喫煙者を救え!


●きっかけ

私がタバコをやめて、そろそろ半年になる。タバコをやめる遠因となったのは、そのまた半年ほど前に見た一つの雑誌記事である。残念ながら元の雑誌は捨ててしまったので、何という雑誌の何月号かはわからないのだが、その記事の内容は

喫煙者がタバコをやめられないのはニコチンの中毒になっているからだ

というものだった。当時私は一日20本の、まぁいわば平均的スモーカーだった。私は既に、タバコをやめられない原因がニコチン中毒であるということは理解していた。だからその雑誌記事は、既に知っていることの確認として読んだに過ぎない。その記事では、喫煙者がどうしてタバコをやめられないか、ニコチン中毒とはどういうものであるかが、科学的根拠を示しながらなかなか上手に説明されていたように記憶している。ところが、その記事を読み終えて、ふと、ある考えが頭をよぎったのである。

まてよ。こういうことが記事として成立するということは、ひょっとして、 ニコチン中毒だからやめられないのだ、という事実自体、実はあまり理解されていないっていうことじゃないのか。

この疑問が元で、後にタバコをやめることになるとは、その時は考えもしなかった。


前:はじめに/目次
次:やめられない理由


HOMEへ


岩城 保
iwaki@letre.co.jp