つれづれなる日々

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2007年10月の日々


10/31/2007(水)

ホテルの娯楽室で、ビリヤードやエアホッケーやfoosballをした、と書いてある。foosballを英和辞書で見ると「フーズボール、テーブルサッカーゲーム」とある。あぁ、たぶんあれのことだなと思い、確認のため、画像検索する。これこれ! 便利な世の中になったなぁと実感した一瞬。

夜、西村企画『ライン』観劇。この俳優たちを集めたというところに、演出家の手腕を感じた。


10/30/2007(火)

家の近くの美容室に行ってみた。ミクシィにこの街のコミュニティーがあるんだけど、そこで「あの店はいい」という意見の出ていたお店。カットとカラーリングをお願いした。思ったより暗め、赤めの色になったけれど、おおむね満足。ただ、担当者のほか、ブローとかシャンプーとかに他のスタッフが入り(計5人のお世話になりました)、皆さん気さくに人なつこげに話しかけてくれるのはなかなかなごやかな雰囲気でいいんだけど、同じことを繰り返し聞かれるのがめんどくさかった。「なぜこの美容室に来たのか」「どのような交通機関でここに来たか」「(近所から来ているとわかって)買い物はどこでしているか」「いままでもこのあたりで美容室に行っていたのか」「仕事はしているのか」というようなことを繰り返し答えるわけですよ、こっちは。3回とか。買い物はOXでしてる、と言っては、「えー? あそこ高くないですかー?」って繰り返し言われるわけですよ。質問以外でも、「今度、この近所に新しいスーパーができる」、「消耗品を百均で買っている」「うちは、駅でのビラ配りはしていない」という話をそれぞれ2人から聞いた。無難な話題というとだいたい似通って来るんだろうけれど、お客さんが疲れるよ。何か工夫したほうがいいんじゃないでしょうかね、お店として。

夕方小田急線がまた遅れていた。社内アナウンスで、
「なお、ただいまダイヤが乱れておりますので、各駅停車への乗り換えのご案内はできません」
と言っていた。27日に台風接近でやはり電車が遅れていたときは、
「なお、各駅停車をご利用のお客様は、お降りになる最寄り駅での乗換えをお願いいたします」
と言っていて、何が言いたくてそう言うのか私にはさっぱりわからなかったんだけれど、きょうのアナウンスを聞いたらなんとなくわかった。

夕方小田急線に乗ってどこに行ったかというと、赤坂に山の手事情社の『道成寺』を見にいきました。3つのストーリーが平行して進む展開のせいか、私の興味は、物語よりも俳優一人一人に向かいがちだった。好きな衣裳とか好きなシーンとかたくさんあるんだけど、全体的な印象が私の中で定まりにく感じ。生卵のシークエンスが生理的にあまり好きでないのは私の勝手な好き嫌いだし、むしろ背筋をぞくっとさせる演出の意図かもしれないのでそれはいいんだけど、好き嫌いはおいといて、あれ、安全性はどうなんだろう、と、ふと気になってしまった。


10/29/2007(月)

家にこもって仕事をしています。

いつくらいまでにできますか、と言うからさ、いろいろ考えていついつまでって返事したのさ。そしたら、それじゃ入稿に間に合わないのでいついつまでにやってもらえませんか。ってそれどうして最初に言ってくれないんだろう。

一度も直接会ったことのない人と仕事するむずかしさを感じる。とはいえ、どちらかというとメールで全部すませたいほうではあるので(仕事はね)、メールだけで進められればそれがなにより。メールで誤解しないよう、誤解されないよう、気をつけてガンバロー。


10/28/2007(日)

家にこもって仕事をしています。


10/27/2007(土)

きのうのことで、書き忘れたことがあったので書いときます。『フロスト警部』を見ていたら、エンディング近くの、事件も解決したあとのちょっとしたやりとりで、フロストが、次は何々夫人のところに行って露出魔にかみついた犬に会ってこなくちゃ、"I have to see a dog about a man."と言っていた(たしか)。see a man about a dog(犬の件で人に会う。理由を告げずに席をはずしたいときに使う慣用表現)をひねったね。

