つれづれなる日々

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2009年3月の日々


03/31/2009(火)

韓国語の勉強を、ほんの少しだけれど再開。秋にはハングル検定準2級を受けたいです。いまちょっと日記で調べたら、3級合格したのが2005年12月だった。ずいぶんあいだがあいちゃった。

最寄り駅のコンコースに桜の木がいま飾られていて、その枝にはつくりものの桜の花がくくりつけられているんだけど、最近本物の花も咲き始めて、大きさも色味もちがう2種類の桜が1本の木に咲いている。造花は大きくてピンク。本物は小さめで白。お正月の紅白のかまぼこみたいです。ちぐはぐで変です。


03/30/2009(月)

いいよと友だちが日記に書いてた音楽などを聞いてみる。どうもしっくりこないのや、あぁこれは好きというのや、これ聞いてるとどんどん気分が沈んでいくなぁというのや、いろいろあった。苦手っていつまでも言ってないで、音楽も聞くようにしたい。

机の上など少し片付けたら、むかし作った韓国語の、なんていうのこれ、単語カード?、単語じゃなく文を書いてるんだけど、それが出てきた。そうだそうだ、こういうの作ってたんだ。韓国語の勉強に燃えてたんだ。そろそろまた再開したい。


03/29/2009(日)

また昼夜逆転になってきてしまっている。いつも言ってるけど、稽古で毎日出掛けていくようになればなおるからそんなに気にはしていないけれど。とはいえあまりにもひどい。


03/28/2009(土)

東京デスロック『リア王』観劇。あぁこの人こんなにかっこよかったんだなぁとか、あぁこの人のこの目線めちゃくちゃ色っぽいなぁとか、一人一人の俳優に目が行くことが多かった。ガンガン走り回るシーンがかっこよかった。でも、夏目さんが着てるのが老人体験スーツだってこと、見てる人はすぐわかるのかしら。これがわかるかわからないかで、見えるものがずいぶんちがってくる気がする。

友だちにひどいことを言っちゃって、自分があまりに馬鹿すぎて、深く深くうなだれる。


03/27/2009(金)

フェスティバル/トーキョーの、『ユートピア?』を昼に見て、夜は同じく『転校生』。昼公演の会場で、長野から来た友や大阪から来た友に偶然会って、一緒にご飯食べたりお茶飲んだりして夜公演まで過ごす。

飴屋法水演出の『転校生』、すごかった。1秒たりとも遅れない開演のしかたから始まって、映像も音楽も舞台装置ももちろん俳優も、飴屋法水の転校生の世界を構築するものとして、ものすごくきっちり、1ミリの狂いもなく、そこに存在していた。しかもそれがぜんぜん不自由そうでも窮屈そうでもないの。演出家の仕事って、力量って、こういうことなんだなぁと、感服した。


03/26/2009(木)

今日Aという演劇を見にいくかそれとも明日Bという演劇を見にいくか、ゆうべまだ決心がついてなくて、朝起きたときの気分で決めようと思っていた。けさ起きてみたら、そのどちらでもなく、「そうだ、原美術館に行きたかったんだった。晴れてるし、きょう行こう」という気分だった。ジム・ランビー展。「いきなりすぎるお誘いだけどもし奇跡的にスケジュールがあえば、一緒に行きません?」ダメもとで友だちを誘ってみる。ダメだった。まぁ10時に、きょうの13時大崎集合でどうでしょうって言われてもなぁ。

原美術館のウェブサイトには品川駅からの行き方が載ってるけど、どこか別のサイトでいえからの経路を調べたら、大崎駅から歩く道を提示された。あれ?これアトリエヘリコプターのすぐそばじゃん。だいたいどの辺かわかるや。

午後2時過ぎに美術館に着くと、15人ほどの老人の団体がちょうど入場するところで、エントランスあたりがわんわんしていた。どうして人は大人数になると自分たちのグループ以外の人が存在しないみたいな態度になるんだろうか。順路を飛ばして先に進んだりまた前にもどったりして、この一行をかわしながら展示を見ていった。

美術館じゅうの床が白黒のビニールテープで埋め尽くされて、ポップな竜安寺石庭みたいだった。うつむいて床を見ながら階段をのぼっていたら、いきなり赤紫色が視界に入ってきてビックリした。階段の壁に設置された「I DIDN'T KNOW I LOVED YOU 'TIL I SAW YOU ROCK 'N' ROLL」という作品の一部だった。ギャラリーIIの「TRAIN IN VAIN」とギャラリーIIIの「MAYBELLINE」が、私は好き。特に、カラフルな椅子とミラーボールみたいな鏡貼りのハンドバッグでできているTRAIN IN VAINは、気に入って、あっちからもこっちからも見たり、展示室に入ってくるお客さんも視界に入れて見たり、外光の反射が白い壁に散ってるのを見たり、鏡にバラバラに映ってるいろいろな色(どの椅子が映ってるのかとか。あと自分がどんな色彩でどうふにバラバラに映るのか)を見たりした。

チラシのようなカラフルな床がなかったのはちょっと残念だった。常設展示の物もいろいろ面白かった。庭木や地面にいる鳥(ツグミとハクセキレイじゃないかしら)を窓から見たり、中庭で塀際を通過するトラ猫を見たり、というのも楽しかった。

一人で行ったのでちょっとさびしかったけど、他の一人で来てるお客さんたちと言葉にならない交感みたいなのがあった気がして、そういう秘密めいた楽しさがあった。好きな順路で好きなだけ長く何度でも見れたのもよかったけど、これは別に、人と来ててもやっちゃうと思う。

楽しかった。原美術館。すすめてくれた友だちに感謝。


03/25/2009(水)

