つれづれなる日々

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2010年5月の日々


05/31/2010(月)

バスで成田空港へ。めずらしく予定到着時刻より送れたけど、それでもほんの5、6分。バス、本当に便利だ。

読む本を持ってきていなかったので、空港の書店で、暮しの手帖と「グーグーだって猫である」(文庫、第3巻)を買う。乗る飛行機はKLM。「スカイブルーの機体がきれい」と友だちに指摘され、初めてその色が色として私の目に入ってきた。なんか、ヘレン・ケラーの「water」みたいだった。

アムステルダムで乗り換え。2時間ほどあり、免税店を見たり、アイリッシュパブでビールを飲んだり。あと2時間ほど飛行機にのってブカレストに着くのが現地時間の午後11時を過ぎる予定で、ブカレストで何も食べるものを調達できないかもしれないので、サンドイッチとポテトチップを購入。したのに、搭乗ゲートに入るときの荷物検査で機械から出てきた自分のバッグやらパソコンやら上着やら携帯電話やらをピックアップするのに忙しく、サンドイッチを入れた紙袋のことを私も夫も忘れていて、4、5分して戻って見てみたら、もうなくなっていた。しばらくショックでぼーっとしてしまったけれど、ここでダメージ受けてもなんもいいことないので、あらあらまぁまぁ、こんなこともあるよねぇ、みたいな気分にもっていこうと努力。だれかのお腹の足しになっててくれればいいんだけれど。

ブカレストに到着し、空港のすぐ近くのホテルにチェックインする。シャワーを浴びて、早々に就寝。


05/30/2010(日)

アゴラでツアーの荷造り。

終わって、東大カフェで作文の清書。まずはコピーした用紙に1回試しに書いてみるが、書いている途中で眠くなって、高校生のときの眠い授業のノートの字みたいになっちゃった。コーヒーを飲んで、本番に臨む。無事清書をすませることができた。

下北で旅の買い物をしてから、友だちと会ってごはん。帰宅して荷造り。明日からルーマニアツアーだ。


05/29/2010(土)

友だちの結婚式。夫は、照明も担当しているので、礼服を持って先に出発した。

きれいに装ってお出掛けするのって、私はけっこう好きです。去年イギリスで買ってきたパーティードレスっぽいのに、母が40年以上前に着ていたボレロを合わせて、やっぱり母のものだったキラキラしたクリスタルのペンダントをしてみた。靴は、ハイヒールにしようか迷ったけど、余興もやらなくちゃなので、黒のエナメル調のぺたんこ靴にした。

すごく良い披露宴だった。

終わって、1カ月ぶりくらいに会った友と渋谷で少しお茶してから帰宅。


05/28/2010(金)

『東京ノート』は、きょうは、通し稽古。その後、ルーマニアツアーのミーティング。

アゴラにて中野成樹+フランケン ズ『寝台特急“ 君の いるところ”号』観劇。

その後は、別の秘密の稽古。というか明日の友だちの結婚式披露宴の余興で寸劇をするのでその練習。
05/27/2010(木)

『東京ノート』は、自主通し稽古。

先日友に頼まれた件と、別の友に頼まれた作文を、深夜になんとか仕上げる。


05/26/2010(水)

昼間、『東京ノート』稽古。細かいところがきちっきちっときまっていくのは気持ちがいい。

稽古場で少し休んでから、プルヌスホールにてハイバイ『ヒッキー・カンクーントルネード』観劇。客席が2面で、まん中の角っこのところは最前列といってもけっこう奥まった感じだったので、その辺りに座る。平日の18:30開演のせいか、客席がほとんど、学生さんらしい若い人だった。

偶然会った友だちとご飯食べて、駅に行ったら次の電車は30分後だった。そうだった、深夜の淵野辺ってこんなふうだった!