台風が接近中とのことで、きのうもきゅうも雨降りだ。早めに家を出たのだが、やはり電車が遅れていて、開演ギリギリに赤坂RED/THEATREに。初めて行く劇場で、地図どおりに行ったつもりがあるはずの角に劇場がなくて、1分ほどぼーっと立ち尽くしてしまった。それでもなんとか間に合って、山の手事情社『傾城反魂香』観劇。俳優が、地の文(ト書き的なもの)と台詞と続けて両方言う手法が、テキパキしていて気持ちよかった。初演のときから好きです、この作品。しかし、むかしの日本人は、私にとって外国人だな。文化がちがう。


10/26/2007(金)

いつも小さなノートを持っていて、ミーティングでメモをとったり、電車の中で聞こえてきた面白い会話を書きとめたり、とにかく「あ、メモしとこう」と思うことをメモするようにしている。きょう、必要があってこの半年分くらいのメモを読み返してみたが、今となっては意味のわからないものも結構あった。

6/17/2007
hungry 空「腹」とは限らない
ill 病気に限定されない

"Did you tell her I was ill?"
(P. 206)
なんの本の206ページかわからないよ。……と思ったら、このウェブの6月の日記を読んでわかった。Death of a Dreamerでした。背後から何者かに頭を殴られて脳しんとうを起こしたヘイミッシュのことをillって表現していたから、あぁ、「病気」じゃなくてもとにかく「(身体の)具合が悪い」ときに使うんだなぁ、と思ってメモしたんだった。

しかし、↓これはさすがになんのことやらさっぱりだ。
9/1/2007
織田信長の生涯
大河ドラマ
花神
メモをとるとき、これからは、「何について」「だれが」言ったのか書きとめるようにしよう。あと、「出典」。

きょうは、家に人が来る用事があり、その辺を少し片付けた。床に服や物が散らかっていないと、気持ちがいいね。ぜひこの状態を維持したいです。


10/25/2007(木)

ようやく旅の疲れが抜けてきた模様。洗濯などする。

夜、ワークショップ研究会のミーティング。4時間。へとへとです。


10/24/2007(水)

友から、ベイビーが生まれました、というメールが来ていた。誕生日はしかし9月半ばの日付。なぜこのタイミングで? というかいまどこに住んでいるんだろう。まだ台湾にいるのかな? ま、メールしてみればいいわけだけど。

月曜に仕事のことで電話してきた人がいて、「なんでメールで言ってこないんだろう?」と思っていたら、実は金曜にメールをもらっていたことに、きょう気づいた。旅中はノートパソコンでメールチェックしてたんだけど、なれないメール環境で、大量のスパムにまぎれてまちがって消しちゃってた。おわびと事情説明のメールを出す。

Death of a Dustman読了。これはシリーズの中ではあまりよくないほうだな。身だしなみはよくないけど料理好きなダメ巡査クラリーという大変おもしろいキャラクターが出てくるんだけど、事件とあまりからまない。それに、逃亡しようとしたギリシャ人ホテル主が死んでしまうというのも、後味が悪い。殺人犯だ、ということが後から確定するわけだけど、それにしても裁判も何も受けないうちに「あいつつかまえろー!」「よしきた、まかせろ!」とハイランド競技用のハンマーを投げるスコットランド人(そのハンマーに翼を破壊され、ヘリは湖に落下。座席から脱出できなかったホテル主は死亡)、それをかばうヘイミッシュ。殺す気でやったんじゃないだろうけど、なんだかなぁ。


10/23/2007(火)

朝から倉庫で荷おろし、片付け。友とお茶して、自宅最寄駅まで来て、友とラーメン。駅の書店できょう発売の『とりぱん』4巻と『誰も寝てはならぬ』7巻を買って、『とりぱん』読みながら家に帰る。帰りついたらさすがにもう限界で、後は眠ったり起きたり眠ったり起きたりして24日を迎える。


10/22/2007(月)

『隣にいても一人』広島編のため広島に向かういえの人を見送ったのち、10時にホテルロビーまで来てくれた友と、いのちのたび博物館へ。入る前は、午後はどこか他にまわろうかなんて考えていたんだけど、お昼をはさんでしっかり閉館時間近くまで見た。常設展示以外にも、「修験の歴史と自然」という山伏に関する展示とか、「襤褸(らんる) 布がかたる戦争」という、昔の軍服や千人針、物資がなくなってペラペラの化繊で作られた幟(のぼり)など衣服・布を通して戦争を考える展示とかあり、とにかく見ごたえがあった。常設展示では、恐竜の化石の大きさに圧倒された。とにかく「いのちのたび」だから、岩石、生物の進化、多様な生き物(昆虫、鳥、動物、魚、菌……)、昔の生活(弥生時代、昭和30年代……)などなど、多岐にわたっているんですよ、展示内容が。化石とか石炭とか、触ってみることのできるものがあるのも楽しかった。