秘密企画の台詞をバリバリ覚える。よし、次の稽古の分はだいたい覚えたぞ。たぶん。

夜中にビールを350ml2缶飲む。最近あんまり飲まないからかな、そんなぽっちで酔っ払っちゃった。


03/24/2009(火)

フェスティバル/トーキョーの『ユートピア?』に劇団の物販の手伝いに行く。公演も見せてもらう。

夜、洗面所でガラスのコップを割る。鏡の前の棚にのってたのを、何か取ろうとしてまちがって洗面台に落としちゃった。小樽で買ったきれいな模様の入った厚手の吹きガラスが、飛び散って、破片が飛んできてちょっとだけ手を切った。切ったっても、ガラスの待ち針の頭くらいちょっとだけ血が出ただけだけど。昼間、写真の整理をしててガラスの写真に妙に心ひかれるなぁと思ってたんだけど、あれはこれの予兆だった?


03/23/2009(月)

天気いいしと薄着して出掛けたら、すでにそんなに天気がよくなくて空の雲が円谷の特撮みたいで、さらに夕方から寒くなった。失敗失敗。

シャツのリメイクのスカートを、もう1着作る。こないだは筒型に縫ったけど、今回は台形に裁断して、さらに、縫い合わせてからダーツをとって、裾広がりな感じにしてみた。面白いなこれ。「黒っぽい服装で」と言われた仕事にこれ着ていったら怒られるかな。でも、黒っぽくする理由が、黄緑色のものを身につけないといけないので明るい色の服装で行くとスゴイ配色になってしまうから、ということだから、黄緑が入っても大丈夫な色彩だったらいいよね?

もういつだったかわかんなくなっちゃったけど、こないだ見た海外ドラマの台詞の字幕が興味深かった。CSIニューヨーク。意識不明の仲間の入院している病院にみんな駆けつけて、マックが「みんなしていなくたっていいよ」と言うのでマックを残して帰っていくけど、1人だけマックと一緒に残った女の人がいて、マックが「ありがとう、残ってくれて」とか言って、それにこたえてこう言うんだ。
Mac, that's what we do.
We take care of each other.
字幕は、「仲間だもの当然よ/支え合わなきゃ」となってた(表記はまちがってるかもしれません)。ドラマの字幕って、ときどきものすごく「うまい!」って思うときがある。字数という制限があるから逆に生まれてくる表現という気がする。

これも日記に書きそびれてたんだけど、最近、カナダの作家アリス・マンローの短編集"Hateship, Friendship, Courtship, Loveship, Marriage"を読んでいる。タイトルになってるHateship, Friendship, Courtship, Loveship, Marriageって、アキストゼネコみたいなヤツらしい。


03/22/2009(日)

いえにこもって、6時といっても午前か午後かわからないような1日を過ごす。

来月から秘密企画(秘密じゃないけど)の稽古再開なので、台詞を覚える作業をする。前半のほうはもう忘れてるかと思ったら、そうでもなかった。もともと好きな戯曲で、戯曲として読んでると泣いちゃいそうなんだけど、台詞覚えるとなるとアタマがもうちょっと機械的になるね。台詞覚えちゃわないと自由にいろいろできないから、まずは台詞を覚えちゃわないとね。いや、いろいろなやり方があると思うけど私は、ってことだけど。


03/21/2009(土)

「早春庭園対談 「のはらうた」をつくるとき」という催しに行ってきた。詩人の工藤直子さんが小学生に詩の授業をして、それから認知心理学者の佐伯胖(さえきゆたか)さんと対談する、という会。

小学2年生との詩の授業は、司会の刈宿さんが子供たちに「工藤直子さんのことを、なんて呼ぼうか? なんて呼びたい?」と聞くところから始まり、「なおちゃーん!」と呼ばれて工藤さんが入ってきて、五十音図を書き、音の響きとそれによって引き出される気分について話し、「のはらうた」の中のかまきりりゅうじくんの「おれはかまきり」の詩を読んだ。まずは「みんなにわかってもらう読み方」と言って、「みんなに聞こえるようにゆっくりはっきり」「テンでちょっとたんま、マルでもうちょっと長いたんまをとって」読んだあと、りゅうじくんを何歳のどんな性格にしたい?と聞くと、子供たちは、「5歳、いばりんぼ」「8歳」「10歳」。自分が7歳や8歳のときって、10歳はきっとすんごい大人なんだろね。「100歳のおじいさん」という案も出て、それに工藤さん自身の「21歳。元気なはずなんだけど、人生つらいなって思いはじめた頃」というのも入れて、3通りのりゅうじくんになって暗誦した。さらに、りゅうじくんから「頭が良くて静かで感慨深そう」なのもやってと頼まれたのでと、そういうバージョンも。それから、ホワイトボードに書かれた五十音の中から子供一人一人に「きょうのお気に入り」の字を選ばせ、その文字で始まる言葉を挙げていく。「し」は、「しりとり」「し(詩)」「しぼう(脂肪)」。「は」は「はこ」「はめつ」「ハンマー」「はっぱ」。2つ、と言ってるのに、あとあれもあった、まだあった、と子供たち容赦なく手を挙げて言おうとする。で、ここで出てきた言葉をつないで詩を作るという展開なんだけど、このあたりで時間が来てしまい、詩を作るのはほんのさわりだけで終わった。

子供がみんな、楽しそうだった。「お気に入りの字」を選んで、それで始まる言葉をみんなで出していくところは、こないだビクトリアでワークショップのあった「まりボール」と似ていると思った。ランダムな字で始めることによって、思いもかけない言葉が出てくる。その言葉の中からいくつかをつないで詩にしていく。自分の発想以外のところにアイデアを求めるというか、偶然に頼って(悪い意味ではなくて)つくっていく。そういうところが。

