つれづれなる日々

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2008年3月の日々


03/31/2008(月)

少し前に、字幕でTVドラマを見ていて、あ、いまのって「しょうがない」だ、そうかIt can't be helped.じゃなくてああいうふうにも言えるんだー、と感心したのにメモしなかったので忘れちゃってたのをやっと思い出したので書いときます。I had no choice.(他の選択肢はなかった)という言い方だった。

1カ月半近く仕事で留守にしていた夫がきょう帰ってきた。ちがうせっけんの匂いがするね。


03/30/2008(日)

さいたまゴールド・シアターの『想い出の日本一萬年』観劇。チケット料金が五反田団と同じ1,500円であることについて、考える。


03/29/2008(土)

獲得型教育研究会主催の「ドラマワークは教育を変えられるか?」というセミナーに参加。ジョナサン・ニーランズ教授による、英国の教育システムの中で演劇(上演を前提としたもの=theatre、しないもの=dramaという定義に基づき、一貫してdramaという用語で語られていた)がどういう役割を果たしているかということのよくわかる基調講演、ワークショップ。熱意の感じられる対談、質疑応答。有意義な1日だった。行き帰りの道は桜満開で、それも堪能。


03/28/2008(金)

ワークショップ研究会の開発中ワークショップをきょうも2つ受ける。午後のは、私のニガテなタイプのヤツ(内面の意識や感情に注意を向ける、スピリチュアルな感じのする系)で、それでもガンバって平静に参加してたつもりだったけど、見てた人やワークショップアシスタントの人に後から、ものすごくつらそうにしていたと言われてビックリした。バレバレだったのかー。

夜の部は、ボールを使っていろんなことをするワークショップで、私はおおむねものすごく楽しかったけど、午後の私のように「入っていけない」人がいたようで、何が大丈夫で何は受け入れがたいかはホントに人によってさまざまなんだなと、本日2度めのビックリ。


03/27/2008(木)

定期メンテナンスのため歯医者に。春らしいブラウスと若々しいメガネをほめられる。しかしほめ言葉として「年齢不詳ですよね」と言われるというのは嬉しいのかどうかよくわからないと思った。


03/26/2008(水)

きょうから、ワークショップ研究会の「ワークショップウィーク」が始まった。自分のワークショップを開発してきた人(ワークショップ研究会のメンバー)が、ワークショップ研究会の他のメンバーを相手に自分のワークショップをやってみる週間。私はワークショップを受ける側(稽古や公演が続いて、自分自身のワークショップをまだ開発できてないので)として参加。午後から2つワークショップを受けてそれぞれについて感想や意見を言って、頭がとても疲れました。何か新しい物事を理解したり、人と人が理解しあうというのは、むずかしいことだね。あきらめず努力を続ける必要がある。


03/25/2008(火)

帰ってきて丸2日経つんだしそろそろ復帰してよさそうなもんなんだけど、きょうも寝倒す。まぁ、昼夜逆転しているというのもあると思うんだけど。そして、この2日間で『とりぱん』1〜4巻再読した。やっぱり好きです、『とりぱん』。

夜出掛ける用事があり、夕方くらいから活動開始。たぶんこれで日常生活に戻れると思います。しばらくぶりに会った友に、あんたの日記は食べ物のことばっかりだなと言われる。mixiの日記のこと。だって旅公演の写真ったらどうしてもおいしい食べ物中心になるんじゃない?……いや、そうでもないか。他の人の旅公演日記のこと思い出してみれば、たしかにそんなことないなぁ。まぁ私は、地図描いても目印がみんな食べ物屋だからなぁ(と以前指摘されたことがある)。


03/24/2008(月)

しばらく前にある催しのご案内状をいただいていて、それってその前に関係者から「招待状を送るので住所を教えてほしい」と言われていて届いたヤツだったのではいはい招待状ねと開封もせずにいたんだけど、きょうになって、「もしかして、結婚式の招待状みたいに、出欠確認の返事を出さなきゃいけないんじゃないの?」と思い当たり、中を見てみたらやっぱりそうで、返信の期限を1週間ほど過ぎている。以前の私ならこれで絶望して「行けない…」と落ち込むところだけれど、さすがにいまでは「着席のパーティじゃないんだし、期日までまだ2週間あるし、返信ハガキ出さずにくる人が一定数いることも織り込み済みにちがいないし、きっと大丈夫」と、出席にマルをつけてハガキを投函。

