つれづれなる日々

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2006年6月の日々

おとうさん


06/30/2006(金)

17:30の集合まで、フリーな1日。いつもの食堂で第1食を食べ、電車で1駅のところにあるショッピングモールに行ってみた。私はバティックのブラウスを1枚買ったけれど、いえの人はあまり見るところがなかった模様。スタバで待ち合わせていったんホテルに戻る。夕食は、また同じ食堂に行って奥のセルフサービスコーナーで発泡容器にご飯とおかずを詰め、テイクアウトする。野菜2種類と魚唐揚げ。

きょうの客席は、リラックスした雰囲気。みんな自分の好きなところで勝手にクスクス笑っていた。終演後の拍手、なかなか鳴りやまず。


06/29/2006(木)

午後ゲネプロ。その後、明日ジャカルタに出発する先発隊が持っていく荷物と後発で本隊が持っていく荷物を分ける作業。夕飯を食べて、8:30開演でクアラルンプール初日。少し空席があるのが残念だったけれど、笑ったり、泣いたり、割と反応のはっきりしたお客様だった。終演後、アフタートーク。司会の人が、オリザの説明を聞いている自分が劇中レンズの説明を聞いていた女の人と重なるような気がする、と途中で感想を言っていたのが興味深かった。たしかに、青年団の公演を見た後って、なんかそんな感じになる。いつもと同じようにお茶を飲んで話したり、電車に乗ったりしてるのに、それがさっき見た演劇の続きみたいな気がしてくる。

美術チーム(明日ジャカルタに行く)と劇場スタッフの飲みに、いえの人と私も合流し、屋台でおいしい中華とビール。


06/28/2006(水)

また同じ食堂で朝食。店のおばさんに、『東京ノート』クアラルンプール公演の宣伝のポストカードを渡す。

午前中、舞台装置の続き。私は「ヤシの実に布を掛けて、木から吊す」というオブジェのチームだったんだけど、美術家(各チームリーダーのアイディアを活かしながら全体のデザインに最終的に責任を持つ人)から木もヤシの実も全部なしにすると言われ、がっかりはがっかりだったけど、たしかに舞台全体が過剰な感じになってるもんなー、これじゃ美術館のロビーじゃなくて展示室だもんなー、と納得。とにかく全部バラす。あらためてヤシの実を1個だけ吊すことになり、じゃぁもうこの木の枝は要らないんだね、片づけようか、となったら美術家が、いや、これはいい形だしできれば使いたいんだよね、たとえばこんなふうに、と壁から床面に向かって(下向きに)伸びているような形(熊手みたいだった)を提示してきた。そこからすぅっとすべてがうまく動き始め、きのうのごちゃつき方とはうってかわってシンプルな、力のあるデザインが生まれていった。みんなでアイディアを出し合うことのおもしろさ、危うさ、よいデザインの強さ、といったことを考えさせられた。

ヤシの実に針金をぐるぐる螺旋状に巻き付けて、上からワイヤーで吊り下げられるようにする、という細工をきのう私はやっていたんだけど、それで勢いがついちゃったというか、もっとなにか針金で作りたくなっちゃって、カードスタンドを作って美術家に見せてみた。美術館のロビーだし、ポストカード展示されてるし、こんなのどうですか? 「これ、あと2つ」と注文が来た! かくして私の作った針金カードスタンドが3つ、舞台上に並ぶことになった。

夕方から、場当たり。劇場の2階部分も美術館の回廊に見立てて使うことになったので(いままでの公演で何度かやったことのある方式である)、だれがいつどこをどう通るかということを演出家の指示で決めながら進めていく。11時前に終了。


06/27/2006(火)

朝御飯をどうするか(バンコクのホテルは朝食付きだったけど、ここクアラルンプールで泊まってるとこは朝食が別会計)。まずホテルの朝食会場に行ってみる。「朝食、いくらですか?」「60リンギットです」1マレーシア・リンギットは30円、ということは1,800円ですか!? ホテルで食べるのはやめて、外に出てみた。きのうの午後行った食堂が営業している。お店のおばさんと目も合ったし、入ってみるか。さて何を頼もうかと壁のメニューを見ていると、おばさんが「朝は、セルフサービスの朝食だけだよ」と教えてくれる。店の奥に、ご飯とかカレーとか麺とか魚や鳥の唐揚げとか並んでいて、好きなものを取るようになってる。私はご飯と卵フライ(油で揚げたポーチドエッグという感じのもの)、魚の唐揚げ、いえの人はご飯とカレーを取った。飲み物も頼んで、2人で10リンギット。おいしいし安いし、大変満足しました。