対談も面白かったなぁ。工藤さんが、自分が詩を書くときは、頭の中で猛烈にそのものになりきるという話をし、「おれはかまきり」のときは、朝顔のつるにいた7mmくらいのチビかまきりを見て、自分がこのかまきりだったら…と考えた。かまきりだから強い感じがするかと思ったら、なりきったとたんに目の前に太いつるが見えて、頭の上に四畳半くらいの朝顔の葉っぱがあって「怖いよ〜、一人だ〜、でもオレかまきりだし…」となった――と言うと、佐伯さんが、3歳までの赤ちゃんは世界をそうやって理解していく、赤ちゃんに向かって舌を出すと赤ちゃんも舌を出すのは、真似しているのではなくて舌を出している人の感覚を自分で感じなおしているんだ――と続ける。直感と学問(科学、教育)と、両方からの説明が聞けるところがものすごくよかった。

詩の授業のとき、工藤さんはどうしてあんなにすっとその場で4通りのかまきりじゅうじくんになれるんだろうと不思議に思ったんだけど、対談で「なりきり」の話を聞いて納得がいった。

だいぶ刺激を受けたのか、夜10時頃にはくたくたねむねむ。時差ボケのぶりかえしみたいになっちゃった。


03/20/2009(金)

きのう1日のどが痛かった。鼻水も出た。風邪っぽいんだと思ってたんだけど、友だちに「花粉症じゃないの?」って言われて、まさかと思ったけど、たしかにその可能性もなくはないよね。とうとう来たのか?

きょうは茅ヶ崎にダンスを見にいくつもりだったけど、やめていえにいた。友だちがはいてたステキなパッチワークのスカートを、真似して作ってみた。もう着ないシャツやブラウスの身頃を使って、裾は元の裾をそのままいかして。なかなかおもしろいものができたよ。


03/19/2009(木)

思うところあってこないだNHKラジオ英語会話のテキストを買ったんだけど、1カ月380円で、テキスト以外に読むとこもそこそこあって、これはなかなかお得かも。4月からラジオの放送内容をパソコンで聞けるようにもなるらしい。これは最強かも。

昼、山の手事情社『drill』観劇。夜、カニクラ『おやすまなさい』観劇。終演後、友だちに友だちを紹介した。それから、友だちたちとご飯食べた。


03/18/2009(水)

老人ホームに行きました。入居者の人たちと、行った私たちとで、楽器(ピアノ、太鼓、マラカス、鈴など)を弾いたり歌ったりしてきた。演劇もちょっとやった。友だちが行くというので、興味があるので一緒に連れてってもらったんです。音楽も老人もそんなに得意分野ではなく、特に音楽はどちらかというと苦手なのに、きのう私は、「行きたい!」と自分から躊躇なく言っていた。理由は自分でもよくわからないけど、そういうふうに自然に心が動くときはその直感にしたがっってしまえ、と思っている。

大正琴を弾くおばあさんにあわせて、知ってる曲を歌う。おじいさんの弾く即興ピアノに太鼓やマラカスや鈴や踊りで参加する。以前にみんなでつくった歌を歌う。おしゃべりが途中から歌になっていく。ゆるゆると始まって、その場の雰囲気で進行し、ゆるゆると終わる会。明確な構造のないものは、実は私は苦手です。苦手というか、はっきりした「外枠」や「役割分担」がないところで臨機応変にうまく対応することができない。だから以前の私だったら、こういう場は苦痛だったと思う。きょうも1回対応不能になって固まってしまった。でもきょうは楽しかった。自分の中の何かがいつか少し変わったんでしょうね。いつ、どうして、変わったんだろう。

大正琴にあわせて童謡や賛美歌を歌うのが、私はいちばん楽しかった。いくつもの楽器の音がうわーっと続くと、音の高さや大きさが私の許容度をこえるらしく、ちょっとつらかった。でも、また行きたい。


03/17/2009(火)

あなざ事情団ミーティング。収支報告とか、今後の活動についてとか。

カレー食べて、下北沢まで歩いて、電車に乗っていえに帰ったらもう眠くてたまらない。夜8時前からもうもうストーンと落っこちるようにして眠ってしまった。そして夜中に起きて洗濯なんかしてしまう。


03/16/2009(月)

『三人姉妹』日英バイリンガル版台本の修正。最終的にカナダで公演した形に直す。次回再演のために。

片桐はいり『グアテマラの弟』読みました。いろんなとこに発表した文章をまとめたエッセイ集だと思っていて、それにしてはよく重複もギャップもなくうまく1冊にまとまっているなぁと感心していたら、じつは書き下ろしだった。自分のことを書くときに、こういうふうな、自慢でも卑下でもなく、主観的なんだけど読む人にわかってもらえて共感を呼ぶような文章が書けるのはいいなぁ。

ちょっとすねてることがあって、メールで友だちに甘える。


03/15/2009(日)

M.C. Beaton作「Death of a Gentle Lady」(ヘイミッシュ・マクベス・ミステリー)読了。面白いは面白いんだけど、このシリーズですでに築かれているキャラクターや設定の枠にのっかって楽〜に書きましたという感じがするところが少し不満。特に、プリシラとエルスペスが、どちらも「ヘイミッシュの話を聞いてくれるワトソン」にとどまっているところ。とはいえ、「結婚できないヘイミッシュ」という基本設定が充分にいかされていて、もうこうなったら寅さんシリーズみたいなもんだねこれは。エルスペスに指輪を渡そうとするときに、自分の昔の恋愛を思い出すんだけど、そのときにオリヴィアのことも思い出してほしかったよ、オリヴィアにも、結婚しようと思って指輪買ったよね?