05/25/2010(火)

アゴラで会った友人に、あの件どうよ?と言われる。こうこうだから手をつけてないと言うと、そうだと思った、でもできたらやってよ、と頼まれる。

『東京ノート』自主稽古。その後、通し稽古。通し稽古の見学に来た人の1人が11年前からニューヨークに住んでいるルーマニア人だった。ルーマニアの様子や観光スポットなどを皆でお聞きする。

夜は、東京に滞在中のフランスの友と飲んだ。


05/24/2010(月)

『東京ノート』稽古。家族のシーンを、通し稽古(明日)の前にやれて良かった。

友と夫と3人で駒場飲み。きょうは酔わないなぁと思っていたら、さぁ帰ろうと席を立った途端に酔いが回った。ちょっと気持ちが軽くなる程度だけれど。


05/23/2010(日)

プロフィール写真の撮影、声のサンプルの録音をする。サヤエンドウもらって帰る。

秘密企画の練習。

深夜、友人の英文添削をガッツリやる。ざっとでいいから見てほしいと言われたのに4時間も掛けてしまった。修行が足りない。それで翻訳スイッチが入り、続けて2時間ほど仕事する。朝になった。


05/22/2010(土)

今日の『東京ノート』は、アゴラの稽古場が使えなくて、スタジオ走り穂で。普段より小さな空間なので、見ている人の視線や表情が気になるようで、演技中の人がそれで笑ってしまって稽古がとまったりもした。

夜は自宅で、しょうがシロップらっきょう塩漬けに挑戦。


05/21/2010(金)

モモンガ・コンプレックス『ウォールフラワーズ』を見に淵野辺へ行った。


05/20/2010(木)

『東京ノート』タタキ2日め。主に、黒く塗ってあるものにウレタンニスを塗る作業をした。

夜は友人と会う。


05/19/2010(水)

チェルフィッチュ『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』観劇。原宿の街中なんてもう何年も、というかたぶん二十何年も行ってなくて、気後れするけど頑張って行った。ラフォーレミュージアムに入ると、「あ、ここ前に来たことがある」という感じが押し寄せてきたけど、それってたぶん1980年代のことなんだよね。

チェルフィッチュは、すごく面白かった。台詞が、繰り返すフレーズは確かにあるんだけど単純にループしているんじゃなく少しずつ前に進んでいくところが、「現代美術の映像作品に似て、でも現代美術の映像作品よりもまさっている」と思った。温度低そうに話が進むけど、「自分の送別会はどういう店(モツ鍋、中華、居酒屋など)でやってほしいかあらかじめ希望を言っておくようにしましょう」(ホットペッパー)とか、送別会に集まってくれた派遣仲間よりもここにいない総務のなんとかさんにいちばんの感謝の言葉を述べて終わる(お別れの挨拶)とか、切実に悲しい気持ちになった。また、「クーラー」の正社員男子のエロさは、その2人の会話を眺めている派遣社員3人がいたからこそ際立ったように思った。

「りょこーしょっきゃさい」(緑黄色野菜)という発音が、私は好きだった。台詞のしゃべり始めが必ず音楽先行で、俳優が音楽にあわせている(俳優と音楽で呼吸を合わせて始めるというのではなく)という点だけ、私は気になった(観劇後に当日パンフレットを読んだら、まさにそのように、つまり最初に音楽ありきでつくったということが書いてあり、つくり手の意図どおりであったことがわかったのだけれども)。

夜は、『東京ノート』自主稽古。


05/18/2010(火)

『東京ノート』のタタキ。というのは舞台装置をつくる作業。でも今回は、客席がない会場に客席を組むためのパーツを作るのが主な作業で、それも私なんかはあんまり木材を切ったり組み立てたりはうまくできないから、ベニヤ板に黒いパンチカーペットを貼るとか、客席用平台に黒い塗料を塗るとか、そういう仕事をした。

夜は渋谷で、3週間ぶりくらいに友だちとがっつり話す。チェルフィッチュの『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』は、スケジュールがあわなくて見れないとあきらめていたんだけど、明日まで公演があると聞き、見にいくことにする。


05/17/2010(月)

『東京ノート』今回初めての通し稽古。

夕方、10年ぶりくらいに行く美容室に行ったら、内装も美容師さんたちもむかしとまったく雰囲気がかわってなくて、といって「ひなびた」とか「なつかしい」というのではなくちゃんとかっこよく、なんだか不思議な感じがした。パーマをかけたかったんだけど、縮毛矯正をしてるから無理と言われ(やっぱりなぁ)、カットとカラーリングをしてもらった。

美容室では、そこにあった『ピカソ美術館』(集英社)第1巻をずっと読んでいた。「1 愛・生と死」という巻。背景が鮮やかな紫ピンクの、泣く女の絵が気になって、何度も何度もそのページを見た。写実的に描いてあるわけではないんだけれど、歯を喰いしばってハンカチをあてて鼻水を垂らして泣いている女にシンクロして、私も泣きそうだった。


