その辺をねらうヤツを追加した。センター付近の小さい地明かりも作った。あと装置に当てるのも増やして、サス的なのも1つ足した。どのシーンに何と何をどう点灯するかは最終的に演出家が決めるんだけれど、今回1カ月の稽古期間中に、照明で、あぁここがよくないなー、こうしたいなーというところを体感し、じっくり考えて、あーだこーだ試してみてるのが、私にはすごく勉強になっている。


02/27/2007(火)

見学の方が4名いらっしゃる。楽しそうに見ていただけたようで、なんだか嬉しかった。本番を見たらまた感想を聞かせてほしいです。

電車の中で台詞を復習。思い出しながらつぶやいていたつもりが、ちょっと声が大きくなったみたいで、隣の人がビックリしてこっちを向いた。


02/26/2007(月)

きょうの稽古はパート別。私たちのチームは遅入り(18時)だったので、少し早めに集合して台詞の練習をした。稽古は、あるシーンががらりとかわった。他のシーンも、少しかわった。この演劇は、きっとまだまだ変わっていく。


02/25/2007(日)

あぁ、きょう日曜日だったのか。

朝10時から、マレーシアの演劇人の平田オリザインタビューの通訳をつとめる。通訳は10カ月ぶりくらいだったので、なんだかいろいろと錆び付いていた。描く(depict)とか実験的(experimental)とか、絶対知っててよく使ってるはずの言葉が、どうしても出てこなかったり、LとRの発音が逆になっちゃったり。知っている人相手の、知っている内容に関してのインタビューだったからなんとかなったけど。朝早かったというのもあると思うけど。「その竿を立てろ」(演劇のテキストに出てきたという例文)の「立てろ」をerectと言っているつもりで、手で竿を立てて起こす動作をしながら、口から出てるのはelectで、それも何回も何回も繰り返し言っちゃった。遠い昔にelection(選挙)とerection(勃起)を間違えるな、みたいなことを習ってて、そのことが頭のどっかにかすかに残ってたんだね。意味はほとんど忘れちゃって、「気をつけろ!」ってことだけが残ってて。インタビュー内容では、平田オリザの演劇は「台詞と動作」というよりも「音楽とダンス」である、という指摘が、私には意外で興味深かった。

そして、帰りの電車の中で、座ってて、デスロックの台本(今回綴じてなくて、A4の紙の集まり)を手に持ったまま眠っちゃって、床に台本をぶちまけてしまいました。


02/24/2007(土)

4時集合。衣裳の候補をスーツケース(小)1個分持っていったが、なかなか決まらない。むずかしいね。

夜、初めての通し稽古。全体像を、頭の中だけじゃなく視覚や聴覚を通じて把握。

今日の照明。稽古中、1台吊り位置変更。1台追加で吊る。稽古終了後、4台の吊り位置を変更。


02/23/2007(金)

朝から客席作り。今度公演するアトリエ春風舎という場所は、スタジオタイプ、つまり劇場内がどーんと平らに1部屋になっているので、公演ごとに自由に客席の場所や高さなどを設定できる。ま、自分たちでトンカンやるわけですが。それできょうは、装置のスズケンと演出の多田くんを中心に、みんなで、この位置がいいとか、これは見えにくいとか、これで椅子が何脚入るとか、いろいろと検討し、じゃぁこの作戦で行こうというのを決めて、客席を作った。考えるのが1時間、作業が1時間半くらいだったかな。

昼食を挟んで、午後から稽古。まずは、あることの段取りを、実際にやってみながら、やっぱりみんなであーでもないこーでもないと試行錯誤。私はいままで(あなざ事情団以外では)こういうみんなで意見を出し合いながら作っていく演劇はあまり経験がない。たとえば5年前の私だったら、これは演出家の決めることなのにとか、時間がもったいないとか思ってイライラしたかもしれない。許容範囲が、せまかった。でもいまは、こうやって人と人が実際に顔をつきあわせて話し合い、お互いからヒントを得たり、考えを共有してふくらませていく作業を、とても楽しんでいる。

台本は、追加・書き直しがあり、1つシーンが増えたり、だんだん出来上がってきつつあったシーンが微妙に改訂されたりして、ちょっとパニック、でも新たな闘志がわいてきたのもたしか。ファイト!