夫とお昼を食べに行ったファミレスでグラスビールを頼んだら「おじさんみたいだね」と言われた。だって火曜にカナダから帰ってきてからきのうまで何かしら出掛ける用事があって、きょうは初めての「電車に乗らない日」なんだもん。休日気分を味わいたかったんだもん。

夕方近所で友だちとお茶してごはん食べて、帰宅して真夜中前に落下睡眠。2時前に目がさめて、いま午前4時過ぎ。いつまで続く、この時差ボケ。昼間太陽にあたりなさいとはビクトリアの友のアドバイス。昼、外を歩くことは歩いてるんだけどなぁ。


03/14/2009(土)

けっこう午前中早くから起きていたように思うが、何をしていたのかまったく記憶がない。

井手茂太『コウカシタ』観劇。自分が、ダンサーとしての井手さんも井手さんの振り付けもすごく好きなんだということを、再確認した。

ぜんぜん別件。何か人に頼んだり誘ったりするときって、内容自体も大切だけど、どうふに頼んだり誘ったりするか、つまりものの言い方も、すごく重要だよね。悩んだ末、ものの言い方が「イヤ」と思ってことわるときがある。そして、こういうところがイヤでした、と相手に言うか言わないかでまた悩む。言うのはエネルギーがいるけど、言わないと関係が切れるからなぁ。


03/13/2009(金)

きのうは真夜中頃にストンと寝て5時過ぎに起きて最終的に10日分の日記を書きあげるも、コンピュータが不調でアップできず。とりあえず、知らせたいことを知らせたい人にメール。そうこうするうちまた眠ってしまって、起きたら「5時」。午前か午後か、ちょっとの間わからなかった。

でアゴラに田上パル『改造☆人間』観劇。の前に劇場の前でなつかしい人に会った。

そしてまた夜中眠れない。


03/12/2009(木)

ゆっくり起きて、ご飯を食べて、いろいろとメールを書いたり、旅中の日記を書いたりしているうち、出掛ける時間になる。フェスティバル/トーキョーのロメオ・カステルッチの『Hey Girl!』を見に西巣鴨へ。

「思春期の少女に去来する戸惑いや葛藤が、聖母マリア、ジュリエット、ジャンヌ・ダルクなど、無数の『女』の記号の中に静かに反射する」という作品紹介文を読んだだけで見たのが、よかったのか悪かったのか。鏡を使って光線で空間をきっちり貫く照明が美しかったけれど、オープニングの30分ほどが暗くて、きのう飛行機に10時間乗って時差ボケもきっとまだなおってない状態で見たせいもあるのだろうけれど、私は舞台に興味をつなぎとめておくことがむずかしかった。マイクで拾った台詞を上のほうのスピーカーから流してるというのも、私が入っていきにくかった理由かもしれない。しゃべっている姿と別な方向から声が聞こえてくるのは、私は今回に限らず苦手です。

音楽は、不思議とどちらかというと好みだった。大音量でも高音がきつくないからかな。「思春期」という言葉から私が「変化」「変容」というイメージを勝手に抱いてしまっていたので、それで舞台上で進行することに素直に向き合えなかったのかもしれない。女の人がずっと泣いている。ずっと眉間にシワを寄せている。女として生きていくのって、そんなにつらいですか? 私自身が現在なんだかものすごく楽観的に人生を肯定しているので波長があわないんだろうか。きれいとか怖いとか、心の動くシーンもあるんだけど、だいたい私にとって長すぎるか短すぎるかで、共感して一体になるということがなかった。エキストラがわーっと出てくるのは笑っちゃうくらい面白かったけれど。

終演後、エキストラで出演していた友だちと話したら、口紅がこげるとか背中のタトゥーとか私がぜんぜん気づいてなかった詳細があって、私いったい何を見ていたんだろうと、自分に少し失望した。こんなざるみたいな見方をしてて、面白いとか面白くないとかもないもんだ。と思う反面、いろんな演劇があっていいし、いろんな見方もあっていい、という考えも捨てきれない。どこまで自分に肯定的なんだいまの私は。どこかに「絶対的にいいものを見分ける目」と「自分の感じ方の肯定」のいいバランスがあるはず。そこに行き着きたい。


03/11/2009(水)

成田に着くと、3月11日の夕方だった。飛行機の中ではきのう(3/9)買ったミステリーを読むつもりだったのに、飛行機の座席に付いてる画面でするゲームがあるじゃない? あれでソリテアを始めちゃったら、最初はルールを忘れていて研究する気持ちから、途中からはむずかしくてなかなかできないのでむきになって、もう1回もう1回とやめられなくなって、到着寸前になってやっとあがることができて、達成感があるにはあったけど、こんなことに何時間も費やして何やってんだろうやっと終われたよ、というホントに無駄な達成感だった。なんか、とりつかれたような集中だった。旅の終わりにそういうものが必要だったのかもしれない。

ビクトリアは今年の冬が異様に寒かった、東京のほうがきっと暖かい、と言われていたんだけど、東京(千葉だけど)も寒かった。というか、この刺すような空気の冷たさは、ビクトリア以上だと思う。

空港からバス1本で帰宅。少し荷物を片付けたり、寝転んでマンガを読んだり。夜は夫とおいしい居酒屋へ。


03/10/2009(火)

わりと早くにめざめる。きのう買ったヘイミッシュ・マクベス・ミステリーを少し読む。だけど、ビクトリア公演、ビクトリア滞在といういまの雰囲気から気持ちが離れていくのがもったいないような気がして、ちょっとだけでやめておく。帰りの飛行機で読もう。