05/16/2010(日)

新人ワークショップの課題発表を見学。「ゴドーを待ちながら」。前回の「ロミオとジュリエット」の発表のとき、面白かったのにただおもしろいおもしろいと手放しで見ちゃってだれがどういうことをやったのかほとんど覚えていなくてもったいなかったので、きょうは、だれがどういうゴドーをやったかメモを取りながら見た。9組あって、それぞれ目のつけどころがちがっていて、見飽きなかった。課題をクリアすることと面白い作品にすることのバランスがなかなかむずかしいようだった。


05/15/2010(土)

三条会のアトリエ公演を見にいった。

夜中、ファミレスで2時間ほど、秘密プロジェクトについて、うんうん言って考える。


05/14/2010(金)

きょうは稽古が休み。ご飯食べて寝て起きて洗濯してご飯。そして夜中は、眠れない。


05/13/2010(木)

夜、『東京ノート』稽古。この作品には秋山家の兄弟姉妹が5人出てくる。配偶者も2人出てくる。秋山家総勢7名だ。そのうち3人が今回新キャストで、稽古の雰囲気も演技の雰囲気も少しずつ新しい。それで楽しくなったり、逆に自分の台詞を言うのに精一杯だったりして、ときどき場のテンションがあがりすぎたりする。それを微調整しながらみんなでシーンをつくっていくのが、新鮮で面白い。

Death of a Nag読了。一堂に会した容疑者を前に謎解きするラストが少し都合よすぎると思うけれど、それぞれの登場人物が何かしら隠していたりうそをついていたりしてなかなかヘイミッシュの推理が先に進まないという全体の感じがなかなか面白かった。


05/12/2010(水)

散歩を楽しむのにぴったりの良い天気だけど、午後、事務のバイトに行く。

バイトが一緒だった友は、その後『東京ノート』の稽古に向かった。私はきょうは稽古がない(きょう初めてバイトで一緒になったほかの劇団の人に「うちは、自分の出番がないときは稽古に行かなくていいんです」と説明したら「それはいいですねぇ!」と言われた)ので帰宅。

バイト中にちょっと見たリズ・ラーマンのクリティカル・レスポンス・プロセスというのに興味をひかれ、少し調べる。もともとダンスの相互批評とかのために考え出されたシステムとのこと。話す内容を4段階に分けて行なうこと、アーティスト、意見を言う人たち、の他にファシリテーターを置くことがポイントなんだと思う。この資料きちんと読んでおきたい。


05/11/2010(火)

『東京ノート』の稽古の後、『革命日記』受付。新人の人たちの顔と名前が、やっと少しずつわかってきた。

お腹のすいてる人やお腹はすいてないけどビールが飲みたい人たちと、飲んだり食べたりしてから帰宅。


05/10/2010(月)

10時開始のはずの稽古が12時からに変更になり、二度寝。きょうの稽古は、4場。

夕方から新人ワークショップを見学し、その後アートマネジメントについてのレクチャーを聞く。


05/09/2010(日)

朝からまた温泉に入り、部屋でゆっくり朝食をとり、チェックアウト。箱根彫刻の森美術館へ。11時頃に着いて、結局17時の閉館間際まで、野外の作品を見て回ったり、ピカソ館など室内の展示も見て回ったり、ご飯を食べたり、ミュージアムショップを見て回ったりして過ごした。去年まで私は、絵画を見るのは好きだけど彫刻にはそんなに興味がなかった。でも今年になってから、彫刻を見るのも楽しくなってきている。

彫刻の森美術館は、私はきょう初めて来たけれど、見るものがたくさんあるし、自然に囲まれてるし、また来たいと思った。きょうは天気が良かったけれど、冬とか小雨のときとかにも来てみたい。最後に見た、高橋信雅の美術館40周年記念の壁画というか白い部屋の全面が絵になってる作品も面白かった。最初はあまり好きな絵柄じゃないなぁと思って見ていたのに、だんだんと描き込まれている詳細(野外彫刻とか、箱根湯本の駅前の様子とか、フジテレビのビルとか)が目に入ってきて、見飽きなかった。

町田のアイリッシュパブで少し飲んで帰宅。ずいぶん歩いたので、足腰が痛い。


05/08/2010(土)

「おとといメールした件どうでしょうか」と友からメール。探したけれど元のメールが見つからない。とりあえず友が送って欲しがってるらしいファイルを送り、メールについては再送をお願いする。

