つれづれなる日々

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2005年10月の日々

フラフープ、まだまだ初心者

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10/31/2005(月)

始発で一旦帰宅し、でも3時間後には再度アゴラに向かう。本当にこれでさよならだ。マイクロバスにちょっと座席の余裕があり、私は成田まで見送りに行った。きのうパク先生に「ソウルでは涙のお別れだったが、今回は笑ってさよならをしましょう」(たぶん)と言われたので、泣かなかった。でも帰りのバスの中でやっぱり涙が少し出た。

アゴラに戻って、この2週間自炊やら打ち上げやらで『ソウルノート』チームが活用させてもらった事務所キッチンの現状復帰(あまった食品の「ご自由にお持ちください」コーナーを設けたり、食器の整理整頓をしたり、不要な物はこの際捨てたり)を担当。その後、ヤルタの小道具のお菓子を買いに下北沢まで行った。

『忠臣蔵・OL編』が自主通し稽古を8時からやるというので、その終了を待って9時半から『ヤルタ会談』自主稽古――の予定だったが7時半頃稽古場に行ってみたらゆかりさんも島田くんもいて、じゃぁまず1回台詞合わせしようということになり、その場でヤルタ。OLの稽古を見学するという島田くんを残し、私は別室で仮眠。その後、もう1度ヤルタの自主稽古をして、終わったのが10時頃。帰りに何人かでちょっと飲む。でも私はさすがに疲れて(自主稽古中も、寝起きか酔っぱらいのようだったかもしれない。ゆかりさん、しまぷー、ゴメン)、1時間ほどで帰った。

ホームページの掲示板にパク先生からの書き込み。カラオケで歌いすぎて喉が痛いと書いてあった。私もきょう1日喉が痛かった。


10/30/2005(日)

タクシーで羽田に向かうパク・ジョンウォンさん(衣裳)をみんなで見送る。きょうはいよいよ『ソウルノート』公演最終日。

今回、お客さんと同じ入口から俳優も出入りするので、稽古のときにオリザが韓国チームに、「青年団の俳優やスタッフが交代で受付を担当しますが、中には皆さんの顔を知らない人もいるかもしれないので、(チケットを持っていないから)入口でとめられてしまうかもしれません。『私は俳優です』という日本語だけは覚えておかないと劇場に入れませんよ」と冗談まじりで言ったんだけど、きょう、開場時間中(いわゆる「0(ゼロ)場」)ユ・ヨンスさん(学芸員の後輩役)が舞台上のベンチに腰掛けようとしたら、場内を担当していた新人の人に「お客さま、そちらは……」ととめられそうになったらしい。そういえば私も、パリと香港で、場内係の人に制止されたことがある。あぁ、さらにそういえば、以前の青年団プロデュース公演で、コートとカバンを持ってスタンバイしていた俳優が受付の人に「お荷物お預かりしましょうか?」と言われたこともあったなぁ。

夜の追加公演も満員の客席で無事終了し、撤収作業。『ソウルノート』の美術館のためにつくった私のパッチワーク作品「Confetti」を、きれいに包装してパク先生にプレゼント。近くのホルモン焼き屋さんで打ち上げ。日本チームは、撤収とのかねあいで、何人かずつバラバラと順次合流。2次会は、カラオケ。去年のソウルでのカラオケも、今年韓国チームが到着した日のカラオケも私は不参加だったので、きょうのカラオケはとっても楽しみにしていたんだけど、期待にたがわずパワフルで楽しい会だった。


10/29/2005(土)

衣裳のパクさんが明日帰国するので、プレゼントを渡す。赤い布製の和っぽいコサージュと、息子さんには紙風船。そしたらたちまち目に涙がたまって、ぽろぽろっとこぼれた(私ではなく、パクさん)。ストレートな反応に少しびっくりした。私も泣き虫だけれども。

きょうの公演は2時と7時。きのうよりインターバルが1時間長い。昼公演が終わるや否や、韓国チームの女子たちは「渋谷に行きます」と小雨の中出掛けていった(歩いていける)。もうきょうくらいしか時間ないものね。