02/22/2007(木)

新たに4灯照明を吊った。

演技で2カ所ほど変えたいところがあって、多田くんに相談して変えてみた。演技というかちょっと台本も関わってくるんだけど。

終電1つ前の電車だと急行で家に帰れることを知る。劇場を10分早く出れば、30分早く家に着く。最近稽古の後も名残惜しくて残っていたりすることが多いんだけど、これからはちょっとだけ早く出るようにしようかしら。


02/21/2007(水)

いえの人と第1食。蕎麦屋。最近私は、この店ではけんちん蕎麦が気に入っている。

稽古は夕方から。きのうとは別の友が見学に。ちょっと意外な感想をもらって、おもしろいなーと思った。こないだまったく逆のことを言った人もいたので。

集団とか変化とか時間とかやりきれなさとか展望とか、なんかお互いそんな話をしながら、友と二人、帰りの電車に乗った。


02/20/2007(火)

歯医者に寄ってから稽古に行くのでもしかしたらギリギリになるかもと心配していたら、きょうは待ってる患者さんがなくて予約どおりの時間に診てもらえたので、よしこれなら余裕で間に合うぞ、と思ったのに何を考えたのか地下鉄で逆方向の電車に乗ってしまい、あれ次の駅が終点だったからよかったけど、気づかず乗っていってたら大変なことになるとこだった。

それでも、スーパーで買い物してから稽古場に行けるくらいの時間はあって、よかった。イカが安かったので買った。

稽古は、美術・照明のスズケンが来たので、だいたい全体こんな感じになる予定ですというのを見てもらった。見学2度めの人もきょうは来ていて、こないだ手探りで作ってたシーンがこんなふうになってきましたというのを見てもらえた。私は、こないだ演出家と相手役と3人だけで稽古したときのようにはやれなくて、なんだかうわついた感じになってしまった。台詞を自分の身体に定着させる作業が、まだ足りてないや。ガンバレ、私。


02/19/2007(月)

家で、台詞の練習。流れっていうか、前の台詞の何がきっかけとなって次の台詞が出てくるのかみたいなところをちゃんとおさえれば、ちゃんと台詞が口から出てくるようになるんだけど、なんとかそのレベルまで来た。と思う。最低ここまでやっとかないと、あとから動きの段取りがかわったりしたときに台詞が出てこなくなっちゃうから、要注意なんだ。

夜、6月に公演のある作品の翻訳を少し進める。シンプルに、と言われてるけど、抽象的で詩的な台詞なので、なかなかむずかしい。でも作者と連絡をとりながら作業を進められるので、助かる。メールはホントに便利だ。


02/18/2007(日)

稽古の前に俳優2人で早めに来て自主練。というか、台詞を覚える。2つめのシーンを重点的に何度もやった。

きょうの稽古は私たち2人のシーンだけなので、演出家と3人のこぢんまりとした稽古場。もうだいぶ形の見えてきた1シーンめは細かく演出がつき、2シーンめはきょう初めて台本を持たずに通し、まだ試行錯誤中の3つめのシーンはいろんな方法でやってみて、充実感のある稽古だった。照明や音響も使いながら試行錯誤できるところが、アトリエ公演の強みだな。


02/17/2007(土)

台詞を覚える。覚える。覚える。

夜は、キラリ☆ふじみに『ソウル市民 昭和望郷編』終演後のアフタートークだけ聞きにいく。


02/16/2007(金)

きのう新しくもらったシーンの台詞を、きょうの稽古までに覚えようと思ったけど、なかなか覚えられない。この台本は、いままで私は、相手の台詞と自分の台詞と両方言いながら一人で覚えてきたんだけど、きょうは稽古を見に来たあーちゃんに相手の台詞を読んでもらいながら少し練習した。なんか感じが変わって面白かった。あーちゃん、ありがとう。

稽古の帰りに池袋駅で電車を待っていたら、キラリ☆ふじみで稽古を終えた『ソウル市民 昭和望郷編』の人たち数人とばったり会って、新宿まで一緒に帰った。演劇の稽古に入るとその座組みの人とばっかり毎日顔あわせてるから、それ以外の久しぶりに会った人たちって新鮮で、ちょっと高いテンションでおしゃべりしちゃった。


02/15/2007(木)