きょうは仕込み。普通、青年団の舞台の仕込みってったら、仕込む部品がすでに作ってあって、舞台図面通りにそれを組み立てて建て込んでいく、という作業なんだけど、今回のツアーはちょっとちがう。美術家チームがそれぞれの国で「これだ!」と思う素材やアイディアを見つけ出し、試行錯誤しながらそれを舞台セットとして形にしていくという方法をとっている。タイでは、秀逸なデザインの(でもタイではごく普通に使われている)ほうきと竹を中心にしたセットだった。マレーシアでは、ココヤシの実、バナナの葉、ジャックフルーツなどさまざまな木や植物、ゴムホース、赤土、きらびやかな布、中国寺院の渦巻き線香、莢が螺旋を描いている豆などを使うという。スタッフ、キャストの全員が、上手手前でゴムを使ったオブジェを作るチーム、上手奥で畳表のようなござでパネル様のものを作成するチーム、舞台中央奥で金属の皿と木材を組み合わせるチーム、下手奥で駕籠と螺旋線香を使うチーム、下手手前で木とヤシの実と布を組み合わせるチームに別れ、チームリーダー(本隊より2日前にクアラルンプール入りし、アイディアや素材を集めていた)の意図に沿いながら自分はこうしたいというような意見も言いつつ、あーでもないこーでもないとセットを作っていった。効率的な「仕込み」ではなく、これは「ワークショップ」だね。最終的にどんな形になるのかさっぱりわからなかったけれど、やっていてとても充実感があった。楽しかった。


06/26/2006(月)

朝4:30に起きて出発準備。夜のうちに荷造りできる分は夜のうちに荷造りしておいたので、スムーズ。ナイトマーケットで買った綿シャツを着る。

ホテルのロビーに座っていたら、どうもおでこのまんなかを蚊に喰われた。

遅刻した人や忘れ物をした人があって少しばたついたけれど、予定に遅れることなく空港着。お世話になった現地主催者の方々に別れを告げ、空路クアラルンプールへ。機内食は出ないだろうとの予想に反し、しっかりした食事が出た。

クアラルンプールは、バンコクほど湿気がなく、暑いは暑いけれど風があってさわやかに感じた。まず劇場に向かい、数日前から先乗りしている舞台美術チームと合流。劇団の荷物を搬入。夜まで作業するという美術チームと別れ、われわれ本隊はホテルへ。きょうはここで解散。

部屋でさっそく洗濯。ここは乾きが早そうだ。

夕方いえの人と食事に出掛ける。ホテルのすぐ前に食堂が並んだ通りがあり、マレー料理の店に入る。タイはタイ文字が読めないので食堂でも駅でもなにが書いてあるのかさっぱりわからなかったけれど、マレーシアはアルファベット表記だからメニューを読むことができる(意味はわからないわけだけど。でも音から予測をつけることもできるし。)ので、ずいぶん気楽な感じだ。ナシゴレンの種類が10以上あり、私は塩をした魚のナシゴレン、いえの人は卵ののったナシゴレンを注文。「ナシゴレン○○」と後ろに国名がつくものもある。「ナシゴレンイラク」「ナシゴレンチャイナ」「ナシゴレンUSA」など。どんなんだか試しに頼んでみたいような気もする。

同じ並びにコンビニもあり、ビールを無事購入。イスラム国なのでお酒が手にはいるかどうかちょっと心配だったんだけど。

部屋で、荷とき、昼寝、メール送受信などして、作業の終わった先発隊のミーティング兼食事に合流する。ホテルの向かいの海鮮中華。夕方行った食堂もこの中華の店も、開け放してあって、外の風が入るのが気持ちよかった。さらにあちこち蚊に刺された。食事は、おいしかった。


06/25/2006(日)

「きのうも公演見て、きょうも見に来たんだ」という人にあった。シドニーの人。いまはバンコクの大学で演出をしているとのこと。すごくよかったと誉めてくれた。

きょうは、押さずにほぼ定刻で開演。きょうのお客様が、最初のうちこの3回でいちばん静かだった。でも、どっと一度に笑わないだけで、あっちでくすくすこっちでくすくすしている客席。

