つれづれなる日々

2002年9月の日々

秋の夜長になにやらご執筆のご様子……

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09/30/2002(月)

きのうホテルの移動があって、ゆうべから別のホテルに来たんだけど、部屋からネットにつなげない。原因不明。家の人のパソコンは大丈夫なのに。

午前中歯医者さんに行く。症状を説明したら、根っこが死にかけて膿んでいるんだろうとのことだったけど、レントゲンをとってみたら冠のすぐ下のところが化膿してなんだかぐずぐずになっていて、これはいまは化膿をとめるしかできない、化膿してるから痛いんで化膿がひけば痛みもなくなるけど、即座に治るというものではなく、2日くらいはかかると言われ、抗生物質と痛み止めをもらった。レントゲン写真も、日本の歯医者さんに持っていきなさいと言って持たせてくれた。40代くらいかな、こちらの話もよく聞いてくれ、説明もちゃんとしてくれるいい先生だった。

ゲネの後、字幕の微調整。8時開演でダブリン初日。気楽に自分の好きなところで笑っている感じの観客だった。終演後の拍手が大きく力強く暖かかった。

いまもらっている抗生物質を飲んでいるあいだは絶対にアルコールは飲んじゃダメ、と言われている。ダブリンの3日めからノンアルコール生活だ。そして薬はあと4日分ある。初日にギネスを飲んでおいてよかった。


09/29/2002(日)

昨夜から「歯が浮いた」どころでない痛みとなり、鎮痛剤を飲んでもよく眠れなかった。きょうは仕込みで、一日忙しいのに、楽屋で貴重品の番をする以外なんの役にも立たず。こんなタイミングで使いものにならなくなって、それは私がわざとやったわけではないんだけれど、やっぱり申し訳ない気持ちだった。強い鎮痛剤を買ってきてもらったり、ひえぴたシートみたいなのを買ってきてもらったり、寝てなさいと毛布をかけてもらったり、心細くなって手をにぎってもらったり、ひとのお世話になってばかりいた。

こちらでのコーディネーターの方の知り合いのドクターに個人的にみてもらったら、化膿してるらしい。これがおさまらなきゃ歯医者さんに行っても何もしてもらえないとのこと。とりあえず痛み止めと抗生物質で、稽古を乗り切る。ホントなら冒頭から順番にやっていきたい「場当たり」だけど、私があした午前中歯医者にいけるよう、きょうは私の出ているところだけ抜粋してやってもらった。

ホテルに帰って、きょうは洗濯する気力も、ネットに繋ぐ気力もなく、倒れこむようにベッドへ。痛いって、それだけですごく疲れるんだ、ということがわかった一日だった。


09/28/2002(土)

ロンドン在住の友に聞いたら、炭酸の入っていないオレンジジュースがほしかったらスティルオレンジって言わないといけないんだそうだ。

昼間、平田オリザが、補修校(日本語と算数を土曜日に教わる)の生徒たちを対象にワークショップをしたので、劇団員何人かで手伝いに行った。小学校低学年から中学生くらいの子たちが、30人くらい。

成田からの飛行機の中から、奥歯が一本浮いたような感じになっていて、じわじわと痛い。飛行機に乗るとそんな症状が起きるもんだ、そのうち治ると言われて様子を見ている。痛み自体は我慢できないほどではないのだが、ものを噛むと痛むので、食事が楽しめない。子供に白ネズミを見せるたびに鉄パイプをたたいて耳障りな音を聞かせることによって白ネズミぎらいな子供にする、という、昔心理学の教科書で読んだ話を思い出す。


09/27/2002(金)

出発間際の時間に、返事をすぐ書かなきゃいけないメールが入ってきたりして、ギリギリの時間に出発。セキュリティーチェックで、ジャケットの胸のコミュニケータ(スタートレックの、通信バッジ、の形をしたブローチ)がひっかかるだろうなと思ったら、案の定ひっかかった。だから脱いでバッグと一緒に機械に通そうと思ったのにぃ(係りの人に、「それはそのままお持ちください」と言われたのです)。