夜、来月(来週)の旅公演(『忠臣蔵・OL編』と『ヤルタ会談』の2本立てで長崎と高松に行く)のミーティング。


10/28/2005(金)

2回公演(4時/8時)。昼は、NHKハングル講座のカメラが入った。スタッフの方が、「これ(展示されている私のテキスタイル作品)、松田さんの作品ですか?」と言うので「はい、パッチワークが趣味なので」と答えたら、「知ってます。ホームページ拝見しました」。嬉しかった。

夜の公演に、田舎の家族が見に来てくれた。『東京ノート』も何度か見ているんだけど、今回の『ソウルノート』がとても気に入ったようで、感想をたくさん聞かせてくれた。来月は『ヤルタ会談』で九州と四国に行くと言うと、『ソウルノート』で行けばいいのにと言われた。そういうわけにもいかないんだけれど。


10/27/2005(木)

歯医者に行き、抜糸。経過はいいようだ。帰りに近くのスーパーでマシュマロクッキーの材料を買い、近くの化粧品直売店で、残り少なくなっていた基礎化粧品を買う。早めにアゴラに行き、初日があけたらやろうと思っていた、『ヤルタ会談』自主稽古をした。なんか、『ソウルノート』の幕が開くまでは、やりたくなかったので。といっても、1人で台本を声を出して2回読んだだけだけど。

昨日と同じく、19:30開演。2月のメルボルンでの初日を思わせるようなノリのいいお客さまだった。終演後、アフタートーク。平田オリザとパク・カンジョンの演出的なスタンスのちがい(人間をどれだけ愛しているか、信頼しているか)についての話が面白かった。


10/26/2005(水)

13時から稽古。あいまに私は、きょうの打ち上げで出す料理の準備の一部を担当。今回きのうまで青年団の新人2人が毎日の夕食の準備をしてくれていたんだけど、きょうからはお弁当(買ってくる)になるから、つまりもう夕食は作らないから、新しく材料を買わないでいまある食材を活かして何か作ることになっていたので、私が手伝うことになった次第。この新人チームは、すごくやる気があって毎日頑張ってくれているけれど料理の経験値がまだあまり高くなく、本を見てその通りに作ることはできても応用編はまだむずかしそうな様子なので。

19:30開演で、『ソウルノート』日本初演の初日の舞台が始まる。日本チームは、私も含め、『東京ノート』は前に何度もやっている人ばかりだが、きょうはみんな、なんだかとっても初日っぽい緊張をしていたと思う。


10/25/2005(火)

照明との関係も見るので、衣裳を着て稽古。10:30開始。途中休憩をはさんで、16:30終了。きょうの夕食のおかずはゴーヤーチャンプルー。「劇団員に、沖縄出身の人がいるのですか?」と音楽監督ハンさんに聞かれる。「いません」「ではなぜ沖縄料理?」「夕食を作ってくれている人たちが、皆さんに日本のいろいろな料理を食べていただきたいと思って、それで出したと思います」。

19時開演でゲネプロ。劇場のエレベータを劇中で使用するので、事務所への出入りなどに他の人がエレベータを使わないように「 時 分〜 時 分 エレベーターを使用しないでください」という貼り紙をスイッチのところに貼るんだけど、手書きで記入された時間が「21時40分〜21時30分」となっていた。準備したのは、制作の人だろうか舞監の人だろうか、なんとなくわさわさとてんてこ舞いな、本番直前の感じがして、ちょっと微笑ましいような気もした。私が何かでてんてこ舞いなときにも、きっとだれか「あぁマチコさんいまテンパッてるなー」とちょっと離れて客観的に見ているんだろうな、と思うと、明るい気分になった。だれもが同時にパニックしたら大変だけど、そうはなってない、世の中うまくできている、という気持ち。

夜、フランスに住んでていま仕事で日本に戻ってきている友と飲む。


10/24/2005(月)