終演後、バラシ。バラシ自体はそれほど大変ではなかったけれど、その後荷物を階段で全部1階までおろすのが体力が要った。まぁ、きのう買ったスカートをはくためのエクササイズだと思ってがんばった。

夜は、タイ料理店で現地主催者の方々とフェアウェルパーティー。その後、何人かで再度ルンビニナイトバザールへ。きょうで連続3日めという人もいた。私は、「大きいサイズのかわいい服」の店だとガイドブックに書いてあった店舗をめざす。ところが行ってみたら、たしかに大きいサイズの服の店なんだけど、アメリカとかで普通に買える服ばかり。しかも私にはちょっと大きすぎるものが多い。もっと、タイらしいものがあるのかと思っていたので、がっかり。

結局あちこちあてもなくぶらぶらと店を見て、ビーズのバッグ(ビーズは最近の私の弱点。3月にスロベニアでも買ったのに...)、タイ式のパンツ(長ズボン)、インドっぽいブラウスを購入。途中で見たアートっぽい店には「目が血走って牙のとがったドラえもん」のぬいぐるみがあったけど、いいんだろうか、あんなもの作って売って?

とにかく、きのうきょうで私の買い物欲はだいぶ満たされました。夏物で薄いから、スーツケースにも無事収まったし。よかった、よかった。

あすは、マレーシアに移動。


06/24/2006(土)

マチネ公演なので、昼前に集合。大学に着くと、きのうまでと様子がちがう。花束を持った人がたくさんいるし、花屋の屋台もたくさん出ている。白地にきんきらきんの飾りのついたガウンを着た学生たちは、卒業式か? そういえば学生の親のような人たちの姿も見える。そして劇場のある建物は、周りに紐が張られて、立入禁止になっていた! まぁ、紐くぐって入るんだけど、私たちは。そこら辺ではお揃いのTシャツを着たチームがいくつか、なにかの振り付けを練習している。青年団の喫煙者がいつもタバコを吸っている、建物裏のスペースでは、学生たちが料理をしている。とにかくキャンパス全体がそわそわした感じ。通訳の方に聞いたら、新入生の歓迎のなんかと卒業式、とのこと。

開演予定時間の20分前くらいに雨が降り始め、雨音はものすごいし、雷は鳴ってるしで、勢いのおさまるまで開演を押す。きょうも満員のお客様。

終演後、平田オリザのアフタートーク。会場から質問が次々と出る。

いえの人とサイアム辺りまで歩いていく。デパート内のタイ料理店で食事にしたが、私の頼んだ物が30分くらい出てこなかった。伝票が風で飛んだらしい。私はお腹が空くと悲しく不機嫌になるのでいえの人は心配そうだったが、なんとか我慢できて、出てきた料理自体がおいしかったので、まぁ良しとします。それからめあてのサイアムパラゴンに行ったんだけど、広いし寒いしなにか見ようとするとすぐ店員が寄ってくるしで、買い物心くすぐられず。おもちゃ・文房具のコーナーにあった、タイ文字のソフトブロック(お風呂の洗い場に敷くヤツみたいな素材)がちょっと欲しかったけど、かさばるのでやめた。

その後、おいしい海鮮中華を食べる人たちに合流。食後、女子3名でナイトマーケットに向かう。夜やっている市場ってことですね。12時には閉まってしまうそうですが。

タクシーに乗ってしばらくすると運転手さんがなんだか話しかけてきて、よくよく聞くと「マイドンシ」あれ、これは中国語?「マイドンシ? ショッピング? イエース、イエース」とか答えると、「ルンビニなんとかかんとかピャオリャン」と言う。え?きれいなとこだってこと?「ピャオリャン? ビューティフル?」と言うとそうだと言う。へー、とか言ってまたしばらく女子3人で話していたら、運転手さん「ユージャパニーズ? オウ、ソーリーソーリー」だって。私は運転手さんが中国系なのかと思ってたんだけど、そうじゃなくて、私たちのことを中国人だと思ってわざわざ中国語で話しかけてきたんでした。