搭乗したら、離陸を待たずにもう眠っていた。その後も、食事のときなどときどき目をさますだけで、パリに着くまでのたぶん3/4の時間は眠って過ごした。きのうあんまり寝てないもんなぁ。

食事のとき、フォークとスプーンは金属製(柄はプラスティック)だけど、ナイフはプラスティック製だった。これも911の影響? そして、座席に座ってできるストレッチと呼吸法を組み合わせた体操のビデオがたびたび流れていたのは、エコノミークラス症候群が問題になってきているからかな、と思った。

乗り換えて、夜、ダブリン着。なにはともあれ、ギネスを飲みに行く。

ヨーロッパは、私は初めてだ。きょうは、英語があんまり通じなかった。セブンアップって言ってもペプシが出てきたし、オレンジジュースって言ったのにファンタオレンジだった。「フレンチフライズ」って言っても通じなかった。フライドポテトのことは「チップス」と言うらしい(でもレシートにはフレンチフライズって書いてあったけど)。

私はよく人に道を聞かれたりするほうなんだけど、きょうも、入ったばかりのバーで、
「化粧室はどこ?」
って聞かれた。いや、いま来たばかりで私もわかんない、と答えるしかなかったけど。


09/26/2002(木)

早朝帰宅して、洗濯機をまわす。洗い上がった洗濯物にはポロポロした小さくちぎれた紙がいっぱいいっぱいまつわりついていた。あぁ、シャンプー宛てに返送されてきた私のDMハガキを受け取って、お尻のポケットに入れておいたんでした。赤いポピーの花畑が、白い紙吹雪になっちゃった。公演が終わった、っていうなんだか象徴的なできごとに思えた。ていうか私が不注意なだけなんだけど。

4時間くらい眠っただけで目がさめて、荷造りしたり、買い物したり、疲れてちょっと眠ったり。

家の人とゴハンを食べに行って、テーブルで向かい合って箸でものを食べていたら、「雨が来る」のシーンみたいで、少し変な気持ちがした。そういえば、稽古・本番中、こうやって二人で向かい合ってゴハンを食べること、ほとんどなかったなぁ。お互い忙しかったので。

さて、あしたは「東京ノート」のツアーに出発だ。荷造り、もうひとがんばり。


09/25/2002(水)

「雨が来る」最終日。駅近くまで来て、台本を家に忘れてきたことに気づく。取りに戻って集合時間にギリギリ間に合うか間に合わないかという時間。なくてもたぶん実害はないんだけど、いままでいつも持ってってたのにきょうだけないと弱気になりそうだったので、急いで戻って取ってきた。集合時間にもだいたい間に合う。

本番終了後、客演陣はバラシは参加しなくていいので、青年団事務所へ他の用事を片づけに行く。公演を観に来てくれた友や、観にこれなかった友と話す。

下北沢に戻り、打ち上げ。会場の地図をなくしていて、路地でカラオケのチラシを配っている女子に
「あのー、ごめんね。このへんに○○○って店、ある?」
と聞いて教えてもらった。最近、こういうとき最初からタメ口だ。歳取ったのね。

打ち上げでは、とにかく、いろんな人と話した。どんどんどんどん話していたら、朝になった。


09/24/2002(火)

趣味のメーリングリストを読んでいる暇がぜんぜんない。どんどん未読がたまっていく。


09/23/2002(月)

遠方より友来る。「雨が来る」を観にきてくれた。
「あそこまで言うんなら観ないわけにいかない」
と言って、来てくれた。ホントにぜひ観てもらいたくて、ちょっとはずかしいくらい熱の入ったメールを送ったのでした。それをまちがってBCCで知り合い全部に送っちゃったのはホントにはずかしかったけど、あのメールを送ったおかげでこうやって観にきてもらえて、ホントによかった。

今回の公演を観た友だちと話していると、これこれこういうところがよかった、ここが印象的だった、というところがことごとく演出家の意図どおりで、赤堀さんという演出家のこういうところはすごいなぁと、あらためて思う。


09/22/2002(日)

きょうも、昼と夜と、2回公演があった。夜公演は6時開演で、「雨が来る」の上演時間は1時間ちょっとなので、7時過ぎには終わっちゃう。これからもう1本観に行けるね、なんて楽屋で話した。実際そういうお客さんもいるのかな?