その後小倉に戻り、「北九州の演劇人がよく行く飲み屋」というところに連れていってもらい、空港バスの時間まで飲む。きょうは一日つきあってくれて、ホントにありがとう。楽しかったです。

羽田着が10時半過ぎ。で電車乗り継いで12時半少し前に帰宅。すぐ寝ればいいのに、ヘイミッシュ・マクベスを少し読む。あと数ページで読み終わるということろで力尽きる。


10/21/2007(日)

リバーウォークの最上階にあるゼンリン地図の資料館。きょうこそ!と思って1Fの看板をよく見ると「休館日:土日 祝日」と書いてあった。あぁ! 地図の資料館とウナギ(おいしい店があるから食べてきて、と友に言われて、「それはこの店のことではないか」「あの店のことではないか」といろんな人が教えてくれもしたんだけど、行く余裕がなかった)は、次回の課題だな。

そして橋の上でサンマ定食を買う。テイクアウトできない、と言われたけど無理にお願いして、発泡容器(これはもともと)にアルミホイルでふたしてもらったりして。

きょうも1時『ソウル市民』、4時『ソウル市民1919』。終わって、バラして、一旦ホテルに帰って、打ち上げへ。劇場スタッフや飛ぶ劇の人たちや、大学の友(いまこちらに住んでいる。会ったの何年ぶりだろう?)。まだ宴は続いていたけれど、私たち二人は12時頃店を出てホテルに戻った。


10/20/2007(土)

劇場へ向かって歩いていると、橋の上にテントがたくさん建って、皆さんなにやら準備をしていらっしゃる。何かのイベントで、サンマ定食とかいろいろ売るらしい。

北九州公演の客席は、平均年齢がだいぶ高い感じ。どうしてだろう。

夜は、初日打ち上げ。おいしい寄せ鍋。おいしい山芋鉄板。見にきてくれた飛ぶ劇の友とも久しぶりに話ができた。


10/19/2007(金)

劇場へ行く道すがら、ナカノテツをのぞく。ピアノの鍵盤柄の平テープ(バッグのもち手になりそうなヤツ)に心ひかれたけれど、無目的に手芸材料を買うのはやめてるので(いろんなものが、一生分以上すでに家にある)、買わなかった。友が出店しているレンタルショーケースよろず家にも寄る。

きょうは、『ソウル市民』場当たりの続き、のあと、2作品のゲネプロ。途中、地下のスーパーに食品を買いに行き、念願の九州限定のアイス「ブラックモンブラン」をゲット。いや、普通の100円とかの棒のアイスですけどね、前回私が北九州に来たのは、飛ぶ劇場に客演したときで、たしか2000年だったけど、1カ月滞在してたのにこのアイスの存在を知らず、「次に来たときは絶対に食べる!」と宣言して早7年。というわけで、今回北九州に着いてから、いろんな友に「ブラックモンブラン食べた?」と聞かれ聞かれしていたのです。やっと食べた!

福岡市からゲネを見に来てくれたかたがいて、夜、火曜に行った焼き鳥屋にまた行って、飲んだ。火曜は、カウンターで隣に座ってたおじさんに「ホルモン一緒に食べませんか」と話しかけられた。きょうは、カウンターの端でセーラー服の高校生(ここのうちの子)が宿題のプリントをやっていた。ディープな焼き鳥屋です。

Death of a Dustmanは、変な誤植がある。「私は」の「I」が、エルの小文字、すなわち「l」になってるところが、少なくとも2カ所ある。1つは、P. 81。原稿、データじゃなくて紙なのかしら。


10/18/2007(木)

朝から仕込み。夕方までに終わり、演出家が来るまで少し自主場当たり(『ソウル市民1919』)。その後、演出家が来て、『ソウル市民』場当たり。普段、青年団の「場当たり」は、そうは言っても冒頭から最後まで、途中を抜かずにやる場合が多いんだけれど、きょうは出はけに特化した、なんというか、いわゆる「場当たり」に近い感じ。4場の頭の、私なんかの退場まで終了し、退出。