玉子とソーセージの朝食をしっかり摂って、1週間お世話になった友人夫妻にお礼を言って(感謝してもしきれない)、空港へ向かう。荷物を預ける段になって私のスーツケースがオーバーウェイトで一悶着あったけれど、エアカナダの人がこれに入れなさいと段ボール箱を持ってきてくれたり重さの世話を焼いてくれたり詰め終わった箱をテープでとめてくれたりすごく親切で、大きなトラブルにはならなかった。ビクトリア空港でおみやげを買って、乗り換えのバンクーバー空港では電動歯ブラシの換えブラシが安く売っていたので買って、表示に従って進んでいったら出国手続きとか何もなしで国際線の搭乗ゲートに着いちゃって、「これでいいんですか?」「えぇ、スタンプとか何もないんです。みなさん不安がられますが」というやりとりがあって、無事に機内へ。今回は遅れもなく、時間どおり。

ビールとトマトジュースを飲んだり、機内食を食べたり、寝たり起きたりして、日本に向かう。


03/09/2009(月)

ビクトリア滞在中唯一のオフ。車を出してもらって女子5人でブッチャートガーデンに行く予定だったけれども、朝起きてビックリ。雪が積もって、さらに降ってる。トンネルを抜けると、じゃなくて、朝起きると、雪国だった(byみっちゃん)。これでは庭園はとても無理なので、計画を変更してショッピングセンターから攻めることにする。午後には晴れるらしいという話と、今日は1日降るらしいという話が、別々の人から入ってくる。

ダウンタウンのショッピングモールで、1時間半後に集合と決めてばらける。前に好きだったブランドのテナントが撤退していてがっかり。近所の書店にも足を伸ばし、アリス・マンロー(友にすすめられた)の短編集2冊と、M.C. BeatonのDeath of a Gentle Lady(ヘイミッシュ・マクベス・ミステリー)を購入。ショッピングモールのデパート部分で服を見たり試着をしたりで時間を取りすぎ、他の店舗をほとんど見れないまま集合時間になってしまう。

アイリッシュ・パブでわいわいと食事し、ダウンタウンの路面店を見てまわる。3年前にこの街に滞在していたときに1人でよく歩いたなぁこの辺り。あの帽子屋さんは?雑貨屋は?オタクの店は?と懐かしさも手伝ってあっちこっち見てずいぶん時間が経ってしまった。本当はその後、もう1つ別のショッピングモールに行くはずだったんだけど、とても時間が足りず、きょうはこれで終わりだねということになる。でも、各自けっこうしっかり買い物をして、満足感のある1日でした。

夜は、中華料理店で打ち上げ。そして帰って、荷造り。


03/08/2009(日)

きょうも朝から表現言語学会。会場への道で、きのう公演を見たキャムさんから、「あの舞台のことをまだ反芻してる。観客参加ってちょっとやだなって思うことあるけど、あの公演はこっちに「え?やだな」と思う隙を与えないからすっと参加できる」との感想をもらった。

午前中は、やはり2会場同時進行で発表が続く。ドイツで日本語を教えているかたの発表「教師・学習者立場逆転型タスクの試み―学習者を一社会的存在とみなすCEFR理論背景に基づいて―」と岐阜大学の橋本さんの「演劇的アプローチを取り入れた日本語学習者と日本語話者の合同授業の試み」が特に面白かった。

前者は、語学学習の現場では、教師が教え、生徒が習う、というふうに立場が固定されがちだけど、他の観点から見れば、生徒はドイツの文化や常識、この街(ボン)の地理などに詳しいわけで、だからドイツに不慣れな日本人の先生に「教えてあげる」という立場にいるわけで、それを日本語学習にいかした実践の報告だった。ボン駅までの道を先生に説明するスキットでは、途中で「どこどこを右に曲がって」と言われて先生役をやっている生徒が「右ね」と左を指して「ちがいますよ」と指摘されるなんてのまで取り入れられていて、ものすごく地に足着いたというか、実践的で、かつとても楽しそうだった。コース終了時に先生が「いままで3カ月間皆さんと勉強してきましたが」と言ったら、「え? 私たち勉強してたの?」「ちがう。遊んでた」という声が学生からあがったそうで、本当に成功した試みだったことがうかがえた。

後者は、日本語教材の不自然さを日本人学生に実感してもらいテキストをリライトさせて、それを元にして日本語学習者が会話練習をする、それを日本人学生も助ける、という授業の試み。そこから発展させて、穴埋め形式でシーンを作ったりもしたそうだ。言語コミュニケーションは音声を使っておこなわれる場合が多いのに音声教育が充分におこなわれていない、それは一回性のもので扱いにくい面があるからだ、だったらそこに、稽古で同じ表現を繰り返し練習するとか、1つ1つの音ではなく文脈や身体性も含めてコミュニケーションをはかっているとかいう「演劇」の特性をいかせるはず――ということから始まった実践の報告だった。

従来の語学教授の型を破り、はみだして、なりふりかまわず成果をあげようとする情熱が、両者に共通しているように思った。こんな先生がたから私も学びたいし、私もこういう先生になりたい。

午後はワークショップが3つあり、その1つ「『まりボール』で『まりトーク』」に参加する。45分という持ち時間でものすごくうまくまとめてあって感心した。「作文に書くことがない」という学生のアタマをほぐすために開発した方法とのこと。なるほどなぁ。ちょっとした導入の手つきのちがいで、その後の展開が大きく左右されるんだなぁ。