おととい今回の公演の照明アドバイザーが稽古場に来て、そういうふうな明かりにしたいんだったらこういうふうな仕込みにしたらいいよ、ということを演出家と話して決めて、きょうはそれに沿って照明仕込みをやってみた。ごくごく大ざっぱだけど、シュートもやってみた。

きょうの稽古は、身体的なこと中心に。


02/14/2007(水)

排水ホースが外れているのに気づかないまま洗濯機をまわしちゃって、洗面所を水浸しにしてしまいました。ビックリした。

「きのうの日記のクランチータイプって何?」と聞かれたので書いておきます。ツブツブが入ってるやつです。crunchy(噛むと音がする、歯ごたえがある)。逆は、creamy。これは、どろーっと全体になめらかなやつ。ピーナツバターの話。

ついでだから(?)、どうもごっちゃになるというかハッキリわかってなかった他の2単語も辞書で引いた。犯罪関係の再現番組などで出てくる、「砒素」と「放火犯」。前者がarsenicで、後者はarsonist。ね、似てるよね。

あ、備忘ついでにこないだ気がついた、いままで知らなかった用法も書いとこう。ヘイミッシュ・マクベス・ミステリーに出てきてたんだけど、betray(裏切る)って、隠そうしてることがぺろっと出ちゃう、みたいな意味があるんだね。betray impatience(いらだちを表に出す)とか。


02/13/2007(火)

デスロックはあした稽古がお休みなので、じゃぁきょうちょっとバレンタインっぽいことでもしようかなと思い、マシュマロクッキーを作ってみんなに配りました。基本、料理のページのレシピどおりだけど、近年少しずつ改良を加えてもいて、きょう食べた人が「前よりも美味しくなっている」と言っていました。きょう作った分量は以下のとおり。

ピーナツバターとバターの分量は、計ったわけじゃなくて目分量です。この他に、型に塗る用にサラダ油適宜。ピーナツバターを加えるタイミングは、チョコと同時くらいです。

えー、デスロック稽古は、きのうと同じシーン。見学のかた、あり。


02/12/2007(月)
注意:2番めのパラグラフで東京デスロックのアトリエ公演の内容に触れています。

6月の若手自主企画(木崎・月村企画)『スネークさん』の稽古。というかワークショップ。昨年からときどきやっている。いつもはダンス中心だけど、きょうはダンス指導のマキちゃんがお休みだったので、ダンスと演劇と半々という感じ。ダンス部分では、きょうの私はなんだか無性に積極的に他人に関わっていきたくて、あれこれと働きかけてみた、つもり。うまく動きやら感じやらが伝わったり受け取れたりするとすごく楽しい。あまりうまくいかなくても、まぁそういうこともあらぁね、と、きょうの私はあっさりと受けとめていた。なんなんだろな、この自由な感じ。いいのか悪いのかわからないけど、そういう場面での他人に対する防御壁が以前の自分に比べてだいぶ低くなっている気がする。いつか痛い目にあうのか? あってもいいや、もうちょっと追求してみよう。

夜は、デスロック稽古。私が英訳した部分に作家がさらに手に入れ、ポイントがハッキリしてきた。英語の台詞言うなんていつぶりだろう――あ、昨年3月にニューヨークで高校生と一緒に『ヤルタ会談』のリーディングをやったんだった。じゃ、1年ぶりか……。

ところで、昼間友だちとはなしていたら、
「ポストパフォーマンスのことでさー」
と言うので、それでは「パフォーマンスの後の」という意味になっちゃうよ、パフォーマンスの後の何なのよって話になっちゃうよそれじゃ、うーんそうなんだよなー、ポストパフォーマンストークってやっぱ日本語として長すぎるんだよ、だから結局そうふにみんななんだかかんだか省略しちゃうんだよなー、と私1人でどんどんしゃべっちゃって、
「じゃ、なんて言えばいいの?」
「アフタートーク」
と答えたら、目をまん丸にして、アフタートークでいいんだー、と驚いていた。アフタートークって間違ってるからポストパフォーマンストークって言わなきゃいけないと思っていた、って。