きょうは、劇場に入って装置を設置する、「仕込み」の日。韓国チームはオフ。この作品、日本側の出演者が少ないので仕込みがどうなるか少し心配だったけれど、青年団の若い人を中心にたくさんの人が仕込みに来てくれた! 装置は、基本的に昨年の『東京ノート』若手公演と同じ。私は、マスキングテープとプラダン(プラスチック段ボール?)で何かを隠すとか、ポールの先に「旗」を付けて色を塗るとか、クランプを赤と白で塗り分けるとか、一人でやる細かい作業をいくつか担当。それと、展示されている美術品として、私の新しい作品も飾ってもらった。

夜7時からパク先生の演出で稽古。主に韓国チームの出はけや動き。こういう空間だったらこういうことをしてみよう、という新しい演出がいろいろと出る。演出家も俳優もものすごく積極的に空間と関わっている感じがして、見ていてとても面白かった。


10/23/2005(日)

『カガクするココロ』を韓国語に翻訳し、すでに公演したこともあるソンさんから、戯曲について聞きたいことがあると言われ、質問に答える。「聞かなくていいわよ、そんなの」というのが、「あなたは、教授のそのような命令に従う必要はない」という意味かそれとも「私はそのことはすでに知っているので、あなたから聞く必要はない」という意味なのか、というような、言語寄りの質問には答えられたけれど、「有田の専攻はなんですか」、「『助手』は、大学院生ですか、それとも教員ですか」、「源は、安岡・高木・平山と同級生ですか」、「死体洗いのバイトというのは、(病院で)死んだ人を安置するためにきれいにすることですか、それとも研究用の死体ですか」といった質問に対しては、私なりの回答はあるんだけど、それが戯曲のどこかに書いてあったのかそれとも自分なりの解釈なのか、こうですと言える根拠がはっきりせず、きちんと答えることができなかった。この作品、私だって英語に訳しているんだけど……。作者が身近にいるとか、実際の公演を何度も見たことがあるとか、そういうことでかえって作品に対する理解が浅いままになっているということがあるのではないか、と反省した。

きょうの稽古は、通し稽古のみ。スタッフや青年団の劇団員など、何名か見学あり。


10/22/2005(土)

きょうは稽古の様子をNHKのハングル講座が取材していった。稽古前にジヨンさんと私が雑談してるとこも撮られた。写るかな?

稽古は、字幕を調整しながら一応全編やって、最後までいったので明日は通し稽古をすることになった。稽古中、字幕に関して面白いことがあった。割と年齢差のある恋人どうしの台詞が、男性はパンマル(丁寧語じゃない言葉。タメ口)だけど女性はヘヨ体(丁寧な言い方)でしゃべってるんだけど、字幕では割とタメ口っぽく「なに飲んだの?」とかなってる。もともと台本の翻訳(日本語から韓国語)をしたソンさんには、それが違和感があったようだ。すごく仲がよかろうが、結婚しようが、すごく歳の離れている二人だったら年下の人は丁寧な言い方をするほうが普通だそうだ。日本語としては大丈夫、丁寧言葉にするとかえって変によそよそしい感じになってしまう、とオリザが説明して、字幕はそのままにすることになった。

きょうの夕食は、韓国チームがカルビパーティをしてくれた。稽古時間中から衣裳のパクさん、技術監督のキムさん、音楽監督のハンさんたちがいろいろな料理を準備して、稽古が終わると俳優たちも野菜を洗ったりカルビやチヂミを次から次から焼いたり。そしてテーブルにチャミスルの小瓶がガンガン並ぶ。

パク先生が、この夏に出演した映画(まだ編集の終わっていないもの)をパソコンの画面で見せてくれた。ハンコ職人(パク先生)が妻の愛人に会いに行くという話。酔っぱらったり、情けなかったりするパク先生がとってもキュートだった。ところで、パク先生は左利きで、映画『アイアン・パーム』でも左手に箸を持ってご飯を食べていたんだけど、この映画ではバドミントンをしたりお酒を注いだり全部右手でやっていたので、どうしてですかと聞いたら、ハンコ職人なのでハンコを彫るシーンがあり、そこは実際にハンコを彫ってる他人の手が写ってるわけだけど、その人が右利きだったから、とのこと。全部右手でやるのは大変だったそうだ。そりゃ大変だっただろうと思う。利き手じゃない手でバドミントンなんて、おいそれとできるもんじゃないよ。『妻の愛人に会う』(原題)というこの映画は、日本でも来年公開される予定だそうだ。