きょうも1日、眠くなったら寝て、変な時間に起きて、というふうだった。ちょっと外に買い物に出たとき、なんかポカーンとしたものすごく大きな解放感があって、なんでだろなと考えたら、2007年の1月からいままで何かしらの公演の稽古か本番がずっとあって、とにかく何かの企画が進行中だったのが、あなざ事情団『三人姉妹』大阪公演終了とともにプツンと一旦何もなくなったからなんだね。デスロックの稽古中に『スネークさん』のワークショップがあったり、『東京ノート』本番と平行して『ゴド侍』のチラシのイラスト描いてたり、『スネークさん』稽古と平行して『愛のはじまり』(台本の翻訳を担当した)の稽古場に行ったり、『ゴド侍』と『ソウル市民』『ソウル市民1919』の稽古が同時期にあったり、その合間にキラリ☆ふじみで創る芝居のオーディションに行ったり、『ソウル市民』シリーズのツアーに行ったり、そうこうするうち『隣にいても一人』英語版リーディングや『ぷりずむてん』の稽古が始まるし、『大恋愛』は稽古に通うのだけで片道2時間超の大変な現場だったし、そのあとはあなざ事情団初の旅公演『三人姉妹』。途切れることがなかった。

次は4月12日の『眠れない夜なんてない』(平田オリザ新作)稽古開始までなにもない! ちょっとぼーっとしてもいいよね。


03/23/2008(日)

大学時代の友だちがこちらに住んでいて、きょうなら都合がいいというので、待ち合わせてお昼を一緒に食べる。ツアーのみんなも一緒。こんなときには昼からビール。そして解散。私は、当日制作(公演時の受付やチケットやお金の面倒を見てもらう)で入ってもらったちかちゃんと2人、新幹線で帰る。

帰宅したのは5時くらい。家にあるスパゲッティーをゆでて食べて、早々に寝て、夜中に起きて、思い立って『三人姉妹』初演のときの台本に、まだ反映されていない変更点や今回の再演でさらに変更になった部分とかを事細かに書き込んでみた。今回の再演はビデオ録画ができなかったので、次回上演に備えての準備というわけです。


03/22/2008(土)

いま泊まってるホテルは、LANが使えるし、電子レンジと湯沸しポットがあるので、かなり居心地がいい。部屋でゆっくり朝食をとり、10時半頃劇場へ。劇場まで歩いて5分というのもポイント高いね。

会場では、ワークショップの最中。私は端っこでアップしながら見せてもらった。わたなべなおこさんの「えんげき体感ワークショップ」は、いつ見ても参加者が本当に楽しそうだ。

もろもろ準備して、マチネの客入れ開始。ワークショップにも参加していた4歳児が1列めに座っていて、ベーと舌を出してにらむのでベーと睨み返したら泣き出しちゃった。いかんいかん、大きさも経験値も格段にちがうんだから本気の一対一みたいな対応しちゃダメなんだ。4歳児は2列め(お母さんのの隣)に移動して泣きやんだ。やれやれ。

14時開演のマチネは、2歳児4歳児小学生など、小さな人たちが数人来ていて、大きな声に驚いて泣き出したり、イリーナ役の羽根マフラーをかけられるのも台詞を読むのも絶対イヤと拒否したり、自分のタイミングでどんどん話しかけてきたり、なかなか面白かった。開演前に泣かせた4歳児も、2幕の終わりのところでバレーボールをパスしたら、パスし返してくれた。ヨカッタ、なかなおりできた! 年配の人も多かったな。神様の台詞を読んだ80代の女の人は、あとで「(人前で台詞を読むなんて)学生時代以来、何十年ぶりでした」とニコニコしてらした。

夜公演の前に、ちょっと気になっていた角の自然食品カフェに行ってみた。席について渡されたメニューを見ると、おもての立て看板と値段がちがう。ちょっと何がなんだかわからなくなって、
「えっと、おもてのカンバン見て、来たんですけど…」
と言うと、
「値段がちょっとかわっちゃったんですよ、すみません」
と言われた。950円のカレー食べようと思ってたんだけど1200円じゃなぁ…。あとから考えるとここでおこって店を出ちゃってもよかったくらいなんだけど、それほどきっちりご飯を食べたいわけでもなく一人でボーっとするために来た部分もあるんで、おもてには750円と書いてあったけどメニューで850円になってた品を頼んで、おいしいけど少ないなぁ、よく噛んで食べようなんて、やっぱりちょっとだけ釈然としない気持ちはありながら、それでもしばらくボーっとして(だから当初の目的は達成)、劇場に戻った。

夜公演には京都の友だちが二人見にきてくれた。普段の普通の演劇公演だったら出演者が開演前にその辺うろうろしてたらいけないんだけど、これはそういうあれでもないので(客入れ、つまり場内でお客様をお迎えして誘導するのも、自分たちでやっているしね)、受付開始後のロビーのあたりで会って少し話す。