「アフターサービス」ってあるじゃん、あれと同じだよ。和製英語だからダメ、"正しく"ポストパフォーマンストークと言いましょうって人がいるけどさ、英語のさ、post-performance talkと比べて、日本語でポストパフォーマンストークって、言うと長いんだよ。長すぎるから、結局「ポストトーク」とか「ポストパフォーマンス」とか、あ、「ポスパトーク」ってのもあったな、そうふに省略しちゃうわけじゃん。それじゃ英語として間違ってる度は「アフタートーク」といい勝負なんだよね。そんなんなら、すでに定着していてわかりやすい「アフタートーク」でいいじゃないの。ってのが私の意見だよ、という話をした。

このようなことは私は2006年9月の日記にも書いていて、その最後の部分はこんなです。

でもなー、アフタートークという言い方はキモチワルイと言う人の気持ちも、わからないこともない。こういうのは理屈じゃなく感覚なんで、それにはどういう音を聞いて育ったかとかそういうのも大いに関係あるから、論理だけでは話を進められないと思う。ただ私は「ポストパフォーマンストーク」が正しくて「アフタートーク」はマチガイというふうには思わないし、短くてわかりやすい「アフタートーク」という用語がどちらかというと好きです。正しい英語じゃない、という理由でこの便利な言葉がいま疎外されはじめているような気がするので、そう思っていない人もいるよ、とここに表明しました。
あれから数カ月。「アフタートーク」がさらに肩身が狭くなっている気がする。でも、ポストパフォーマンストークっていう言葉を使っている人の中には、上にあげた友のように、「なんか、『アフタートーク』って使っちゃダメなんでしょ?」と、理由も何もよくわからないで従っている人も多いのじゃなかろうか。


02/11/2007(日)

稽古を終えて家に帰ってきたら、いえの人がTVで放映されている『電車男』の映画を見ていて、一緒に最後まで見ちゃった。雨の中ずぶぬれで待ってたり、転んでコンタクト落としたり、自転車にぶつかってまた転んで飛ばされたメガネを拾ったのがヒロインだったり、ベタな展開が続くけど、ついつい主人公に感情移入して見てしまった。


02/10/2007(土)
注意:最初のパラグラフで、3月の東京デスロックのアトリエ公演の内容に触れています。ま、「現時点での」内容、ということで、今後まだ変更もあるとは思いますが。
注意:2番めのパラグラフ以降に、飛ぶ劇場『正しい街』のネタバレがあります。

デスロックの、あるシーンを英訳した。今回の公演はダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』をモチーフとして、「知」とは何か、「知」は人間を幸福にするのか、というようなことをめぐる演劇になるんだけど、「知」と「言語」は密接な関係にあるよね。その辺をどういう形で提示していくのか、というあたりをいまいろいろ試し中、なんだと思う。私は英訳で協力。「専門知識も自分の言いたいこともはっきりしているが、英語があまりできない」という感じの台詞を作るのが、ものすごく面白かった。

稽古のないきょうは、夜、飛ぶ劇場の『正しい街』(作・演出:泊篤志)観劇。前回の東京公演のときは、歯痛で観劇をドタキャンしてしまったので、飛ぶ劇場を見るのは2002年12月の『ミモココロモ』以来だった。

宗教団体の話だみたいなことは聞いていた。舞台の様子はというと、向こう側とこちら側の2面の客席のあいだにプラットフォームのように長い舞台があって、中央に柩のようなものが置かれている。開演すると、舞台の周囲を俳優たちが囲み、舞台上で演技をする以外にト書き的な言葉をしゃべったり、だれかの台詞をざわめきのように繰り返したり、とにかく皆さん上演時間のあいだずーっと観客の視線にさらされた状態でいる。内容的にも上演形態的にもどちらかというと私の苦手分野で、これはもしかしたらうまく入り込んでいけないかもしれない、と少し心配になりながら見始めたんだけど、ぜんぜん大丈夫で、2時間を超える上演を、長く感じなかった。

『ミモココロモ』東京公演を見たときには、作品との関わり方が俳優によってけっこうバラバラだなぁと思った記憶がある。それがきょうは、どの人もしっかり舞台に居て、一人一人がくっきりとしていながら全体のトーンが定まっていて、変なことを気にせず物語の中に引き込まれていくことができた。劇団として継続して活動している強さだろうか。そして私は、衣裳も担当している内山ナオミさんの、狂信的でずるくてせつなくてもどかしくて怖い民子からほとんど目を離すことができなかった。すごいなぁ。この人はこの作品のこの役に出会えてよかったなぁ。と、思ったことでした。