閉会式を終えて、きょうの公演会場であるファースト・バプテスト・チャーチまで車で送ってもらう。5時半くらいに到着。なおこさん淳子さんがすでに会場設営を始めていた。現地での制作を一手に受け持ってくれているずっこ先生も、学会の後片付けを終えて6時過ぎに到着。観客数はいまだにわからないということで、客席は、最前列16席、2列め中央8席のみ作って、あとはお客様の出足を見ながら追加することにする。淳子さんと私がモスクワ塚の説明と紙芝居を練習し始めると、その側で教会の何かの行事の打ち合わせをしていたノラさんとドリスさんが興味深そうに聞いてくれて、私たちのしゃべりがお客様に語りかける形になってることもあってそれにどんどん答えて参加してくれるのが、ちょっとこそばゆく(昔の私だったら、こういうふうな「稽古」なのかなんなのかモードのはっきりしない時間はものすごく苦手だったはず)でも楽しく、うまい具合に私の緊張もほぐれていった。

きょうの観客は、こちらに長く住んでいる日本人のかたが中心のようだったが、日本語習ってます、習ってましたという若いカップルもいたりして、やはり層が広い。開演前に当日パンフレットのメンバープロフィールを読んでいる人に、「あなたはこの中のどなたなの?」と聞かれ、「松田弘子」というところを指してお教えしたら、しばらくして他の人と話してるときに後ろから「ヒロコさん、ヒロコさん」と呼ぶ声が。さっきのお客様が私に声を掛けてた。日本だったらもし声を掛けるとしても「松田さん」だなぁ、カナダっぽいなぁと思ったことでした。あとあれだ。開演時に淳子さんが、「ごめん、ちょっとトイレ」と出て行ったら、「私も」とついてっちゃったお客様がいました。

お客様の反応にあわせた感じで、きょうはきのうよりもゆっくりめの進行だった。終演後のアフタートークも、なごやかかつ積極的でよい感じに進んだ。

帰宅して、友人夫妻との夕食もこれで最後だなぁと考えるとさみしくなりそうなので、考えないようにして美味しくご飯をいただく。ビールはギネス。


03/07/2009(土)

9時前に家を出て、朝から表現言語学会。午前中の発表は2つの会場で同時進行なのだけど、時間の刻みが異なる(1つの部屋では1人30分で5人が発表、もう1室では同じ2時間半の中で3つの発表がおこなわれた)ため、行ったり来たりして聞いているとどうしても中途半端になり、残念だった。「これはviewpointsの予告編です」という紹介的なものを聞き、リサーチドラマの実践の経緯を芝居じたてにした発表をちょっとのぞき、日本語と英語の呼称(address terms。たぶん、呼びかけの言葉ということだと思う)に関する発表を半分聞いて、韓国での英語教授について取り上げたTV番組の紹介の終わりの部分を見て終了。

午後のパネルディスカッションの通訳が大仕事なので、お昼を食べていてもなんとなく落ち着かなかった。でも、調べるだけのことは調べたし、あとはやるしかないよ、という気分であったこともたしか。

パネルディスカッションというか、心理学者後安美紀さんの講演。ピンマイクが音を拾わなかったり、拾ったと思ったら後安さんの心音が響いたり、幕開けからなんだか突拍子もないような、楽しいような、スペシャルな気分の会だった。通訳は、うまくいった部分とあまりうまくいかなかった部分があったけれど、英語で聞いている人からも活発な意見・質問が出て、ひとまずよかったのではないかと思う。

学会のプログラムとしては、この後3時半からワークショップがあったのだけど、私はそれは抜けさせてもらって、オフィスでメールチェックした後、同じ構内にある今晩の『三人姉妹』の公演会場に向かった。4時からあなざ事情団の3人で仕込みをする予定なので。

着換えているとなおこさん淳子さんも到着し、小道具を出したり、舞台やモスクワ塚の位置を決めたり、モスクワ塚を作ったりで1時間ほど経過。その後、一通り動きをおさらいしようとやっていると、ワークショップを終えた学会参加者が到着しだしたので、6時くらいで終了。きのうのワークショップに参加した人が多いので、すでになごやかな雰囲気になっていた。

予定では6時半からディナー、7時半『三人姉妹』開演だったけれど、8時前くらいだったかな、実際は。アクティングエリアを囲んで部屋中に配置されたテーブルで食事をしていた人たちを片隅のモスクワ塚の前に集め、塚の説明と三人姉妹の紙芝居を私と淳子さんがやっているあいだになおこさんが客席を設営する、という初めての段取りもうまくいき、開演。テンポを落とさないこと、客席にきちんと聞こえる声を出すこと――それをとにかく大事にして、全体としては「突っ走った」感じになったと思う。6歳児から演劇学科の大先生までの幅広い観客だったけれど、皆さんそれぞれに楽しんでくださっていたようで、薬玉割りの後は音楽にあわせた手拍子がなかなか終わらないのりのよさだった。


03/06/2009(金)

きょうからビクトリア大学で表現言語学会が始まる。最初のプログラムがわたなべなおこさんのワークショップ。それまでの時間、私は、大学でメールチェックしたり、友だちと大学のブックストアや売店やで買い物したり。日本の友だちから、お金を出すからビクトリア大学のフリースパーカーを買ってきてと頼まれていたので、それも探す。

ワークショップでは、私は通訳をつとめた。観客参加型演劇をつくるワークショップを2時間でやるので、日本語だけでもけっこうタイト。なおこさんの意向としては、講師が説明する部分をなるべく少なくして、グループで作る時間を長くとるようにしたいとのこと。チェーホフの「三人姉妹」の設定をいかすチームもあれば、シンデレラを持ってくる(たしかにあれも3人の姉妹の話である)チームもありで、5チームそれぞれの「三人姉妹」ができて、大変おもしろかった。