観にきてくれた友に、
「やせたねー」
と言われた。ときどきそう言われることがある。でも実際はぜんぜんやせていない。相手の頭の中で、想像の私が、会わない時間のあいだに巨大化していっているのだろうか。


09/21/2002(土)

ゆうべ、疲れているはずなのに、カモミールティーを飲んでもなかなか寝付けなかった。けさはけさで、早く目がさめちゃった。昼公演と夜公演のあいだ、舞台上で爆睡。夜も早く帰って、衣裳の洗濯をして、さてもう寝ようっと。


09/20/2002(金)

ワンピースにスパッツをはいて出掛けたんだけど、電車の乗換駅で知らないおばさんに呼び止められた。
「ごめんなさい。スカート、後ろあがっちゃってるわよ」
ゲゲ、下はスパッツといえ、お尻がおはしょり状態に!
「最初、そういうデザインかと思ったんだけど……」
うわー、ありがとうございます、教えてくれて。恥ずかしー。


09/19/2002(木)

THE SHAMPOO HAT「雨が来る」2日め。でもまず青年団「東京ノート」の稽古に。その後、集合時間より早くスズナリに着いて、楽屋で少し眠る。本番前に「まいて通し」。これは毎回やるらしい。たしかに、「きょう、もう、すでに1回やってある」と思うと本番で少し安心だ。


09/18/2002(水)

THE SHAMPOO HAT「雨が来る」初日。帰宅して、あしたの「東京ノート」稽古開始が11時から9時(朝です)に変更になったことを知る。ソッコウ就寝。


09/17/2002(火)

「東京ノート」の稽古は、埼玉県富士見市の「キラリ☆ふじみ」という、この秋にオープンする劇場でやっている。きょうは、公開通し稽古があった。その後、「雨が来る」がきょうから劇場入りなので、スズナリへ。ざーっと「まいて」通した後、場当たり。明日は、初日だ。


09/15/2002(日)

敬老の日だ。そのうち、ある年の9月15日に、
「お元気ですか。どうしていらっしゃるかと思って」
なんて電話が掛かってきたらショックだろうなぁ。


09/14/2002(土)

すごいよ、ロボコン。あのゴールの円柱の大きさと高さ、ボールの大きさが、意図なのか偶然なのか、絶妙で、ますます盛り上がった。


09/13/2002(金)

北九州の、門司高校出身の演劇人って多いのかな? 私は4人知っている。てか、まぁ、偶然かなぁ。

「てか」は、「というか」のすごく口語体。こないだ「つか」っていうのもどこかで見かけた。日本語は拍数です、「おじさん」と「おじいさん」、「びょういん」と「びよういん」(英語の人にはなかなか区別がつかないらしい)の区別は、4拍(お・じ・さ・ん)か5拍(お・じ・い・さ・ん)かということです、とか言うけどさ、省略されるところは省略されてるよね。たいく(体育)とか、もっぺん(もういっぺん)。「そういうこと」っていうのも「そいこと」くらいに短くなるときある。


09/12/2002(木)

シャンプーの稽古では、「まいて」いきましょう、というのがあって、最初なんのことやらわからなかったんだけど、台詞も、間も、動作も速度を上げてさくさくやる稽古だ。いろんなことの確認になるらしい。きょうは、普通の通し稽古の他に、まいて通し稽古、というのをやった。