少人数で、劇場近くのアイリッシュパブに寄り、ギネスなど飲む。舞台美術の人をまじえ、キャストが舞台装置の作製や仕込みをすることの良い点、悪い点についてなど話す。俳優は何から何まで自分たちで全部できたほうがいい、という意見はもっともだと思う。思うけれども、外注でも思いどおりの高いクオリティーのものができあがるならば(そしてそのお金があるならば)、外注にしてもらって、その分の集中力や時間を俳優の仕事に使えると、私は嬉しいなぁ。まぁ、ものによりけり、ということはあります。私は洋裁方面は好きで経験もあるから、衣裳にアイロン掛けるだとか、やぶれた衣裳を補修する、布を決まった長さにどんどん切る、といった作業は、どうすれば効率よくできるとか自分で計画してどんどんできて、ストレスなくやれる。あんまり大変とも思わない。その一方、ベニヤとタルキでパネルを作るのは、得意じゃないし時間がかかるし、たぶんできあがりの質も落ちる。また、明日本番、というときに装置のペンキ塗りをして手が汚れるのはできれば避けたい。なんかそんな話をした。


10/17/2007(水)

だらだらして、お昼を食べて、ホテルに戻ってまただらだら。北九州の友に連絡して、今夜会う約束をする。

5時から劇場で搬入。1時間半くらい掛かるとの予想だったが、6時には終わり、私は友と二人、焼鳥屋へ。二人で食べるには量が多いですよとお店の人に言われたサラダなんかもぺろりとたいらげ、話しに話す。その後、4人合流して、だいぶ遅くまで飲む。初めて会った人、ずいぶん久しぶりに会った人、東京で何度か会ってるのでそんなに久しぶりでもない人。とにかく、いろいろ話せて楽しかったです。


10/16/2007(火)

午前中、3月にあなざ事情団が公演をするドーンセンターというところを、一人で見にいった。大阪滞在中に行こう行こうと思っていたんだけれど、公演中は何かと余裕がなく、場所もきのうきょうやっと調べた。ホテルから地下鉄1駅! 天満橋の駅からすぐの、きれいな建物だった。私たちが公演するのは1Fのパフォーマンススペースという空間で、ホームページで写真や図面は見ていたのでだいたいの感じはわかっていたつもりだが、思った以上に独立性のない、「ロビーの一部」感の強い空間だった。春風舎での公演とはまたずいぶんちがう感じになるだろうなと思うと、不安よりもおもしろさへの興味でわくわくしてきた。

昼食後、いえの人と2人、新幹線で小倉に移動。地元の友に、「前に言ってた、いいマッサージ屋さんの場所を教えて」とメールしたら、駅まで出てきてくれて、店まで案内してくれた。ありがとう! いったんホテルに荷物を置いてから、いえの人と二人、そのマッサージ店へ。足湯20分と全身マッサージ40分で、あったまって、ほぐれて、いい気持ちになった。

でこれまた先ほど友が教えてくれた焼き鳥屋さんで飲んで、しめはいえの人が前回北九州に来たときにも行ったというラーメン屋でとんこつラーメン。


10/15/2007(月)

伊丹公演最終日。長寿蔵のショップでおみやげを買おうと外に出たら、きょうもすばらしい青空、白い雲。歩道橋の上から、空の写真を撮る。最近、空の写真をよく撮っている。ショップでは、白雪のロゴ入りのとっくり、おちょこ、前掛けを購入。クリスマスプレゼント用。

4日間の公演って、長いような気がしていたけど、始まってみたらあっという間だった。もうきょうで終わりか。私たちがアイホールにお世話になるようになった最初のときからここのホールの事務所にいらっしゃるかたと、ゆっくりお話ししたいものだと思いながらそのうちそのうちと思っているうち結局話さないまま退出になってしまった。なにやってるんだろう、私。

ホテルの近くで、有志で打ち上げ。


10/14/2007(日)

マクベス巡査シリーズのDeath of a Dustmanを読んでいるが、村内に新しいホテルができるというので今後の集客について心配するプリシラ(家がホテル)に、ヘイミッシュが、ものごとっていうのはほうっておけば自然と解決するもんだよとかなんとか言っている。もー、そののらくらぶりが、ヘイミッシュの魅力でもありダメなところでもあるなぁ。