その後、レセプションと、ビクトリア大学演劇学科のジュリアナ・サクストンさんのワークショップ。2006年のレセプションでも、これ、やった。ファーストネイションズ(カナダの先住民族)の世界創造神話をみんなで演劇にするというもので、「動き」「音楽」「語り」「美術」班に分かれてそれぞれ作ったものを、最後に全部あわせて発表する。2006年は鮭のお姫様の話で、きょうは太陽と月と星々を空に放った大鴉の話。じつは前回のとき私はこのワークショップをあまり楽しめなかったんだけど、きょうは楽しかったなぁ。何がちがったのかなぁ。だいたいこういう流れになるということがわかっていた(レセプション自体もワークショップも)、動き班だった(前回は音楽)、というあたりだろうか。

ロビーで明日のパネルディスカッション(の通訳を私は担当することになっている)の打ち合わせをしていると、非常ベルが響き渡り、はい皆さん外に出てくださいとなったので、オフィスに戻って打ち合わせを続けた。レセプション会場とオフィスのあるビル、それから明日からの学会の会場となるビルの位置関係を、私はぜんぜん把握してなかった。ビクトリア大学には3年前に2カ月もかよっていたのになぁ。


03/05/2009(木)

みっちゃんと、歩いてダウンタウンへ。日曜に公演する教会の下見の前に、キルトショップと毛糸屋さんをのぞく。パッチワークは、このところあんまりやってなくて布も一生使っても余るほどすでに持ってるので、キルトショップはざっと見てまわってアイデアをもらうくらい。あ、そうだ、オーストラリアのキルト雑誌があったらほしいんだった。お店の人に聞いてみると、うちにはないけど書店にあるはず、だって私はそこで買ったから、とのこと。お礼を言って、次は毛糸屋へ。2000年の『東京ノート』のときに何度か寄った思い出の店。フェルト用のウールがあるか聞いたら、最初はブラシでフェルト化する毛糸状のものを見せてくれて、いやこういうのじゃなくてもっと綿みたいなヤツと言ったら、私が見たかったふわふわのフェルト原毛を、あそこにあるよと教えてくれた。きれいなブルーを少し買う。なにを作ろうかな。

そうこうするうち約束の時間になったので教会へ。現地でみんなと合流し、下見。当初、礼拝堂で公演する予定だったんだけど、それとは別に集会室があり、こちらのほうが私たちの公演にはむいているということになり、急遽会場を変更。教会のドリスさんという方が立ち会っていろいろと見せてくれたんだけど、非常に柔軟で親切な対応で、嬉しかった。

途中で昼食をとったのちビクトリア大学へ行き、土曜の公演会場をもう1度見にいく。きのうは、昼食を兼ねていたり日本語の先生がたも一緒だったりしたためゆっくりじっくり下見をするというわけに行かなかった。それできょうは、昼の営業の終わる頃に行って(まだ食べたりしゃべったりしているお客さんがいたけれど)、すみっこのほうで、この椅子で1辺に4脚並べられるだろうか(基本は1辺3脚なんだけど、今回のビクトリア公演は客席に段差をつけられないから見やすい1列めの人数をなるべく増やすため1辺4脚にする予定)と実際に並べてみたり、舞台の位置をこの部屋のどこにするかなど決めたり。再度マネージャーさんと話したところ、舞台を囲んで食事しながら見るディナーショーのような雰囲気を想定していたようなので、そうではなく食事をし終わってから舞台空間のまわりに椅子だけ持ってきて見てもらう形式であることを説明し、一部のテーブルの配置を変えてもらうようお願いした。

終わって、なおこさん淳子さんの家で稽古。始めるのがだいぶ遅くなってしまい、通し稽古が終わると6時20分だった。もともとの計画では、6時稽古終了→夕食→家主さんが出掛けるついでに私を家に送ってくれる、ということだったのに、もろもろこれでは間に合わない! 慌ててキッチンにあがっていくと、きょうの用事はキャンセルしたわ、飲むわよー、と家主さんが言う。申しわけありません。ごめんなさい。これこれこういうわけで帰宅が遅くなると知らせると、みっちゃんたちもご飯を食べたら合流することになり、期せずして楽しい飲み会となる。なれそめの話とか聞いたりして、遅くまで楽しく遊ばせてもらっちゃった。

帰宅してみっちゃんにニードルフェルティングのやり方を教える。みっちゃんの買った中にすごくきれいな赤の原毛があり、ビックリする。私も昼間同じ店で見てるんだけど、気づかなかった。店内の光の中ではピンクに見えたんだ。あぁ、そういえば、いろんな青だと思っておろしてもらったらグリーンだった、そうだった。ピンクに見えたやつもよく確かめればよかったなぁ。まぁでも大丈夫。出会うべきものとはいつか必ず出会うからね。

トータルでの睡眠時間はきちんととれているんだけど、やはり夜中、明け方に目がさめる。下調べの続きをする。


03/04/2009(水)

午前中、2つの日本語のクラスに行く。『東京ノート』を教材にして会話を練習している上級クラスでは、学生さんたちの練習を見て、発音などを直したり、こういうふうにするともっと日本語っぽくなるよとかアドバイス。「えぇ」とか「え」とか書かれているのが疑問なのか肯定の相づちなのかわからない、「行った」が「いた」になるような「っ」抜け、逆に「いかが」が「いっかが」になるような「っ」の過剰挿入など、複数の人に共通する問題があり、逆に言えばこれは日本語の特徴なのかもなと思った。あとあれだ。「ん」が入るのと入らないのとで意味がちがうってことを理解してほしいと思った。「やらなかったんだから」と「やらなかったから」の違い。