10/21/2005(金)

アゴラの前でヨンミンさんに会ったので、「オッパ、アンニョンハセヨ」と挨拶してみた。

『ソウルノート』の稽古は午後から夕方なので、女の人たちに「きのう夜、どこかに行った?」と聞いてみると、ジョンアさんは原宿に行ったという。ジヨンさんは、服を見たけど高かった、みんな百均でなにか買っていた、とのこと。聞き取りがまちがってるかもしれないけれど。

きょうの稽古は、字幕の調整が中心だったので、日本人俳優は、韓国語の台詞の多いよーこ以外あまり出番なし。稽古終了後、みんなで夕食を食べ(今回、夕食は自炊。食事担当の2人が毎日準備してくれる。きのうはご飯が足りなくてピンチ!となったけど、きょうはあつあつご飯がたくさんあって、よかった。きのうの反省がきょうすぐ役に立っている!)、桜美林大学に『バルカン動物園』を見に行った。ちょうどラッシュ時で、電車がぎゅうぎゅう詰め。「韓国語では、キンパプ(のりまき)みたいと言います」と、日本語のできるソンヨンさん(パイロットの恋人役)が言う。言われて考えてみたら、日本語でもすし詰めと言うね。乗り換え駅でユヨンさんが、丸井のネオンを指さして、「あれは何ですか?」と言う。あぁ、ハングルで「イ、イ」って書いてあるように見えるよね。「あれは、マル、イ、マル、イで、丸井というデパートのマークなんですよ」と説明。


10/20/2005(木)

きのうの歓迎会のときに、「絵の好きな女」役のジヨンさんから、明日が31歳の誕生日、と聞いた(と思った)ので、きょうバースデーケーキを用意したんだけど、誕生日は明日で、歳は30歳だった。全部まちがった。ガーン。弁護士役のイム・ユヨンさんが、「誕生日を祝うのは、遅いよりも早いほうがいいんですよ」と言ってくれた。優しい言葉をありがとう。

冒頭部分から稽古を始めるが、どうも台詞がつっかかってしまう。緊張していたことは緊張していたんだろうけど、どうしてこんなに?と思ったら、演出のオリザから、韓国語がわかるようになって同時多発の別チームの台詞が聞き取れるようになってきたから、いままでと勝手がちがうのだろうと指摘された。なるほど。

『日本語を書くトレーニング』(野田尚史 森口稔著、ひつじ書房)という本を、著者の1人が知り合いなので買ったのだが、読み始めてみたら、すごく面白かった。そうそうそうそう、こういうメールがむかつくんだよーというすごく良い例がたくさん載っている。そういう文章を書いちゃう人は自分の文章がわかりにくいなんて思ってなくて、だからこの本を自主的に手にとることもないんだろうな、と思うとなんだか少しむなしいような気もしたけれど。でも大学などでテキストとして使用することを主な目的としている本らしく、そのような用途にはまさに最適だと思った。


10/19/2005(水)

『ソウルノート』韓国チーム来日の日。午後からアゴラに行って、いろいろと準備。といってもきょうの歓迎会の用意は、今回のプロダクションで食事のことを担当してくれる新人2名が、きのうから頑張っていろいろとやってくれていて、あまり手伝うこともなかった。

予定より少し早く、4時半過ぎに、みんながアゴラに着いた。階段をあがって5階の稽古場に行くと、なんだかすごく当たり前のように、すごくなじんだ感じで、演出のパク・カンジョンさんがいて、なつかしさでいっぱいになった。それぞれの宿舎に行って荷物の整理などしていただいて、夕方から歓迎会。