それでとにかくルンビニナイトバザールという夜12時までやっているお店群に行き、じゃぁここで1時間後と待ち合わせ場所を決めてそれぞれ買い物に散る。スカーフ、土産物、バッグ、Tシャツなどを売っている小さな店が行けども行けどもある。服も、タイっぽいものやら普通のカットソーのカジュアルやら、とにかく行けども行けどもある。私は、かぶるタイプの黒い半袖シャツ(たぶん男物だと思う)と、パッチワークのバッグ、パッチワークのスカートを買った。スカートは、渦巻きのように斜めに布をはいであるフレアー。試着してみてお腹周りがきつきつだったので(お店の人は大丈夫大丈夫、はけるはけると言うんだけど)「やめとく」と一旦は店を出たんだけど、一緒に行った友にたまたま行きあって、「ほら、あのスカート買おうと思ったんだけど買わなかったんだ」と説明したら猛然と欲しくなっちゃって、やっぱり買っちゃった。お店の人は、「大丈夫、さっきはズボンをはいていたからきつかったんで、ズボン脱いだら大丈夫、ダメだったらちょっと1時間走るとか、ちょっとエクササイズすれば大丈夫」と言っていた。

再集合してお互いの買った物を見せあったら、3人とも「あんたそれ前から持ってるでしょ?」と言いたくなるようなその人らしい物ばかり買っていて、おかしかった。


06/23/2006(金)

きょうの集合は13時。ゆっくり朝食を食べて、午前中は部屋でだらだらする。

午後、稽古。空調をつけっぱなしにするし、外ではきょうも学生さんたちがいろいろとやってるかもしれないとのことで、全体に少し声を大きくするよう指示あり。

19時開演でツアー最初の公演。冒頭は遅れてくる人がいたりして多少客席が落ち着かなかったけれど、満員のお客様がおおむね非常に熱心に見てくれている感じだった。

夜は、ホテルの近くの海鮮中華にまた行った。こないだ隣のテーブルの人が食べていておいしそうだったディープフライドトウフを注文。厚揚げみたいなものかなと思ったら、外側がカリッカリで、意外な食感だった。青ネギのいっぱい入った塩味の熱いたれにつけて食べる。予想外のおいしさ。頼んでよかった!


06/22/2006(木)

朝はきのうよりゆっくりで、10時ホテル発。11時過ぎから場当たり開始。途中昼食をはさんで、17時過ぎまで。夜ご飯は、お弁当。その後、ゲネプロ。おもてで学生がバンド演奏したりみんなで声あわせて歌ったりする声が、ずっとしていた。学園祭?の準備?

夜は出掛けず、コンビニでビールを買って部屋飲み。


06/21/2006(水)

朝から仕込み。先発隊がすでに作製してあったセット類を、劇場に搬入する。タタキ場は1階、劇場は3階で、階段ののぼりおりだけで相当消耗した。普段の運動不足を反省。

照明は、当初、日本と現地の照明スタッフだけで仕込む予定だったんだけど、レンタル機材の到着が遅れたりなんだりあって、俳優で照明班のナホと私も照明仕込みを手伝った。

舞台美術は、今回、それぞれの国で先乗りして作るという作戦。材料も現地で調達できるものを積極的に使う。タイでは、竹と箒を使ったオブジェ(美術館のロビーという設定)が舞台上に出現した。出現したというか、デザイナーの指導のもと、私なんかも手伝って、竹や箒を連結しながら形作っていった。「舞台仕込み」なのに「ワークショップ」の要素があり、創造的な楽しさがあった。

食事は、朝はホテルのバイキング。昼は、大学(今回、チュラロンコーン大学内の劇場での公演です)の学食。これが、風通しのいい、テラスのような建物に、麺だとかタイのご飯だとか中華だとかの店が並んでいて、好きな物を選んで買ってきてテーブルで食べるという、フードコートタイプなんだけど、安くて(1食20バーツくらい)、バラエティに富んでいて、毎日でも飽きないと思う。夜は、きょうは、ホテルの近くの中華に行った。いえの人がこないだツアーの下見に来たときに入っておいしかったという海鮮中華。ムール貝を卵でとじたような料理(メニューの写真の印象)を頼んだら、ムール貝はなくて牡蠣ならあるというので、牡蠣バージョンに変更。ふっくらジューシーな具がたくさん入ったいちばん表面が卵と粉(だと思う)で覆われてカリカリしていて、たいへんおいしかった。


06/20/2006(火)

