「Confetti」

「Confetti」の写真
サイズ約70cm×70cm
作成期間2005年8月27日〜9月2日
ピーシングミシン縫い
キルティングなし
2005年10月の劇団PARKと青年団の合同公演『ソウルノート』再演(於・こまばアゴラ劇場)のために作成。昨年の『東京ノート』若手公演のときと同じく「作品の展示されている美術館ロビー」という舞台美術なので、また新たにテキスタイル作品を作って飾ってもらった。

韓国のパッチワークといわれる「ポジャギ」のような、透ける感じにしたかった。また、デザインに「まる」を取り入れたかった。まず、正方形の中央にまるが入っているデザイン(赤と紫の線より内部)を考えた。デザイン用紙にステンレスのボウルを伏せて円形を写し取り(たしか、直径35センチだった)、全体をいくつかの長方形部分に分割し、「まる」の部分も「地」の部分もさらに分割し、また、明るい小さい色が全体に紙吹雪のように散らばっているといいなと思い、それをどこどこに配置するかも決めていった。円弧を分割し、直線に変換していくところが面白かった。

だいたいのデザインが決まり、次は、布を買いに出掛けた。透ける布で、伸縮性がないもの、できればそれほど高価でないもの、アイロンを掛けながら縫っていくのでたぶん綿素材がいい――そんな漠然とした条件を考えていた。布は、あまり最初からイメージを固めるよりもお店で現物を見たほうがイメージが広がったりはっきりしたりする場合が多いので、とにかくとりあえず出掛けてみた。1軒めに行った新宿オカダヤで「綿オーガンジー」という素材を見つけ、特に白地に黒のむら染めの生地がこの作品用にたいへん丁度いいように感じたので、それを中心に「地」用にそれとあと2色(白、ベージュ)、「まる」用に3色(オレンジ、ピンク、黄)購入。「紙吹雪」用の布を何にするかはだいぶ迷った。サテンの光沢も捨てがたかったが、「表からも裏からも同じように見える」ふうにしたかったので却下した。発色でいえば綿とポリエステルの混紡のもののほうがよかったのだが、結局綿100%の生地にした。

中心部分をまず作成した。というか、その時点では、その外側をどうするかまだ決めていなかった。「まる」用のピンクやオレンジを見ているうち、「以前使った綿ローンの布地も混ぜたらきれいなんじゃないだろうか」と思いつき、色味の似た柄の部分を選んで少し入れてみた。出来上がった中央部分を眺めると、オーガンジーの透ける感じがなかなかよかったので、いったんハッキリした色できゅっとしめてからもう少しオーガンジーの「地」を続けてみようと思い、赤と紫の線で区切って、さらにオーガンジーと紙吹雪の部分を続けた。一番外側の縁取りには、薄墨色に薄紫で花が刺繍されている、着物地だったか洋服地だったか、ずいぶん前に母からもらった布地を使用した。オーガンジーの透ける感じを受け継いで、でもちょっと区切りをつける感じになり、よい選択だったと思う。

展示に際しては、舞台美術の杉山至さんが、2枚の板からなるボードを作ってくれた。木目が、写真ではよく見えないけれど左半分は横、右は縦になっている。パッチワーク作品用に、ボードもパッチワークで「ぶつけてきた」という。約3センチ角の木材を作品の四隅にあたるところに取り付けてもらい、作品がボードから浮くように展示した。透ける感じ、縫い代のところに布が重なってステンドグラスのようになる感じを見せたかったからである。タイトルのConfetti(コンフェッティ)は、紙吹雪の意。実際に展示して、それを見て題名を決めた。

『ソウルノート』の公演が終わったとき、この作品は、演出家のパク・カンジョンさんにさしあげた。

おまけ:スタッフのパク・ジョンウォンさんが撮ってくれた、私と作品の写真

(2005年11月)









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