自己紹介のときパク先生が、「去年、公演が終わって、徹夜で打ち上げをして、朝みなさんのホテルに私たち3人で見送りに行きました。その私たちを撮った写真をマチコさんのホームページで見て、涙が出ました」と言いながら、目を潤ませていて、そう指摘されると「お酒のせいです」と言っていた。

学芸員役のチェ・ヨンミンさんを「ソンベニム」(先輩)と呼んでいたら、衣裳スタッフのパクさんが、「オッパと呼んであげてください」と言う。オッパというのは、女性がお兄さんを呼ぶときの言い方で、きょうだいじゃない年上の男性(夫、恋人、先輩)にもそう言って呼びかけるんだけど、私も40代半ば、チェ・ヨンミンさんのお歳は知らないけれど、大学生の娘さんがいらっしゃるという。そんな私がそんなヨンミンさんを「オッパ」と呼んでもいいんですか?と言うと、パクさん(衣裳)は、いいんですいいんです。「ソンセンニム」(先生)は?――ダメですダメです、「ソンベニム」は?――ダメですダメです、とのことで、「オッパ」と呼んでみた。お互い、照れた。


10/18/2005(火)

朝、カバンを開けてみたら、米が2kg入っていた。きのうアゴラに持っていって、出すのを忘れてそのまま持って帰ってきたんだ。どうりでカバンが重かったはずだよ。自分のおっちょこちょいさに大笑いする。

自主稽古の後、歯医者に。こないだやり直したインプラントの様子を見ると、やっぱダメで、もう一度トライすることになった。結構大変な処置らしいんだけど、先生はいつもどおりおしゃべりだ。というか、たぶんこっちが不安にならないように、いつも以上におしゃべりになっている。最後のほうは麻酔も切れてきてちょっと痛くなったりして(「あぁ、痛みますね。でも、がまんしてくださいね」と言われた。この先生にがまんしろと言われることはほとんどないので、きょうはやっぱりことのほか大仕事なんだなー、がまんしよう、という気持ちにさせられた)、最後はメソメソしてしまった。

うどんとアイスクリームを買って帰る。


10/17/2005(月)

さらなる校正を、朝、FAXで送る。この時期になって文章に訂正を入れるのは気がひけたけれど、このまま印刷するわけにはいかない。意図をわかってもらいたいので、どうしてこのように直したのか、なぜこれではダメなのか、どいうところがわかりにくいのか、ということを、言葉でがんばって説明して付けた。

自主稽古、きょうは全員揃う。夕方、韓国チームの到着を目前に控え、みんなで一度ミーティング。30分の予定だったが2時間になった。

夜、家の近い友と、家の近所で飲む。飲んでいるときに、まえに出演した短編映画『進め!』の監督沖田修一さんから、劇場公開が決まったと連絡が入った。黒澤明記念ショートフィルムコンペティションで、この作品は賞に入らなかったけれど、出演していて言っても説得力がないだろうけれどすごくいい作品なので、なんらかの形で評価されたということは、とても嬉しい。


10/16/2005(日)

『ソウルノート』自主稽古。来れない人の分は、居る人が交代で台詞だけ入れていく。いつもとちがう人が言う台詞というのは、なかなかまた面白かった。妹の役を男子が読んだりしても、妙なリアリティーがあった。

夕方から、19日の歓迎会のことなどについて、ミーティング。4時間半も話し合った。最後のほうは私はもう、シャッターがおりたみたいになっちゃって、使い物にならなかった。


10/15/2005(土)

昔、校正のアルバイトをしていたので、文字のマチガイなどはわりと気がつくほうだと思う。ま、細かいことが気になるタイプというか。でも、ゆうべ夜中に送られてきて校正した原稿は、文字の校正よりも、内容とレイアウトにいろいろと注文をつけたいところがあった。私はデザイン的なことにはセンスも興味もないが、その私が見ても、これはまとまりがなくて見にくいなぁと思う紙面だった。昼過ぎに終了し、FAXで送る。