きょうも、『ソウル市民』『ソウル市民1919』の順で公演。終了後、中之島で阪大のイベントをやっているのを見に行く。もう終了時間間近だったのであまり見られなかったけれど、場所の雰囲気は少しわかったように思う。ここはこれから木造の地下鉄駅になるんですという、電車の会社の人の話が興味深かった。


10/13/2007(土)

気にしなくていいことが、気になってしまう。と友に弱音を吐いたら、みんな順番こにそういう気持ちになるよね、と落ち着いたやさしい返事。ありがとう、ありがとう、私はあなたにずいぶん頼ってる。

マチネとソワレのあいだに、友(さっきの友とは別の人)のおかあさんと喫茶店で食事する。ホワイトカレーって初めて食べた。

夜の終演後、いえの人と近くのブルワリーレストランに行く。地ビールやベルギービールがいっぱいあって、ビールにあう食べ物もたくさんあるお店。コリアンダーとオレンジピール入りの、フルーティだけどどっしりしたビールが、おいしかった。


10/12/2007(金)

考えてみると、この座組での『ソウル市民』はきょうがホントに初めてだ。先月の北海道は、『ソウル市民1919』だけだったからね。12月公演のときには出演していなくて今回初めてという人もいたので、きょうはその人らの初日のお祝いというわけで、飲みに行きたかったけれど、疲労もピークで、ホテルの近くのおしゃれスーパーで半額になったサラダやいなりずしやなんかを買って帰った。


10/11/2007(木)

朝から、場当たりの続き。さくさく終わって、引き続き『ソウル市民1919』場当たり。その後、『ソウル市民』ゲネ。盛りだくさんな一日だった。

夜はいえの人と2人で、梅田の焼鳥屋へ。ずいぶん前から来ている店だけど、付近の様子がずいぶんかわったことに驚く。


10/10/2007(水)

荷造りや準備でもたもたしていて、結局2時間睡眠で起床。空港バスの中は、ほとんど寝たおす。羽田でうどんを食べて、空路伊丹へ。飛行機の中でも寝るつもりでいたんだけど、結局隣席の友と着陸まで話し続ける。伊丹空港からタクシーでAIホールに向かい、搬入と仕込み。

夕食後、『ソウル市民』場当たり。3場の私の登場の直前までで終了。あぁ、明日もアサイチで来なきゃなんないのかー(自分のシーンに間に合うように来ればいいので)。ま、いいけど。


10/09/2007(火)

積み込み。先月の北海道のときに比べたらスペースに余裕があるはず、という見通しだったが、トラックに積んでみたらけっこうぱつぱつだった。

帰りに寄ったラーメン屋さんで隣の席のおじさんが、「えー、これで小なの? 量多いねー」と言っていたくせにちょっとそのラーメン食べたところで「すいません、ライス1つ」と追加注文していた。どういうこと?

なんだか荷造りが遅々として進まない。ベケット伝は、持っていこうかどうしようか。重いからなぁ。マクベス巡査にするかなー。でもあれはあれで、読み出したらとまらなくてきっと4日くらいで読み終わっちゃうからなぁ。


10/08/2007(月)

旅公演に出発する前の、最後の稽古。『ソウル市民』を通す。その後、荷物を搬出し、稽古場をきれいにそうじして、解散。

きのう買った毛糸を少し編んでみる。先日購入した編み物本に載っている花のモチーフつなぎ。1つ編んでみたが、本の写真とだいぶ感じがちがう。次に編んだのも、なんだか頼りない。3つめに編んだら、6つできるはずの花びらが5個になっちゃった。そこで、まるく編む中心のところの編み方を本で確認し(それまでいままでの経験に頼ってテキトーにやっていた)、それから、あぁそうだ編み目がゆるすぎるのかもしれないと思ってきつめに編み始めて、何目か編んだところで、これだ!という感じがした。カスタードクリームを作っていてサラサラの液体が粘度を持つ瞬間、かりんとうの砂糖衣が水っぽいべとべとからさらっと乾く瞬間。なんかそんな感じ。そしてその感じはあたっていて、今度はうまく編めた。