オフィスが1つあいているので3人で使ってくださいと言われる。助かった。私のノートパソコンは有線LANしかつながらないので、友人宅は無線LANしかないというのであきらめていたんだけど、これで大学でメールチェックしたりオンライン辞書を調べたりできるよ。

空き時間に、大学のブックストアに行く。UVICのTシャツなどを買う。

中級クラスのほうは、演劇ワークショップをしてほしいということで、なおこさんがゲームを使ったワークショップをした。動物名前あてゲームは、日本語で書いた動物の名前自体を知らなくて辞書を引くなど手間取った部分もあったけれど、「私は人間の良い友だちですか?」(犬)とか、「私は奈良にたくさんいますか?」(鹿)などのスルドイ質問が出たりして、面白かった。フルーツバスケットは、盛り上がりすぎて隣の教室から「静かにしてください」と苦情がきた。いつもあまりしゃべらない学生が積極的に話していたといって、先生が喜んでいた。1月に川崎の日本語学校でワークショップをしたときも、先生がたが同じようなことを言っていたな。語学教育に演劇ワークショップを取り入れることの、1つの大きな効用といえるかもしれない。

昼食は、土曜日に公演する会場である教職員用レストランで、先生がたと食べる。その後、レストランのマネージャーと会場打ち合わせ。モスクワ塚用にオフィスのゴミ箱も貸してくれるよう頼んだ。

午後は、なおこさん淳子さんの泊まっているお宅の地下室を借りて、稽古。を始めようとしたら、なおこさんのカバンの中でコーヒーがこぼれてお客様に読んでもらう台詞の紙がダメになってしまっていることがわかり、その対処にしばらく時間がかかる。おうちの人は、「4時間稽古しますって言ったのに、なかなか始めないのね」と思っていたらしいけれど、始まったら始まったで、3人しかいないのに大音響なので驚かれたそうです。

家に帰ると、みっちゃん(泊めてくれてる友人)がビーズのネックレスの作成にとりかかっていた。3年前に「マチコにつくってあげる」と、マーケットスクエアのビーズ屋さんで2人でビーズを選んだ分。

夜中に目がさめ、土曜日に学会で通訳するのの日本語原稿の下調べ。


03/03/2009(火)

駅前で夫とご飯を食べてから、バスで空港に向かう。集合時間にギリギリなので心配していたけれど、予定より20分ほど早い到着となった。ターミナルで無事に他の2人と合流し、チェックイン。両替したり、旅行保険に入ったり。免税店で腕時計購入。

成田-バンクーバー便が1時間くらい遅れ、乗り継ぎがタイトだからと優先的におろしてもらったのはいいけれど、「出口でお待ちしてますから」と言われた地上係員は、「あちらのエアカナダのカウンターに行ってください」と言うだけ。あのゴルフ場の車みたいなのに乗せてもらえるのかと思ってたのにがっかり。しかも預けた荷物が出てくるのは普通に待たなきゃいけなくて、何のために通路の人々にすみませんすみませんと言って早く飛行機を降りたのかわからないような状態に。それでも余裕でビクトリア便に間に合い、1列4席の小さなプロペラ機で予定どおりにビクトリアに到着。

私にとっては3年ぶりのなつかしいビクトリア。タクシーのトランクと助手席にスーツケースを乗せて後部座席に3人で乗る。インド人の運転手さんがバックミラーでしっかりこっちの目を見ながら話しかけてくるので、運転大丈夫なのかと心配になりながら、「にっこり笑いなさい。そうすれば長生きする」とか「明日のこともきのうのことも考えるな。きょうのことだけ考えろ」、「人生は楽しむためにある。神は我々をそのようにおつくりになった」というような人生訓のようなものをおりまぜた話を聞きつつビクトリア大学に向かう。

なつかしいビクトリア大学。キャンパスの芝生の上にはあいかわらずウサギとカモメが。そこから、淳子さんなおこさんが泊まる家までとりあえず行き、巻き寿司、ちらし寿司でお昼ご飯。今回のツアーは、ビクトリア大学で開催される国際表現言語学会のプログラムの一部として土曜日に公演し、それとは別に日曜日にダウンタウンの教会でも公演を行なうというスケジュールで、実現にあたってはビクトリア大学の太平洋アジア学科の先生がたがいろいろとご尽力くださっているんだけど、このお寿司は、その中心となっているずっこ先生からの差し入れとのこと。同じく太平洋アジア学科の先生である家主さんがお吸い物をちゃちゃっと作ってくださった。香菜入り。そのうち、私を泊めてくれる友人夫妻が迎えに来てくれて、再会を喜ぶ。

夜は、友人夫妻に、「ちょっとした原始林」だというあたりのステキなホテルのステキなレストランに夕食に連れて行ってもらう。景色も料理もすばらしかった。きょう初めて会った友だちとも話がはずむ。

さすがに10時就寝。


03/02/2009(月)

午後『三人姉妹』稽古。前回は1幕、2幕をシェイプアップしたので、きょうは休憩1と休憩2をガンガンやる。3択のとこなんか、ものすごくきゅーっとしまったと思う。

私の文章は「音」的なコトバが多いね。きのうも、私が訳した日本語に「うわーあの子いいなぁ」って部分があって、読んだ友だちに、私っぽいって言われたよ。「(英語の)どの辺が『うわー』なんですか?」って。"you're totally taken by her"のtotallyのあたり、と答えたけど、そんなのそうやって説明するまで自分でも気がつかなかった。人に何か教えたり説明したりすると、自分のことがわかったりする。面白い。


03/01/2009(日)

なんか最近天気が悪くて寒いよね。

夜、きのうするはずだった用事をする。前回はなんだかわーっとなっちゃってうまくできなかったんだけど、きょうはなかなかよかったんじゃないかと思う。


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