02/09/2007(金)

「今週いっぱいくらいで」と頼まれていた校正を、もうきょうはやらないと間に合わなくなって、稽古前にファミレスでやる。英語ネイティブの人が書いたのであろう英文に、つづりの単純なミスはともかく、この文はこう直したらどうでしょうかというようなことまで書く私は何様のつもりなのか。と思わなくもないけれど、文芸作品じゃなくてマニュアルだからさ、「表現の統一」とか「わかりやすいかどうか」というところで疑問に思うことは、指摘というか提案というか、そういうのを付けておいた。

そしてデスロック稽古。きょうは、見学のかたが1人いらした。

今回、公演会場であるアトリエ春風舎で1カ月稽古して本番をむかえるわけで、音響も照明も(まだ仮だけど)仕込んだ状態でああでもないこうでもないといろんなことを試せるのが、面白い。照明と音響の操作を、舞台上で俳優が行う作戦なので。私はいままで照明は、技術も興味も、「灯体をつり込んで、回路をとって、パッチを組む」というとこまでだったんだけど(たとえば、フォーカスなんて、あまりに微妙で自分には向かないと思っている)、ちょっとその先まで行ってみたくなってきた。

きょうの稽古は、他チームのバトル的なシーンで照明をベカベカやり、自分チームのシーンでは演出に沿ってああやったりこうやったりちょっとずつ方向を変え、言語実験的エチュードを英語力でねじ伏せ、時間はそれほど長くなかったけどとにかくなんかたくさん稽古した感じだった。


02/08/2007(木)

洗濯して、食事作って、メール書いて、あなざ事情団次回公演(詳細未定)用のチラシのイラスト描きを少し進めて。

夜はデスロック稽古。表紙含め7ページ台本が配られる。俳優もきょうは5人全員揃い、台本を手にさっそく立ち稽古。今回、舞台を客席が半円形に囲むような配置になる予定で、あんまり1方向だけずっと向いてたら全然顔の見えないお客さんも出てきてしまう。それをどうしようかみたいなことも頭の中で軽く考えながら動いてみた。

帰りの電車でも家でも、台詞を覚えようと台本を広げる。いまもらってる自分の出てるとこは3ページ弱。2人の会話。相手の台詞もだいたい覚えながら、話の展開を追いながら、自分の台詞を覚えていく。話の展開というかその人物の考えが何から何へどういうふうに進んでいったかというあたりを私自身が理解していないと、そこでつまっちゃう(次の台詞が出てこない)。そういうウィークポイントを、理詰めで考えて、つぶしていく。まぁ、自分の感性でするっと理解できることばっかりだったら特になんか考えなくてもそのままちゃんとしゃべれるんだろうけど、俳優というのは、他人(作家)の書いた、他人(登場人物)の言葉をしゃべる仕事だから、自分の感性だけじゃ言えないこともどうにかして言えるように、各自それなりの方法を考えてやっているもんなんだろうと思う。私は元々理屈っぽいから、話の流れに論理的な筋道を見つける方向が、やりやすい。よし、明日の稽古までに覚えるぞ!


02/07/2007(水)

きょうのデスロックは、春風舎のメンテをして、不要物を片づけて、客席と舞台を作り(といっても、パイプイスを並べ、舞台上に使用機材をセッティングしただけだけど)、とりあえず舞台が明るくなるよう照明を吊った。明日から稽古再開。


02/06/2007(火)

3月に『東京デスロックのアトリエ公演 unlock #1』に出演しますよ、といろいろな人たちにメール。こういうのって、いつもはBCCでいっぺんに送っちゃうんだけど、「○○さん、ご無沙汰してます。いつも公演の案内ばかりですみません」「△△さん、今年もよろしくお願いします」「□□さん、こないだは公演をちゃんと観れなてごめんなさい」と一通ずつやっていたら、35通送るのに1時間半かかっちゃった。次回はやっぱりBCCにしようと思います。

今回のデスロックの公演は、アトリエ春風舎でのすべての稽古を公開していて、事前に連絡していつでも稽古を見学できることになっている。友だちが、見に行ってもいいですか?と連絡をくれた。見に来て、見に来て! でも今日明日は稽古が休みなんだけどね。