夜は、いえの人と「西洋の台所」というサブタイトルの居酒屋へ。初めて、チーズオムレツを頼んでみたけど、おいしかった。この店ははずれメニューがホントにないなぁ。

1960年代に入り、ベケットとシュザンヌは、大きなアパートに引越した。この頃になってもまだ二人がセックスしていたかどうかはわからないが、たぶんもうしていたなかったのではないか、とか書いてあるので、研究のためといえそういうことまで議論されてしまうとは、才能のある有名な人はたいへんだなぁと思った。死後に発表することが決まっていた伝記だからこそ書けたことかもしれない。とはいえ、私は、研究のためというより面白い小説を読むようにして読んでいるので、こういう記述があると、現実に引き戻されてなんだか落ち着かない。


10/07/2007(日)

『ソウル市民』の稽古が終わって、夕方、友と毛糸を買いに行く。駒場から下北沢まで、花の名前を教えあったり、空の写真を撮ったりしながら歩く。3人それぞれちがう花を知っているので、お互いいろいろとわかって面白かった。私が教えてあげたのは、キョウチクトウ、チョウセンアサガオ(でも後で調べたらエンジェルズトランペットだった)。私が教わったのは、萩、ハナミズキ(花が咲いてれば私もわかるんだけど、赤い実のついたいまの状態は、私はわかっていなかった)。毛糸を買って、お茶を飲んで、私はアゴラに戻り、ワークショップ研究会に参加。終了後、みんなで少し飲む。

ベケットは、検閲への抗議として、自作のアイルランド国内での上演を一切許可しない、という強硬な態度に出たのに、結婚でやめたエージェントがちゃんと引継ぎをしてなかったので新しいエージェントが上演許可を出しちゃってひと悶着。しっかりしてるんだかおおぼけなんだか、あいかわらずよくわからない。


10/06/2007(土)

まだベケットの伝記を読んでるの?と言われるけど、まだ読んでます。だって、ペーパーバックだけど厚さ5.5センチもあるんだよ、いまやっと半分くらい。ダブリン国際演劇祭で上演されるはずだった2作品(ジョイスの『ユリシーズ』を戯曲化したものと、ショーン・オケイシーの戯曲)がダブリンの大司教の反対のせいで上演取り消しになったことに怒りを感じ、そのときすでに自作のアイルランドでの上演願いに許可を出していたんだけれどもその許可を取り消した、というあたり。同じ頃、イングランドでも、ベケットの『勝負の終り』が検閲にひっかかって上演許可がなかなかおりなくて、ベケットとしては譲歩できる部分は譲歩して、でもぎりぎりここは譲れないというところでガンガンやりあっている。問題になっているのは、お祈りのシーンで、ハムがThe bastard! He doesn't exist!と言うところ。そこだけフランス語にしたらどうかというような意見もあったようだけど、ベケットは、観客の90%に通じないのでは意味がない、と言って頑としてはねつけている。最終案としてベケットが出したswineでOKが出て、ベケットは、「冒涜の言葉というのは微妙なものだ。自分だったら、bastardよりもswineのほうを屈辱的に感じる」と言っている(PP. 447-451)。

夜、『ソウル市民』稽古。終了後、友と連れだってギネスを1杯。


10/05/2007(金)

翻訳の仕事が1つ、一段落した。やれやれ。

『ゴドーを待ちながら』のヴラジミール役を打診されている有名俳優がベケットに、ポッツォの内面だとか履歴だとかを教えてくれと言ってきて、そういうことを教えてくれるなら役をやらないでもない的な態度だったようで、もうつきあっていられないと思ったベケットは、ポッツォについて自分が知っていることは全部テキストに書いたし、もっと知っていたとすればそれもテキストに書いたはずだ、ポッツォ以外の登場人物についてもそうだ、と答えている。かっこいいな。そしてさらに、「ゴドーにゴッド(神)の意味を持たせたかったのならば、ゴドーではなくゴッドにしたはずだ」と言ってその俳優をがっかりさせている(P. 412)。

1954年っていうから、今から50年以上前なんだなぁ。ベケット、かっこいい。


10/04/2007(木)

ベケットの伝記、まだ読んでます。ベケットって、『ゴドーを待ちながら』がパリで上演されて、ホントに急に有名になったんだねぇ。そして英語への翻訳権の件で交渉をしにきたアメリカ人女性と恋に落ちてる。「あのときのこと(仕事の話で数人で会って飲んだり食べたり街をさまよった)を、これからも何度も思い出すだろう。あのときのこと、ってつまりきみのことって意味だよ」とかさ、「ぼくを好きでいてほしい、でも好きになりすぎないで。ぼくにはそんな値打ちはない。きみを不幸にしてしまう。きみはぼくのことを知らない」とかさ(どちらもP. 399)。46歳なんだけど、なんなんだろこの初々しさのようなものは。この人かわいいと思うの半分、作家って怖いって思うの半分……。

