コンピュータ関係では、カタカナやアルファベットを使った横文字言葉がたくさん使われる。というか、コンピュータ関係の用語は、全部、英語ないしはその略語またはそれらのカタカナ表記である、といっても過言ではあるまい。
例えば、ホームページを作成して公開する際の作業を書いてみよう。
と、ちょっと書いただけでこれだけ横文字が出てきてしまう。このようにコンピュータの世界で使われる用語は、基本的に横文字(カタカナを含む)である。
私は、(自分で言うのも気恥ずかしいが)コンピュータにはかなり詳しいので、それはすなわち、こういった横文字言葉もたくさん知っている、と言うことができる。その私が聞いたことのないある略語が、知らない間に巷でたくさん言われるようになっていることに先日気がついて、大変驚いた。その略語とは「IT」である。ITというのは Information Technology の略で、「情報技術」の意味です、と言われても、何のことだかわからない。
ところで、こういう説明はやめて欲しいものである。
こんなのは「説明」でなくて単なる「言い替え」である。実は全然説明になってない。で、本当はどういう意味なのか色々と調べてみた。その結果得た、私なりの「IT」の説明は下記の通り。
つまり、「IT」というのは実はIT用語ではなく(笑)、ニュース用語、ないし経済用語である、というのが私の結論である(おっとっと、いつもは最後に書いているのだがここで出てしまった)。ちなみに、「IT」という単語が一番数多く登場する媒体は、おそらく日本経済新聞である。この種の言葉は、実は非常に意味の薄い言葉で、なかば「流行語」と言っても良いくらいである。専門外の人達が専門家に羨望を込めて使う言葉、と言えるかも知れない。同種の言葉の例として「マルチメディア」がある。
日本語で物事を理解しようとする際、定義にピッタリした言葉があると、いかにもわかったような気になるものである。ところがそれは、単に「言い替え」を見つけただけであって本質は全然わかってはいないのである。そういうところをうまく隠して、「言い替え」を連続的に繰り出して、うまく相手をわかったような気にさせるのがプレゼンテーションの基本であり...と、この話題も結構面白いのだが、これ以上は「企業秘密」ということでご勘弁いただこう。