そしてテレビCMの撮影のため、出掛ける。いい天気なのになぜかウールの厚手のジャケットを着て出てしまい、すぐに脱いで結局ずっと持って歩くはめになった。撮影は、私は1カットのみ。椅子にこう腰掛けて、いやもっと深く、手はこう、目線はこっちいやもう少し高く、最初にこにこ見ててそれから自分のタイミングで……、と最初に監督から細かく説明があって、撮るとなったら、テストなしいきなり本番で、1回でオーケーが出た。一発OKって、初めてだった。こんなこともあるんだなー。


10/14/2005(金)

花組芝居『草迷宮』を見た。大井さんのいでたち(衣裳というか、全体)に度肝を抜かれる。泉鏡花の世界は、綺麗で、哀しいね。

その後、美容室へ。「元気な感じにしてほしい。でも、アレンジでおとなしめにできるように」と注文してパーマを掛けてもらう。『ヤルタ会談』の前に『ソウルノート』があるからね。帰宅すると、いえの人に、「パーマ星人だ」と言われた。ま、髪型がかわったときに何も言わないと私が不服そうな顔をするからだと思います。


10/13/2005(木)

『ヤルタ会談』も近づいているので、台本を読んだ。

二人の会話を録音し、それを原稿に起こして会話を再現する、というワークショップに参加。原稿に書き起こし、声の高低、大きさ、間などの「音の形」を自己流で書きとめるわけだが、
「さっきしゃべった自分の『物まね』をするのではない。なぜそういうしゃべり方になったのかということを思い出すことが大切。そのときにポイントとなるのは、
1.何に反応して、そのようにしゃべったのか
2.何が目的で、それを言ったのか
3.『これをしゃべる』『こうしゃべる』という決定がなされた(フォーカスが合った)のはどの時点か
の3つである」
という話があった。言われてみれば、これらはまさに、自分が台詞をどうふにしゃべるか決めるときに注意している点であった。特に2番めの「目的」ということは、「『悲しいんです』、『嬉しいんです』という感情を伝えようとして台詞を言うのではない。台詞は、相手に対するアクション(働きかけ)である。何のためにそれを言うのか(目的)、ということをわからなければいけない」という文脈でたびたび考えていることであり、私にとってはまったく違和感がないんだけど、どうも演劇の世界の外の人にはわかりにくい考え方のようだった。そのことに、少し驚いた。


10/12/2005(水)

『ソウルノート』が近づいてきたので、山村さんと二人で自主稽古をした。


10/11/2005(火)

急に寒くなってきた。7月にソウルで思いきって購入した、人生初の革製ショートコートを、おろす。軽くてあったかい。気に入った服を着ていると、気分も明るくなるね。

『マクベス巡査』は、午前4時から1本のみ放送。第13話。見たことのないエピソードだった。TVジョンは、いつも帽子とセーター、ゆったりめのズボンをすごくステキに着こなしている(変なオヤジではあるけれど)が、今回のロングコートもすごくかっこよかった。


10/10/2005(月)

朝起きて目をあけると、まわりのものがはっきり見えた。しまった、コンタクトしたまま寝ちゃったんだ! ゆうべはホントに飲み過ぎた。

ふらふらだけど、照明の仕込みの手伝いをする約束をしていたので、いえの人と朝から出掛ける。高山広さんと只野展也さんの『ねずぶり』。仕込みを終えて、コンタクトを外す。昼頃ようやく気持ちの悪いのがおさまり、元気が出てくる。スッピンだし眼鏡だし、なんだか少し居心地が悪い。本番を見せてもらって、バラシをして、さすがに打ち上げは辞退して帰宅。

けさ録画しておいたはずの『マクベス巡査』第9、10話は、録れてなかった! あわてて予約したので、何かまちがえたらしい。どちらも見たことのあるエピソードだったので、そんなにものすごく悔しくはなかったけれど、それにしても残念。

