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仮説:国際化については考えなくて良い

政治家の発言の話題
2000.5.16

今回のトピックは、申し訳ないが低レベルの話題である。非常に腹が立ったので思わず書いてしまったが、本当は「私だってこんなことは書きたくない」。

現在(本稿執筆時点)、日本の総理大臣は森喜朗という人である。この人が先日、下記のような発言をし(2000年5月16日朝日新聞夕刊より)、政治問題化している。今の所、発言の撤回や訂正の意志はないらしい。

(前略)
 最近、村上(正邦参院議員)会長はじめとする努力で、「昭和の日」を制定した。今の天皇ご在位十年のお祝いをしたり、先帝陛下(在位)60年だとか、政府側が及び腰になるようなことをしっかり前面に出して、日本の国、まさに天皇を中心とする神の国であるぞということを、国民の皆さんにしっかりと承知していただくというその思いで我々が活動をして30年になる。
(中略)
 神様であれ仏様であれ、それこそ天照大神であれ、神武天皇であれ、親鸞聖人さんであれ、日蓮さんであれ、宗教というのは自分の心に宿る文化なんだから。そのことをみんな大事にしようよということを、もっと教育の現場でなぜ言えないのか。信教の自由だから触れてはならんのか、そうじゃない。信教の自由だからどの信ずる神も仏も大事にしようということを、学校でも社会でも家庭でも言うことが、日本の国の精神論から言えば一番大事なことなのではないか。

じゃぁ言わせていただくが、神も仏も信じない自由はどうなるのだ。私は唯物論者である。上記の内閣総理大臣の発言は、私のような者から見れば信教の自由の完全なる侵害である。そんなこともわからない人がこの国では総理に選ばれるのだ。

先日、東京都の石原都知事(当時)も「三国人」という単語を使って問題発言をした。まったくどういう神経をしているのか。

私が韓国人や在日韓国人やアメリカ人やフランス人の友人とつきあう上で、公的立場の人にこういった発言をされると、はっきり言って迷惑なのである。未来の日本のためとか国際問題とかそういう話ではない。私が、個人的に迷惑するのである。だから軽率な発言はやめていただきたい。付け加えるなら、こういう発言をする政治家には私は絶対に投票しない。

政治家の方々に質問したい。国際化だとかグローバルスタンダードだとか、偉そうなことを言ってるけど、あんたら、一人でも外国人の友人を持っているのか?

私の結論:自分に関係ないくせに国際問題を語るべからず。


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岩城 保(Tamotsu Iwaki)
iwaki@letre.co.jp