「カオス上等どうとでもこい受けて立つぜ」的状況にいきなり放り込まれた昼の回を経て感覚が少し変化したのか、夜の回は気持ちが楽なままよく集中できた感じがする。でも、途中で2回、いまどこを向いていればいいのかわからなくなった(でも動揺はしなかった)。1回は自分で客席をもう一度見回して立ち直った。もう1回のときは淳子さんが私を正しい方向に向かせてくれた。頼れる相棒です。

終演後、1時間ほどで撤収。木曜日に目星をつけておいた近所の居酒屋で打ち上げ。スタッフと俳優で5名、プラスきょう見にきてくれてバラシも手伝ってくれたかた1名、計6名で。おいしくて安くていい店だった。特におでんが味がしみていてうまかった。

ホテルに帰り、1室に集まって差し入れの甘い物を食べながら、さらにしばし話す。名残惜しいけれど疲れて眠くもなり、日付の変わる少し前には自室に戻る。


03/21/2008(金)

9時半劇場入り。アクティングエリアを劇場内のどの位置に取るかを決めて養生テープでバミり、客席1列めの位置もバミったところで、照明の仕込みのため劇場内をあけわたし、楽屋にあがり、しばし休憩。その後、照明のかたも劇場のかたもみんなに手伝っていただいて、客席を組む。帯広方式で、1列めは最初から、12席ではなく14席にしておいた。段差のちゃんと付いた、2列めも見やすい、良い客席ができたと満足して昼休憩。ところが、思いのほか予約が伸びていて、昼過ぎに客席増設。15時過ぎから、照明と合わせて通し稽古。

メールチェックしに一度ホテルに戻ったりなんだりしながら、ゆるやかに本番の準備をし、19時受付開始、19:15開場。開場中淳子さんと2人で場内整理やお席への案内をしながらお客様と少しはなしたりしているんだけど、きょうのお客様は友だち同士でしゃべっているか1人で当日パンフレットやチラシを熟読している人が多くて、あんまり目があわなかったけど、話しかければ皆さん普通に、あるいは普通以上ののりで、こたえてくださった。

そして19:30開演で大阪初日の公演が始まった。本編が始まるまで少し雰囲気が固かったけれど、始まってからはお客様の笑いや名演技続出で、エネルギッシュかつなごやかな公演となった。


03/20/2008(木)

大阪への移動日。家を出るときなんかふっきれないような感じがするなと思ったら、やっぱり忘れ物をしていた。駅のホームで電車を待ってるときに気づいて、雨の中自宅に引き返す。途中で買い物する必要があって1時間早めに家を出ていたので間にあった。ヨカッタ。忘れたのはケータイの充電器。

新横浜駅で、お弁当とビールを調達し、東京方面からすでに乗車しているなおこさん、淳子さんと合流。こだま号で各駅にとまりながら新大阪まで3時間半。スペースがゆったりしていて座席も座り心地がいいので、快適だった。

劇場から歩いていけるところにあるホテルにチェックインし、梅田まで出ようかとも思ったんだけど、けっこうこの辺もお店があるので、近くの焼き鳥の店で食事。その後、公演会場のドーンセンターまで行ってみて、あと、周辺の、お昼を食べるのによさそうな店、喫茶店、居酒屋など、外からだけど見てまわる。ドラフトギネスのある店があったよ。

ホテルの部屋には、冷蔵庫、湯沸かしポットの他になんと電子レンジもあるので、朝食用にコンビニでホウレンソウ目玉焼きを買って帰る。それと、牛乳(ミューズリーを持ってきているので)。


03/19/2008(水)

きのうだったかな、ヨシ笈田のことを説明するのに、
「おもに海外で活躍している日本人俳優」
と言ったら、
「あぁ、あの『ヤッター!』って言う人ですか?」
と言われた。それは、アメリカのドラマ『HEROES』のマーシー岡です。ぜんぜんちがうよ。

きょうは、大阪公演の情宣ラストスパート。あちこち電話かけたりFAX送ったり。気がついたら夜になってた。

そして荷造りをする。あ、きのう稽古中にけんだまの糸が切れちゃったんだ。あれ、明日行く途中で買わないとね。


03/18/2008(火)

洗濯したりメールを書いたりこの日記を書いたりする。こないだ申請したパスポートを取りに行く。

夜は、『三人姉妹』稽古。大阪公演で照明を担当してくださるあさ子さんが見にきて、通し稽古。その後スケジュールの確認など。あぁ、あさってはもう大阪に出発なんだなぁ。なんかいまも旅の途中のような気がする。


03/17/2008(月)