結局1.5時間寝ただけで起床。最終的に荷造りをすませ、バスで空港に向かう。こないだ空港についてからご飯を食べたら、機内食が出るときにまだお腹がすかなくて食べられなかったので、きょうはコンビニで買ったおにぎりをバスの中で食べた。

遅れる人もなく無事全員集合し、タイへ。機内食は「和食と洋食とどちらになさいますか?」と聞いてきたけど、メインが和食は牛肉と山菜おこわ、和食はチキンとサフランライスで、後の付け合わせはどちらも同じ、そしてどちらにもパンやバターがついてた。これは和食か洋食かというよりも、ビーフとチキンとどちらがいいかということなのではないかと思った。もしかして、ビーフの売れすぎを防ぎたかったのか?

タイは、聞いていたとおりの湿気と暑さ。そして車内や室内は、これまた聞いていたとおりに冷房がギンギン。空港からホテルまでバスに乗ったんだけど、降りたとき眼鏡をかけている人は眼鏡が曇っていた。

夜はウェルカムパーティとのことで、タイスキの店へ。茶こし様のものに自分の分の具を入れて、自分の好きなときに引き上げて食べるというシステムで、もうちょっと煮てから食べようと思ったものを他の人に横取りされるというようなナベにありがちな危険がなく、心穏やかに食べられるところが気に入った。食べ物自体もおいしかった。特に、葉っぱ類の種類が多くいろんな味がするのが楽しかった。


06/19/2006(月)

ツアー直前ミーティング。主に荷物の割り振り等。その後オリザにマレーシアの雑誌の取材があり、英語通訳。やはりマレーシアの劇場内はすごく寒いらしい。

旅前の雑用がいろいろ。お金をおろす→常備薬を買う→コンタクトレンズ(2週間使い捨て)を買う、というのを30分ほどで効率よくすませ、春風舎へ。文学座との交流シリーズの総打ち上げ。自分で出演はしていなかったんだけど、全部の作品を見たし、次回は参加したいし、ということできょうは来ました、ということを会う人会う人に説明する。文学座のかたがたともお話しできてよかった。

帰宅して、きのうから始めていた荷造りを再開するも、なんだかなかなかはかどらず、もう、後は明日とあきらめて、2時過ぎ就寝。うとうとしていて、「あ、カーディガンを入れ忘れた」と気づくが身体が起きあがれず、「朝忘れずに入れよう」と思いながら眠りにつく。


06/18/2006(日)

明後日から『東京ノート』の東南アジアツアーに行くので、そのあいだに公演があって見に行けない兵藤公美さんの自主企画『立つ女』の通し稽古をきのう見せてもらい、すごくよくて、すごいなー、えらいなー、よくやったなー、くやしいなー(私もやりたい……)と思った。きょうは同じく五反田団の『びんぼう君』の稽古を見せてもらい、あぁー本番がすごい楽しみ、見れなくてすごく残念と思った。私も、来年は、あなざ事情団の公演をやりたい。


06/17/2006(土)
注意:エンタープライズ第39話『熱き夜明け』のネタバレがあります。

エンタープライズ第2シーズンのDawn(熱き夜明け)をDVDで見た。ここんとこ見ているエンタープライズのエピソード(第2シーズン前半)は、前のシリーズのあれを下敷きにしたでしょ?ああいうのがやりたかったんでしょ?というのが透けて見えるものが多い気がする。この話も、TNGのDarmok(謎のタマリアン星人)に酷似している。でも、似ているからダメというわけでもなく、これはこれでなかなか面白い話だった。

巨大ガス星の衛星に、それぞれの小型船で不時着したタッカー少佐と異星人。なんとか通信装置を直して母船に連絡するためには、相手の協力が必要だ。言葉はわからないし、そもそもいきなり攻撃してきた異星人だし、二人はなかなかわかりあえない。心が通いあったようにみえても、実はまだ信頼が確立されてなくて、すぐに暴力に戻ってしまう。簡単にわかりあえないところが、もどかしいけれど、そこがとても本当らしいし、簡単でないからこそやっと二人がわかりあえたときの感動が大きい。