きょうは、1日がかりでエイブル・アート・ジャパンの飛び石プロジェクトの稽古見学に行く。2チームあって、両方見せていただいた。『ソウル市民』『ソウル市民1919』の旅公演のため本番が見られないのが残念。

帰宅すると、アマゾンから本が届いていた。Hamish MacbethシリーズのDeath of a Dustman。旅公演はこれ持って行こうかなぁ。


10/03/2007(水)
注意:THE SHAMPOO HAT『その夜の侍』の内容に触れています。

12月の『ぷりずむてん』と、来年3月のあなざ事情団大阪公演『三人姉妹』と、来年2月のキラリ☆ふじみで創る芝居と、それぞれに関してあれやこれややりたいことやらなきゃいけないことがあって、なんだかものすごく忙しい感じの毎日になっている。後1週間で、伊丹・北九州の旅(『ソウル市民』『ソウル市民1919』)も始まるし。

きょうは、『ソウル市民』の自主通し稽古。「自主」というのは、演出家不在で俳優だけでやる稽古。

その後、印刷物作成や編集に詳しい人から話を聞く会があって、出席した。開催してくれた人たちの意図としては、デザイナーとかチラシ制作進行担当の立場から、チラシをつくるとき演劇制作サイドにこういうことはわかっていてほしい、こういうことを考えて仕事を進めてほしい、ということを伝えたかったようだった。私は、そういう当事者なわけではないんだけれど、チラシ作成の過程に興味があったので参加した。チラシのサイズ、紙質を決めるときに、予算とかもろもろの条件を考えに入れて決めるというのはわかっていたつもりだったけれど、「これを2,000枚折り込みに持っていくとき一人で運べる重さか?」「折り込んだときに束から落ちやすくないか?」「DM発送する際に封筒にちょうどよく入る大きさにたためるか?」というようなことまで考えて私は決めてましたよ、という話など、たいへん参考になった。

夜は、THE SHAMPOO HAT『その夜の侍』観劇。暴力的なシーンがあるらしいと聞いていた(私の苦手分野なので、心配した友だちが教えてくれた)ので半分心配しながら見ていたんだけれど、それはぜんぜん大丈夫だった。暴力でいえば、前回の『津田沼』のほうが私は見ててつらかったなぁ。

印象に残るシーンは数々あったけれど、私の号泣ポイントは、Love Me Tenderの流れる中、主役の赤堀さんがぼーっとしたような様子で舞台奥から客席方向にまっすぐ歩いてくるところだった。嗚咽が声に出ちゃいそうだったよ。ストーリーの展開ということもある、照明や音楽の美しさもある、でもドップリそれにつかって登場人物に共感してだけいるのかというとそうでもなくて、赤堀さんこんなに山の手事情社の安田さんに似てたっけ?なんても思ってるし、もちろん勝手に自分の人生に引き寄せて考えてることもないわけじゃない。それでもあそこは涙がとまらなかった。


10/02/2007(火)

『ゴド侍』の舞台写真をCoRich舞台芸術!にアップしました。そのうちあなざ事情団のホームページでばーんと一挙に公開しようと思ってるんだけど、とりあえず4点。

きのうのミーティングでここ数日のスケジュールがはっきりしたので、どの演劇をいつ見に行くかの計画を立て、予約を入れる。旅公演に出発する日まで、けっこう毎日なにかしら予定が入っちゃった。

『ソウル市民』自主稽古。次のツアーに向けてけっこうみんな新しい演技プランをぶつけてきていて、そのチャレンジャーぶりが頼もしい。そうだよね、攻めフォーエバー!


10/01/2007(月)

伊丹・北九州ツアーを前にして、『ソウル市民』『ソウル市民1919』稽古再開。旅のミーティングがあったり、衣裳の確認があったりでわたわたしながらも、稽古はぴっちり。帰りに友とカレー屋に寄ろうかと思ったら、あぁ月曜はバータイムお休みなんだった。また今度。


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