きょうは休みをとったからと、朝からはっぱちゃんが車で迎えに来てくれて、おみやげ物を買ったり、六花亭本店でクリーム詰めたてのさくさくパイをほおばったり、十勝川に白鳥を見に行ったり(私もはっぱちゃんも『とりぱん』という野鳥マンガが好きなので、「わーい、『とりぱん』だ、『とりぱん』だ」と大騒ぎした)。そしてお昼に豚丼を食べて、空港まで送ってもらった。またね、とハグしてして別れる。今朝アトリエで片寄さんと別れるときも、ハグだったな、そういえば。

羽田空港で解散し、私はバスで帰路につく。自宅最寄り駅まで乗り換えなしで座っていけるので便利なんだけど、きょうは座ったすぐ後ろの席が2人連れで、「私って、子供の頃から変わってるってよく言われるんですよー」といったたぐいの身の上話をずっとしてるし、その人らと通路を隔てて座ってる子供2人もうるさくて、子供がうるさいのはまぁいいとして、その子供らの連れ(おばあさん?おかあさん?)が、「みんな静かにしてるでしょ。うるさくしてると『降りてください』って言われるからね」という、「おまわりさんにしかられるよ」式なことを言うので、なんだよ〜周りのあたしたちを悪者にするなよ〜、自分自身として「静かにしなさい」って言えよぉ〜、気にくわないなーこいつ〜、と、それでいらいらいらいらしてしまった。しかも「そろそろ『降りてください』って言われるよ」などとしばらく言っていたその人は、だれも降りろと言わないから静かにしてなくてもいいと思ったのかどうか知らないけれど、途中から子供たちとあっち向いてホイだのしりとりだのをし始めて、ホントうるさかった。きょうは別に帰って何をしなければいけないという日ではなかったので何も言わなかったけど、どうしてもバスで寝たかったときとかだったら、注意してたと思う。

バスは、渋滞で、いつもより少し時間がかかった。3日留守にしていたあいだに、駅前の信号機が、「あとどのくらいで変わる」というインジケータ付きの「いらち対応」(と私が勝手に呼んでるだけです)型にかわっていた。風にのってくる花の匂いも少しかわった気がする。


03/16/2008(日)

13時開演なんだけど、劇場内で寝起きしてるわけで起きればいいだけだから、まぁ10時くらいに起きればいいかなと思っていたけれど、早めに目がさめてしまった。といっても9時半くらい。淳子さんはもっと早くから起きてアップしていたようだ。

11時、みんなで食事。カレー!! その後、きょうはきのうよりだいぶお客様が多いとのことで、客席を組みかえる。仮に劇場入口に近い辺を南ということにして説明すれば、北は、1列目を椅子3脚から4脚に増やし、2列目は椅子からベンチに変更。南も、1列目を1席増やし、2列だったものを後ろにもう1列増やし、3列に。1列目の席というのは、稽古の段階から番号(1〜12)を振ってあって、これこれのことは何番のお客様にやってもらう、というふうに決めてある。それが2席増えたので、いままで1人の人にやってもらっていたことを2人の人に振り分ける必要が出てきて、これはぶっつけではちょっとできないので、淳子さんと2人、冒頭から最後までざざーっとものすごいスピードですべての段取りをおさらい。大変は大変だったけど、通路脇に見づらい席を増やすより、よく見えるように客席全体を組みかえるほうが絶対いいって思ったので、イヤではなかったです、ぜんぜん。なんか、こういう臨機応変な感じって、嫌いじゃないです。

きょうのお客様も、名演技続出だった。そして終演後、15時からワークショップ。きょう観劇した人がほぼ全員ワークショップも受けたみたいな状態になってて、和気あいあいとしてるし、みんな独自路線だし、きょうは私は中に入らないで見学していたんだけど、ものすごく面白かった。

ワークショップが終了すると、私たちは近所の温泉に行かせてもらって、帰ってくるとすっかり打ち上げの準備ができているという、申しわけないような段取り。本当に演研の人たちにお世話になりっぱなしの3日間だった。手作りのごちそうや差し入れのお菓子をたらふく食べて、いろいろな話をして、夢のように楽しかった。


03/15/2008(土)
注意:3番目のパラグラフで、あなざ事情団『三人姉妹』の内容にふれています。

バイキングのおいしい朝食を食べてホテルをチェックアウトし、3人で六花亭本店へ。1階の売り場を見てから2階の喫茶室でお茶。起きたときから3人とも「食べ過ぎだ」と言ってたくせに朝食もしっかり食べちゃったので、お菓子は、食べるよりも周りの人が何を食べてるかの観察が主となった。お誕生日の人に向かってお店のお姉さんたちが「ハッピーバースデー」をハモるのをなおこさん淳子さんに聞かせたかったんだけど(私は前に何度か遭遇している)、残念ながらきょうは私たちのいるあいだには、なかった。