そして今夜は、第11、12話。これも前に一度見ているんだけど、「少佐」がアレックスの父だということを、前回見たとき私はぜんぜん理解していなかったから、そのときといまでは、大きく感想のちがう部分もあった。アレックスとイザベルと、どっちが先にヘイミッシュの彼女だったのかというのも、わかっていなかった。今回、第1話から順番に見てみて、楽しみ方が広がった。


10/09/2005(日)

友だちを誘って、こだまの国『マラガの水牛』を見に行った。こだまの国、初見。児玉さんの衣裳に度肝を抜かれる。そしてそこに展開される児玉ワールドを堪能。

その後、友だちと飲んで、飲み過ぎて、時間がよくわからなくなって、気づいたらもう終電がなかった。行けるとこまで電車で行って、あとタクシーで帰宅。


10/08/2005(土)

以前、ある会の記録を私が文章にまとめたことがあった。数カ月後、その会をやった本人が、その会の記録を自分の名前で発表した。ところがその文章の中に、もともと私が、
「後で○○さんが言っていましたが、○○さんとしては、緑(12色クレヨンの濃いほうの緑、昔だったらビリジアンといった色です)は「明るい」というイメージだったのが、この二人にはまず軍服の色という連想が働いたことに、ショックを受けたそうです。」
のように書いたものを
「自分としては、緑(12色クレヨンの濃いほうの緑、昔だったらビリジアンといった色です)は「明るい」というイメージだったのが、この二人にはまず軍服の色という連想が働いたことに、ショックを受けました。」
と書き直したような部分があった。ショックを受けたというのはその人自身が語ったことなわけだけど、どんな緑色かを説明した「12色クレヨンの濃いほうの緑、昔だったらビリジアンといった色です」の部分は私の表現・私の言葉であり、それをそのままその人が自分の名前で発表する文章に使ったことは、私にとってそれこそ大ショックだった。言葉はきついけど、「盗作された」というような気持ちだった。

で、それはいまから半年くらい前のことだったわけだけど、なんできょうの日記にそれを書いているかというと、数日前その同じ人から、次のそういう会をまた手伝ってくれないか、と頼まれて、内容的にはとても興味があるから手伝いたいけど前回のこの問題を解決しないうちは――つまり、「あのときは、イヤだったんだよ」ということを伝えるまでは――私はこの人とそういうことを一緒にやれないな、どうしたらいいだろう、と思っていたところ、きょう、
「どう?」
と聞かれたので、実は……とここに書いたようなことをとうとう本人に伝えたからです。私に言われてその人も傷ついたと思うし、傷つけたことで、私もまた傷ついた。それでもあえて言ったのは、今後もこの人と付き合っていきたいと思ったから。それに、たぶんこれは大きな問題じゃなくホントにちょっとした誤解なんだろうということも思ったから。


10/07/2005(金)

きょうは『マクベス巡査』の放映がない。録画しておいた第4話『ウエスト・コースト物語』をもう一度見る。

書店で手にしたいしかわじゅん『漫画の時間』を購入。なんだかんだいって一晩で読んでしまう。ゴルゴ13の描き文字の話がおもしろかった。ゴルゴ13の描き文字の話というか、漫画を読むときどういうところに注意を向けるといいよ、という話なんだけど。


10/06/2005(木)

プレゼント用にパッチワークのポーチを作っている。ミシンでのキルティングが、だいぶうまくなった。走り穂のカーテンを作ったときにミシンキルトをしまくったおかげだと思う。


10/05/2005(水)
注意:ロバート・カーライル主演『マクベス巡査』第5話(山上の告白)のネタバレがあります。

『マクベス巡査』第5話、第6話を見る。第6話は登山の話で、これはまったく見たことのないエピソードだった。精神論ばっかの無謀な登山家が、持病の薬も持たずに、初心者を率いて危険な山に挑み、そのせいでみんな大変な目にあう話。

ヘイミッシュは、登山のときにはすごい的確な状況判断をして自分の意見をちゃんと言い、正しいと思う行動をどんどんとるのに、恋愛に関しては自分で決めるということをしない。臆病というのともちがうと思うんだけど、なんなんだろうね、あの優柔不断さは。