そして夫婦で箱根に向かう。天気もよく、つつじや藤や石垣の草花や、とにかく花や緑の色彩が鮮やか。ネットで探して予約した旅館は、高度経済成長期に建て増しを繰り返したのかな、古いけれど広く気持ちのいい部屋で、山を眺めながら入る温泉もなかなかよく、部屋でゆっくり夕食を食べて、休日らしい休日を過ごす。


05/07/2010(金)

朝10時から『東京ノート』稽古。

夜は『革命日記』受付。


05/06/2010(木)

アマゾンに注文していたミステリ2冊届く。すぐにでも読み始めたいけれど、このシリーズ(Hamish Macbeth Murder Mysteries)は読み始めるととまらなくなるからなぁ。

夜、『東京ノート』稽古。1場冒頭から。「たっぷりやって」と言われたところをがんばってやったら「力を入れるんじゃなくて」とダメ出しされた。

夜中、Death of a Nagを読み始める。導入部での、シリーズの背景の説明がうまい。ただし、P. 2に前作Death of a Charming Manのネタバレがあるので、味読の人は要注意だ。今回の登場人物の描き方もとてもじょうずで、先へ先へと読み進めたくなるが、これ以上読むと殺人事件が起きて途中でやめられなくなるから、がまんしてやめておく。


05/05/2010(水)

『革命日記』の受付を手伝う。観劇もする。

夜は、日本の近現代演劇史についてのレクチャーを聞く。


05/04/2010(火)

昼から、きのうの続きのアートマネジメントのレクチャーを聞く。社会包摂(social inclusion)という言葉を知る。新人ワークショップの課題発表(『北限の猿』の台詞を使ったもの)も見学。

夜は、青年団の全員が集まる、全体ミーティング。休演日のアゴラ劇場の客席が、劇団員でいっぱいに。


05/03/2010(月)

今年青年団は3年ぶりに新人が入り、その新人の人たちはいま平田オリザのワークショップやレクチャーを受けている。ワークショップでは、課題が出て、それに応じてグループに分かれて自分たちで創作し、発表する。というのを何度か繰り返すようで、きょうは『ロミオとジュリエット』の発表があるというので朝からアゴラに見学に行った。「愛し合っているのに何かにはばまれる二人」のいろんなパターンが繰り広げられる。15組くらいあり壮観。

午後は、現代演劇についてとアートマネジメントについてのレクチャーを新人の人たちと一緒に聞く。

夜は、6〜7月の『東京ノート』公演に関するミーティング。の後、台本の読み合わせ。『東京ノート』は私は1994年の初演時からずっと同じ役をやっていて、台詞なんてもう完全に頭に入ってるので、最近は稽古のときでもあんまり台本を見ない。読み合わせってって台本を見ながら自分の台詞を声に出して言うのって、ものすごく新鮮だった。台詞を覚えちゃってるから台本を見なくてもいい、というものではない。台本を読むことでまた新しい発見があったりする。ということがわかった。


05/02/2010(日)

渡辺源四郎商店『ヤナギダアキラ最期の日』をスズナリにて観劇。渡辺源四郎商店を見るのはずいぶん久しぶりだった。開演前、舞台正面の抽象画のようなものがものすごく気になる。いつかどこかの美術館で見た抽象画(なのに暗い海辺の風景に見えた絵)と、印象が重なる。たぶんでもこれは私の脳内でそういうふうにリンクしてるだけで、2枚並べて見ても似てるわけじゃないんだと思う。

「この人はだれ?」「これからどうなる?」という興味で終盤まで飽きずに見る。そして、舞台上で涙を流しながら語っている登場人物にすっかり感情移入している自分に気づき、演劇の力ということについて考える。荒唐無稽といえば荒唐無稽、矛盾がないわけではない話なのに「うそぉ」と気持ちが引いてしまわずひきこまれて見ちゃうのは、前半の十和田湖の乙女の像の話とか人類絶滅後の世界の話とかがストーリーをうまく援護射撃して全体のトーンをつくっているからなんだなぁ、とか。

終演後は友と初サシ飲み。


05/01/2010(土)

急に入った翻訳1件。字数制限があっててこずる。

夜は、アゴラで「革命日記」ゲネプロ観劇。基本的に私の知ってる俳優ばかりなんだけど(同じ劇団だしね)、今まで見たことない系のものがいろいろ見られて興味深かった。


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