1時集合。本日の観客数にあわせて客席を少し組みかえてから、富永さん(照明オペ)とキッカケをあわせるために通し稽古をし、その後何カ所か抜き稽古をして4時くらいには終了。片寄さんが用意してくださった豚汁とおにぎり(鮭、スジコ)で、演研の人も私たちもみんなで食事。

19時開演で、今回の『三人姉妹』の初日の舞台が始まった。「そうだよね?」と話をふれば「うん、うん」と返事をしてくれるばかりか「ホントにそうだよねぇ」みたいに自分からも話を進めてくれる、のびのびと自由なお客様がただった。ラスト近く、行けると思ったモスクワにやっぱり行けなくなってショックを受けているマーシャ(私)に、「大丈夫、きっと行けるわよ。大丈夫よ」と言ってなぐさめ続けてくれたかたとか。終演後は、劇場で飲みながら、演研の人やお客様と話す。

きょう明日の宿泊は、アトリエ内の別室(以前、『ヤルタ会談』の公演で帯広に来たときもこの部屋に泊まったなぁ)。3人で布団を並べて寝る。


03/14/2008(金)

10日ほど前から、右膝のすぐ下あたりがときどきピリッと痛むので、帯広に行く前に一度行っとこうとカイロプラクティックの先生のところに朝から行った。おまじないみたいなものというか、一応、でも、みておいてもらうと安心するので。そしたら、ビルの1階が、前は牛乳屋さんだったのがロシア料理店になっていて、その名も「サモワール」と書いてあって、あなざ事情団の『三人姉妹』ではサモワールがキーワードの1つ(というほどでもないか…)なので、きょうこの場所にたまたま来たってことがなんかステキな偶然な気がした。

そして羽田空港でなおこさん、淳子さんと合流し、帯広に向かう。3人だけの旅公演です。

とかち帯広空港には、受け入れ先の劇団演研の富永さんが迎えに来てくださり、一路公演会場へ。客席のだいたいの形をすでに富永さんたちが作ってくださってあった。アクティングエリアをどこにするか決めて養生テープを貼り、客席はやはり2列目は高さがある程度ないと見にくいのでベランダに収納されていた台を中に入れたり、椅子をああ置いてみたりこう置いてみたりして、客席を確定。開演前にお客様にちょっと移動してちょっとした説明を聞いていただくんだけど、それをどの場所でやるかも決める。

そうこうするうち5時半を回ったので、7時まで休憩にして、あなざ事情団3人はビフトロ丼を食べに屋台村へ。富永さんは仕事に。10時には戻ってきますとのこと。

7時にアトリエに戻ってくると、演研の坪井さん上村さん金田さんが手伝いに来てくれていた。といっても舞台の仕込みはすでにほぼ終了していて、場当たり稽古の「観客」役をやってもらう。『三人姉妹』は運動量の多い作品で、ホンキでやると疲れちゃうので「軽くやってください」となおこさんは言うんだけれど、それも逆になかなかむずかしい部分があり、まぁシーンによって力を抜いたり抜かなかったりしながら、冒頭からラストまで、途中段取りを確認しながらやってみた。演研代表で、このアトリエの1階の喫茶店のマスターでもある片寄さんも、途中で顔を出す。10時になって、富永さんが仕事から戻り、照明を作る。小一時間で終了。明日の入り時間を決めて、解散。


03/13/2008(木)

朝早くに目がさめて、ご飯食べたりなんだりしてたらまたどうしても眠くなって寝て、結局出掛けるのがギリギリに。きょうは3時から淳子さんと自主稽古。段取り確認を主目的に動きも声も抑えめで。

4時過ぎなおこさん合流。きのう図らずも通しちゃったんだけど、そのときのダメ出し。5時前に終わり、食事をしたり通し稽古の準備をしたり。私は、普段から肩こりなんだけどきょうはなんだかガッチガチにこっていて、なおこさんに揉んでもらったり。

本番に向けてのシミュレーションとして、きょうはお客様に来ていただいて通し稽古をした。最前列の客席数とぴったり同じ12名のお客様がそろい、「観客参加」部分をすべて本番同様にやってみることができた。終わって、差し入れの飲み物などいただきながら、はなしたり感想を聞いたりした。しかし『三人姉妹』は運動量の多い演目である。Tシャツびっしょり。終演1時間後も、私はまだ少しハーハーしていた。

帰宅して、もう、すぐ寝たいところだが、あす帯広に出発なので荷造りを最後までやる。きょうの稽古は、最初の1回は「軽く」だったにしても2回通し稽古をしたみたいなもんで、筋肉痛がするので、お風呂にも入る。さて、ホントにもう寝よう。4時間半くらい眠れるはず。