02/05/2007(月)
注意:スタートレック:ヴォイジャー『ヴォリ防衛隊第4分隊』のネタバレがあります。

東京デスロック、昼過ぎに春風舎入り。きのうまで公演してたサンプルの人たちがちょうど片づけを終えて帰るところで、こないだ観劇した日に私はすぐ次の用事があって終演後すぐ帰っちゃったので、きょういろんな人に会えて感想なんかも伝えられて、よかった。

きょうは稽古はしないで、劇場をどういうふうに使うか、客席はどこに設置しようか、みたいなことを考えながら、とりあえず稽古できるように平台や椅子などを片づけたりなんだり。これから約1カ月かけてこの空間で作品をつくっていくんだなと思うと、わくわくした。

夜、スタートレック:ヴォイジャー『ヴォリ防衛隊第4分隊』を見る。最後のチャコティの台詞、I wish it were as easy to stop hating as it was to start.(憎悪の感情は、あんなに簡単に生まれた。それと同じくらい簡単に憎悪を忘れてしまえたらいいのに)が重く心に残る。以前見たことのあるエピソードなんだけど、前半のほうでチャコティが「私は、憎しみってものはよくわからないんだ」と言っていることには、きょうまで気づかなかった。憎しみってよくわかんないよ、と言っていたチャコティが、とある環境に放り込まれて、まぁ薬の使用とかもあったわけだけど、経験したことを通して、ヴォリ人の敵対している種族を自分の敵として憎むようになっていく。そして、救出されて、あなたは洗脳されてたんだよ、ヴォリ人のほうがひどいんだよ、と証拠を見せられても、一旦心に生まれた憎しみは容易に消えない。憎しみというのはやっかいな感情だ。


02/04/2007(日)

シアタートラムに『呉将軍の足の爪』という韓国の戯曲のリーディングを見に行く。リーディングといっても、衣裳もあって、生演奏で、歌もあって、普通の演劇の公演を見たくらいの満足感があった。アフタートークもあり。司会というのはむずかしいね。


02/03/2007(土)

青年団リンク サンプル公演『シフト』を見に行った。会場は春風舎。来週から私たちが東京デスロックの稽古で毎日行く場所だ。駅から行く途中のドイツパンの店がなくなっているっぽかった。できたばかりだったのになー。

松井周 作・演出『シフト』は、非常に興味深く、ぜんぜん飽きずに見ていた。私は暴力や暴力的な言動や関係が苦手なので、これまで見た松井作品(『通過』『地下室』)は見ていてつらかった(あくまで好みの問題です)が、今回は楽しんで見ることができた。隣の席の見知らぬ人は終盤ボロボロ泣いていたけれど。

夜、東京デスロック稽古。少し台本が出来てきていて(2人の会話2種類)、それに沿って。『アルジャーノンに花束を』から多田さんがどういう世界をわーっと広げていくのか、ちらりと見えたような気がした。これから1カ月かけて、ガッツリやるぞー!


02/02/2007(金)

ダンスワークショップ。私は前回休んじゃったこともあり、きょうは身体慣らしのつもりで軽く参加。とか言ってもやってるうちに夢中になって動いちゃうんだけどね。アップしている途中で、あ、いま身体が楽に動くようになった、という瞬間が来たのがおもしろかった。

終わった後何人かでお茶飲んだりカレー食べたりして話す。台本書いてる人と演出の人もいて、衣裳がどうなるのかというような話も少し聞いた。「予算ゼロ」と言い切る姿勢がいっそすがすがしい。

夜、大切な友の出演している公演を見に行ったのだが、きょうは朝から用事があって早起きした上に踊った後だったので、半分くらい記憶がない。ごめんなさい。


02/01/2007(木)

電車の中でひまにまかせて、日頃持ち歩いているメモ帳を読んでみた。字が汚くて解読不能の部分が多々あった。これから気をつけよう。何についてのメモかすぐに思い出せないものもあった。たとえば、Marriage is a term for other people.とだけ書いてある。フレディ・マーキュリーが自伝映画の中でインタビューにこたえて言った言葉だと思い出すのに苦労した。

夜、アゴラにリーディングパフォーマンス『ブレーメンの自由』を見に行く。言葉と俳優の距離のとり方にたいへん意識的な演出だと思った。戯曲の扱っている内容は、前に地点で見た『雌鶏の中のナイフ』に似ているなと思った。


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