イザベルがついに「I love you.」と告白する。その後いいムードになるんだけど、ヘイミッシュは、それにちゃんと返事をしてないよ、きっと。そして捜索隊と共に村に戻ってくると、心配して待っていたアレックス(ロックドゥーに戻る決心をしてロンドンを引き払ってきた)がヘイミッシュに「Will you marry me?」と言う。恐怖に凍りついたようなヘイミッシュの顔のアップ。これがこの回のエンディングだった。

『マクベス巡査』は、内容ももちろんおもしろいけれど、全体のトーンがさだまっていないところが1つの魅力だと思う。ラブコメなのか、シリアスか、ホラーか、探偵物か……そういう、はっきりしたカラーがなくて、人生そのもののように複雑だ。


10/04/2005(火)

歯医者に行く。定期的に行ってる分だけど、いまは仮歯のとこがあったりこれから仮歯を入れるとこもあったりだから、いつもより短いインターバルで通ってる。ちょっと遅れそうになったので、「13:38頃にうかがいます」とメールで連絡(予約は13時半だった)。もし「10分くらい遅れる」と言ったら、人によったら、5分くらいで来ると思うかもしれない、でも一方、15分くらい遅れてくると思う人もあるだろう、それでは幅が広すぎる。「8分」と言えばきっと6〜10分くらいの遅れで来ると思ってくれるにちがいない。そんなふうに考えたのである。会って先生に説明したら、オモシロイ発想だと言われた。そうですか?

このあいだとても楽しかったので、もう一度『体感型★ロミオとジュリエット』を見に行った。舞台を囲む客席なので、前とちがう位置から見てみたかったということもある。きょうもやっぱり楽しかった。

『マクベス巡査』第3、4話を見る。第3話、「終わりよければ……」感、言い換えれば「結果オーライ」感、スゴイ。第4話、ハチャメチャと暗さの共存がスゴイ。


10/03/2005(月)

昼夜逆転がもうなにがなんだかわからなくなってきた。昨夜からずっと起きてて、朝6時半頃床についても眠れなくて、8時から起きて『マクベス巡査』(再放送)を2本見て、その後ゴロゴロして11時頃やっと眠って、1時頃電話で起きて、それからずっと起きている。いま午前2時半。きょうはさすがにもう眠れるんじゃないかと思う。

しかしこれからしばらくのあいだ、毎日のようにヘイミッシュ・マクベスが見られるとは、嬉しい限りである。どこかのチャンネルでCS初登場ってって『ツイン・ピークス』をやってるけど、『マクベス巡査』もそうとうマニアックで変(しかも、スコーンといいかげん)な番組だと思う。


10/02/2005(日)

あいかわらず昼夜逆転している(開き直ってます)ので、昼過ぎに起きる。そしてきのうの続きの英訳をやる。やっぱ、寝て起きるといい考えが浮かぶなぁ。

テレビをつけたらミステリチャンネルで『マクベス巡査』をやっていた! 見たことのないエピソードだ。うわー、ヘイミッシュ、マリファナ吸ってる(たぶん)、あー気に入らないヤツの車のヘッドライト蹴って割った、警官なのに……。やっぱメチャクチャだなぁ、この番組(喜んでいる)。2話続けての放映で、ロバート・カーライルを堪能。テレビガイドで確認したら、きょう第1話から始まったらしく、明後日から2話ずつ(日〜木)放送されるようだ。


10/01/2005(土)

英訳の仕事をする。普通の翻訳ではなくて、日本語の文章を要約して、決まった文字数の英語にするのである。日本語250字のものを英語250字にするというのは、内容を約半分にする感じになる。しばらくああだこうだやっていないとアタマがそれ用にチューンされないらしく、最初はなかなかはかどらなかった。いくつかの団体の紹介文なので、それぞれのホームページや関連したことに書いてあるホームページを探し出して、イメージをつかみながら、進めた。なんとか形になったので、就寝。


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