03/12/2008(水)

稽古場の時間の関係で、きょうは13時〜17時稽古。幕前の導入部分。初演ではガッチリ作っていたところをもうちょっとゆるい感じにしていく。ゆるいというか、開演してからとは明らかにちがうまさに「導入」的な雰囲気。なおこさんのダメ出しも、ときどき、演出家のダメ出しなのか観客としての受け答えなのかよくわからない感じだった。

そうこうするうち稽古見学のかたが2名いらっしゃる。じゃぁいまのところをやりましょうと導入部分をやっているうち、もう1人見学の人が到着。導入部に続けて、結局本編を最後まで通してやった。きのう新しく演出のついたところなど、いっぱいいっぱいでテンテコ舞いになったりもしたけれど、明日の通し稽古(本番のシミュレーションとして、何人かお客様に来ていただいてやります)の前にきょう1度通せたのは、本当によかった。

それはそうと、友から励ましの言葉と一緒にご自分のパンイチ写真が送られてきた。ど、どうしろと!? お守りとしてありがたくいただいておくけれどさ(ありがとう!)。


03/11/2008(火)

きょうは午後から夜までガッツリ稽古。『三人姉妹』の冒頭からラストまで、途中でとめて直しながら稽古した。なおこさんはあいかわらずアイデアがポンポン出てくるし、お客様へのアプローチについても豊富なノウハウをいかした的確な指示が多く、ホントに感心する。淳子さんと私が自主稽古で作ってきたものが、バージョンアップされて、さらにきっちりした輪郭を持ったものになった。

あぁ、きょうはたくさん稽古した。終わったら、私、口をきくのも億劫なくらい疲れていた。足腰も筋肉痛。よし、明日もガンバロー!


03/10/2008(月)

朝、洗面所でコンタクトを1つ手にとったとこで、容器を取り落とす。まずは片目を入れ、もう一方のコンタクトを探すけれども、見当たらない。ぜ〜ったい洗面台の上か周りにある、としばらく探したけれど見つからない。しかたなく新しいのを開封し、その後歯みがきしてたら、やだー、洗浄液のびんの上にひっついてるじゃありませんか。嗚呼。まぁそんなことだろうと思ったけどね。

きのう会うはずで会えなかった友と昼食。いつぶりだろうね、会うの。

そしてあなざ事情団稽古。久しぶりに3人そろう(なおこさんはきのうまで、あなざーわーくすの公演だった)。「休憩2」の練習と、後は今週の予定を決めて、解散。


03/09/2008(日)

具合が悪くて一日寝てました。きのうのナマモノがいけなかったのか?それともただの疲労? 久しぶりに会う友だちとの約束をキャンセル。ごめんね。すごく残念。


03/08/2008(土)
注意:3番めのパラグラフで、五反田団『偉大なる生活の冒険』の内容に触れています。

西荻窪は、大学を卒業してすぐから5年ほど住んでいたなつかしい土地。行くの、何年ぶりだったろう。駅前の喜久屋のおじさん、白髪になっていたけど、高くてはりのある声はぜんぜんかわってなかった。とらやのコロッケも昔と同じおいしさだった。私は当時、って1986年くらいだけど、市ヶ谷にある会社に不定期にバイトに行っていて、私が買っていったここのコロッケはバイト先の社員さんたちにも人気が出て、頼まれて夕飯のおかず用のコロッケ6個とか買って持っていったりしてたんだよな。でも、それ以外はさすがにずいぶん様子が変わっていて、関根橋も、すぐそばに行くまで関根橋とわからないくらいだった。

きょう西荻には、あなざーわーくすの『2010年のエレクトラ』を見に行きました。幼稚園のお遊戯室みたいな空間(ぽつんと置いてある仮設舞台が大きな積み木みたいだったからそう感じたのかな?)で、意外ときっちりギリシャ悲劇が繰り広げられていって、少しおどろいた。昨年5月の『ぶらり途中下車 銀河鉄道の夜』もそうだったけど、出演者の多いあなざーわーくすって、新しい楽しさで、私は好きだ。

偶然会った友と海南チキンライスを食べて(ビールとあいそうだったけど、夜も観劇予定があったのであきらめた)、駒場に移動。五反田団の『偉大なる生活の冒険』を観劇。前田司郎くんの描くダメ男はあいかわらずダメ男だけど、根拠の希薄な楽観と自信を持っているところがいままでとちがう感じがした。感情移入したくないんだけど感情移入してしまう。あの人の未来は明るいような気がした。


03/07/2008(金)