ナイロン100℃のホームページで、みのすけさんのシャンプーの稽古日記の掲載が始まっている。


09/11/2002(水)

こないだ知り合いのたくさんの人たちに公演案内のメールを出したんだけど、その文面をちょっとだけ加筆修正して一人の知り合いにさらにメールを出そうとして、BCCですべての人にその個人的なメールを送ってしまった。ガガーン。なんてこった。顔から火が出るよ。


09/10/2002(火)

『雨が来る』の、本番前の最後のお休みの日だった。家でやりたいことがあったんだけど、家にいるとなんやかんや小さな仕事が発生して、なかなかまとまった時間がとれなかった。


09/09/2002(月)

美容院に行った。髪型がかわって、稽古場でだれが最初に気づくかな、と思ったら、ちょっと予想とちがう人だった。

美容院は大宮だ。大宮のLoftに寄ったら、去年の秋夢中で買っていた不思議の国のアリスのフィギュアがついたお菓子を、たくさん売っていた。ハンプティダンプティがほしくて箱買いしそうになったけど、もしそれでもハンプティが出なかったときのショックを思って、買わずにおいた。

いままでなかなかうまく言えなかった台詞が、言えるようになった。その次の自分の台詞の意味をとりちがえていたのが、言えなかった原因だった。気づいてよかった!


09/08/2002(日)

きょうの稽古場はお客さんがあって、笑ったりとか反応があって、新鮮だった。本番まで10日。


09/07/2002(土)

パウダーの白粉がもう終わりそうなので、買いに行った。「○番」と言うと、
「それは古い製品です」
と言われた。あぁ、そうだったんだ。先日家の人が仕事で海外に行ったとき、これこれの商品のこれこれの番号のを買ってきて、と頼んだ。あちこちで聞いてみたけどどこにもなかったそうだ。あれは、こういうわけだったのね。ごめんね!

そして、デパートでもコンビニでも店員にタメ口でしゃべっている自分に気づく。年取ったのね……。


09/06/2002(金)

すごい雨。でも稽古はあった。レインコート、長靴、ゴッホの傘で行く。


09/05/2002(木)

アゴラで、韓国の劇団木花(モッカ)の公演『I LOVE DMZ』を観た。韓国語は少しはわかるつもりだったんだけど、「あの人」、「ニンニク」、「来た」、「待っている」くらいしかわからなくて、だから内容はぜんぜんわからなかったんだけど、そこに繰り広げられる世界がおもしろくて、鍛えられた身体と豊かな声が素敵で、ずっと身を乗り出して観ていた。


09/04/2002(水)

THE SHAMPOO HATのホームページに、『雨が来る』の稽古場日誌が掲載され始めている。児玉さんの文章は、泊達夫さんの文章に少し似ている。と、私は思います。


09/03/2002(火)

前髪が伸びのびで、うっとうしい。来週切る予定。あと1週間ガマン、ガマン。あぁ、あしたはなんだか写真撮影があるそうなんだけど、こんなアタマだ、残念。


09/02/2002(月)

きょうから3日間、昼間に『東京ノート』の稽古がある。きょうは演出家が夜しか来ないので、私は相手役をつかまえて次から次へと台詞合わせをして、
「じゃあお先に失礼します」
と稽古場を後にし、『雨が来る』の稽古に向かった。

私のキルト(赤と紫のキルト。そういえばキルトのページにまだこの写真を載せていません)を見た人が、キルティングの針目を見て、
「これ、ミシン?」
と聞いた。手縫いだと言ったら、
「こまけー。きりがない!」
初めて聞いたよ、こういう感想。


09/01/2002(日)

9月というとメガネを掛けた人の絵を描いてしまう。去年もそうだった。ワンパターンな私。

THE SHAMPOO HATの稽古で、きょう初めて通し稽古をした。不在の人もいたけれど、それは代役で。(終演時以外に)暗転のある芝居、私は10年以上ぶりだ。


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