こないだ『大恋愛』で一緒だった森田匠くんが作・演出の『終焉ヶ原で逢いませう』観劇。そこにいるみんなが悩んだり避けようとしたり分かち合ったりしているバックグラウンド的なことども(以前この人たちに何があったのか)が、舞台上の人たちにとってはたしかにちゃんとそこにあって共有されているんだけど、観客のほうにそれが情報として伝えられてこなくて、雰囲気ばかりが伝わってくるから、たとえばお姉さんがなぜあんなに苦しそうだったりかたくなだったりするのか、共感したくても共感できないもどかしさがあった。でもその雰囲気自体は、きらいではなかった。

帰りに中野で中華。女子4人で円卓を囲む。3人で紹興酒1瓶あける。隣のテーブルの人が帰りがけに、瓶でとって飲みきれなかった燗の紹興酒を私たちにくれた。どうもありがとう。


03/06/2008(木)

断続的にだけど、引き続き片付け物をしている。ダイニングのテーブルまわりの、毛糸だとかフェルト用原毛だとかの趣味のあれこれを片付けたら、こないだ探してて見つからなかったアイロンが出てきた! よかった。よかったけど、その片付けてなさ加減はちょっとひどいよね。

夜、ワークショップ研究会の講習会。3月末にお互いが開発してるワークショップをみんなで試してみるというイベントがあり、その準備の一環として、バリバリ自分のワークショップを実践している2人の演劇人にアドバイザーとして来ていただき、具体的で効果的なワークショップの実現に向けて指導していただこうという集まり。私は稽古・公演が続いていて3月末のそのイベントには直接かかわっていないんだけど、自分のワークショップとしてこういうプログラムをやりたいというラフな案を秋口からあたためてるので、何かそのヒントになればいいなと思って参加した。ほとんど休憩なしの、4時間をこえる講習会は、でも体力よりも脳にとってハードだった。ものすごくものを考えた。このワークショップでこういうことを実現したい、といういろんな人のいろんな欲望を知るのは、大変興味深かった。


03/05/2008(水)

『三人姉妹』自主稽古。今週は、おとといもきのうもきょうも見学のかたがいて、観客の役をやってもらうことができて、すごく助かった。毎日最初から最後まで一通り通してやっているので、全体のペース配分もだいぶわかってきたように思う。方向感覚は、ときどき狂う。4面囲み客席って、やっぱりなかなかてごわいね。

稽古終了して、4時。カレー屋さんで、カレーは食べずに一休み。その後アゴラの事務所に寄ったら、「マチコ、カレー臭がする」と言われる。そう、あのお店入ると、カレー食べなくても衣服がカレーくさくなるんだよね。最近特にそうなんじゃないかな。そんな気がする。

テレビで『ボストン・リーガル』を見る。アラン・ショア(演じているのはジェイムズ・スペイダー)って、『ザ・プラクティス』のときはどうも気に入らなかったんだけど、『ボストン・リーガル』ではときどき共感しながら見てる。ウィリアム・シャトナーとレネ・オーバージョノーがレギュラー出演していて、最初はやっぱりスタートレックの印象が強かったんだけど、何度か見てるうちに、そうじゃなくちゃんと『ボストン・リーガル』の登場人物として見えてきた。この番組、おもしろい。


03/04/2008(火)

見たいと思っていた映画『once ダブリンの街角で』が今週下高井戸シネマでやってますよと教えてもらい、モーニングショーを見に行く。映画館で映画見るっていつぶりだろうか。と自分の日記を調べてみると、2006年11月にフレディ・マーキュリーの伝記映画を見に行って以来みたいだね。

映画はね、よかったです。最初は、主人公の男の人がヒュー・ローリーに似てるなぁなんて思ったんだけど、そんなのぜんぜん気にならない、強い映画だった。恋愛にしろ友情にしろ、だれかを好きになり始めのときって、あぁ私この人好きだなぁ、こんなことすると「好きだ」ってことが相手にわかっちゃって引かれちゃうかな、この人も私のこと好いてくれてるのかな?好いてくれてるよね?あ、私やりすぎちゃった?――みたいな駆け引きがあるもんだけど、その辺りのことが丁寧に描かれていてせつなかった。それと同時に、これは好意とか恋愛のことだけを描いているんじゃなくて、自分のやりたい音楽を追求する、才能ある芸術家の話である、という部分が重要なポイントなんだということもわかり、だから「この人が好きだからそれ以外のことはどうにでもなってしまえ」的な恋愛だけでは話がおさまらないわけで、その辺がもどかしくもあり息苦しいほど現実的で切実でもあり、なんだかいろいろと考えながら見た。バイクに乗って海の見えるとこに行って、男が、「『君は彼を愛しているのか?』というのはチェコ語でなんと言うのか」と女の子に聞いて、教えてもらったチェコ語で女の子にたずねると彼女がチェコ語でそれに答え、男が「え?なんて言ったの?」と言うんだけどぜんぜんとりあわず、さ、行きましょうって言う。あのシーンがいちばん好きだった。彼女がなんて答えたのか、チェコ語のわからない人には最後までわからないまま映画が終わるというところがすごくいいと思った。他にも好きなシーンがたくさんあった。2人が初めて一緒に演奏する、昼休みの楽器店のシーンとか(あの音楽が頭から離れません)。映画館を出て、電車に乗ってから、大泣きした。

午後は『三人姉妹』自主稽古。山の手事情社の研修生のかたが2人来てくれて、お客様役をやってくれた。きょうも一通り全部のシーンをやった。

『once ダブリンの街角で』ではね、hoover(掃除機)だとかbrilliant(スバラシイ)だとかtelly(テレビ)だとか、イギリス的英語が満載なのも面白かった。「彼女、家にいる?」と男がたずねるとき、"Is herself in?"と言っていたのも興味深かった。ヘイミッシュ・マクベス・ミステリーにはよく出てくる表現だけど、音で聞いたのは初めてだった。


03/03/2008(月)

『三人姉妹』自主稽古。稽古見学1名。観客役をやってもらって、全編ほぼ通す。淳子さんは、開演前の自分のパートも練習してた。私も紙芝居練習しなきゃなぁ。

用事でアゴラに寄って、下北沢に行くという友と下北沢まで歩く。2人とも道順があやふやで(なんどか歩いたことはあるんだけど、いつもだれかについていってたから)、大丈夫か大丈夫かと思って行ったけど、大丈夫だった。友は、最近見た演劇作品がすごく気に入ったらしく、思い出して台詞を言ったりしていた。すごい、よく覚えてるねと言うと、好きなやつのときはマチコもそうじゃん、と言われた。あぁ、まぁ、そうかも。

食費節約のため、きょうも自炊。朝はミューズリーにドライフルーツを足して牛乳かけたやつ(自炊とも言えないね)、夜はスパゲティ。のソースはブロッコリーとダイコンを牛乳とチーズであえたもの。

夜、机まわりの整理を始める。本は本棚に、筆は絵を描く道具の引き出しに、資料類は超整理。不要なものは捨てる。捨てる。捨てる。まだまだだけど、とりあえず事務机の引き出しは閉まりました(いままで引き出しを引き出した上に物をガンガンに置いていて、引き出しとして機能していなかった)。『三人姉妹』前回公演の記録DVDだとか、パトリック・スチュワートがナレーターをしている『ピーターと狼』のCDだとか、川崎ローズの折り方の本とか、所在のわからなくなっていたものが次々見つかった。よし、引き続き、かたづけよう。


03/02/2008(日)

なんか瞬間的にぜんぜんお金がなくて、パスモのチャージすらできなくて、切符を買って電車に乗っている。まぁ最近外食にお金を使いすぎていたので、そこんところは今後お金が入っても気をつけていこうと思う。

演劇公演を見終わって友に感想を聞かれ、話し出したら涙流れて自分でビックリした。申しわけないことに、いま見た作品の世界とたぶんほとんど関係ないことでだし。「美術館で絵を見てるとき、実は目の前の絵とほとんど関係ない自分の中の何かが投影されたものを見ているだけなんじゃないか」というのは前にも日記に書いてるけど、つい最近もまた書いてるけど、きょうは演劇でもそういうような状態になったらしい。ということとか、元々私は「音楽」に弱いんだということとかを、お茶飲みながら説明しようとしたら、再度涙が出てきて、ホントにきょうはどうかしちゃってる。自分でわけがわからない。驚いたよね、ごめんね友よ。疲れているんでしょう、と言われる。そういわれればそうかもしれない。あぁ、きっとそうだ。この疲れがとれるには、たぶんもうちょっと時間がかかる。


03/01/2008(土)

春風舎にて、山の手事情社の研修生公演を拝見。駅からの道案内にベテラン劇団員の面々が立っていてゴージャスだった。公演は、1990年代後半の山の手事情社の舞台の感じを彷彿とさせた。

その後、友とご飯食べて、[はな]して[はな]して気づいたら4時間以上経っていた。私なんだか夢中になってたくさんしゃべっちゃったけれど、でも2人ともたくさんしゃべったしたくさん聞いたんじゃないかな。いろいろな面白い話を聞いた。すごい楽しかった。楽しかったけど、自分のダメさもよくわかった。こないだ別の友から、マチコは世界の(演劇の)ことを知らなすぎる、と言われたけど、きょうも、自分の無知とか、興味の対象の狭さとか、このままじゃいかん、がんばろう、と思ったことでした。


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