ただ、問題だと思うのは、日本語音声や、日本語字幕で見ていると、この感動にいきつかないことだ。上に書いたように、言葉のわからない異星人とどうやってわかりあうかという過程がこのエピソードの大きなポイントで、最初はチンプンカンプンだった言葉がだんだんわかってくるところをタッカー少佐と一緒に体験するからこその感動なんだけど、日本語音声や日本語字幕だと、異星人の言葉の日本語訳が随時画面上に表示されるんだ、これが(英語音声や英語字幕では、異星人語はまったく表示されていない)。

最初、「英語音声・日本語字幕」で見ていたんだけど、途中で、どうも異星人の言葉を観客が理解していないことを前提にして作ってるんじゃないかという気がして(タッカー少佐の台詞がちょっと説明的に思えた。演劇での、相手の声の聞こえない電話の会話みたいな感じ)、「英語音声・英語字幕」「英語音声・字幕なし」「日本語音声・字幕なし」などいろいろ試してみて、英語では出ない字幕が日本語の場合に出ていることを確認した次第。

VGRのNemesis(ヴォリ第4防衛隊)やTNGのDarmok(謎のタマリアン星人)のように英語音声で見ないと言葉そのもののニュアンスがよくわからないエピソードというのはいままでにもあったけれど、Dawnは(放映時はどうだったかわからないけれどDVDでは)日本語字幕もオフにしておかないと、タッカー少佐と異星人がしだいに相手を理解していく過程が見えてこない。少なくとも、タッカー少佐の立場から体験することができない。なんで異星人の言語に日本語字幕付けちゃったんだろう? 非常に疑問。非常に不満。


06/16/2006(金)

昼夜逆転。

きのう便利だったワードの機能だけど、ウェブ検索して設定のしかたがわかったよ。[ツール]→[変更履歴の作成]→[変更箇所の表示]と行って、[編集中に変更箇所を記録する]をオンにする、と。忘れないようにここに書いておきます。

きのうネイティブチェックした文章の中の引用部分が非常に難解だったので、元の英文を送ってもらって私なりの日本語訳を作った。あと、もう1本短いののネイティブチェックをした。てにをはのまちがいを迷いなくどんどん直す自分のことを、「あぁ、私は日本語のネイティブユーザーなんだなー」と、なんだかひとごとのように、思ったことであった。


06/15/2006(木)

歯医者。きょうでインプラント2本入れたところの治療はおしまい。次回からはその前の歯(グラグラしてきて、歯根治療のやり直しになった)をやるそうです。

スピーチ原稿のネイティブチェックを友だちに頼まれていて、というかあなたにとって興味深い内容だと思うから目を通すだけでもお願いと言われただけなんだけど、ついつい校正魂が。結局結構直してしまった。ワードファイルで来たので、めんどくさいなぁと最初思った(普段ワープロを使わないので)けど、なんかよく知らないけれど文章を書いたり消したりして練り上げるためのモードかなんかになっているらしくて、元の原稿を消すと削除されず一本線が入って「ここは削除した」というふうに表示されるし、私が追加した部分も他と区別がつくようになっているし、コメントはコメントで書き込めるし、あぁこれはだれかに校正をお願いするときとかに便利だなーと思った。ワードでもなんでも、毛嫌いしてないで使ってみるべきかもしれない。


06/14/2006(水)

最近、エンタープライズをDVDで見ている。第1シーズンの分を昨日で見終わって、きょうから第2シーズン。第1シーズン後半になってがぜんおもしろくなってきたと思っていたら、第2シーズンのはじめのほうは、またなんだかつまらなくなっていた。艦隊の誓い(内政不干渉)が確立される前の22世紀において異文化とどう接していくかということで悩んだり苦しんだりするところが気に入っていたのに、第2シーズンになったら、自分の価値観で「悪」と思ったものを容赦なく滅ぼすようになっちゃった。一時期のジェインウェイ艦長みたいだ。迷いがなさすぎる。


06/13/2006(火)

きょうこそ読みかけのミステリーを持って電車に乗る。きょうは歯医者へ。インプラント入れた部分の石膏模型(いや、模型じゃないんだろうけれど)――インプラントのヘッドを入れた状態で型をとったもの――を、「差し上げます」とのことでいただいてきた。どうしよう、これ。飾っとこうか。

本は、無事に読み終わった。M.C.Beaton著のHamish MacBeth Mysteriesの1冊。ロバート・カーライル主演のTV番組『マクベス巡査』(Hamish MacBeth)が好きなので、その元になったという本のほうも読んでおこうと思ってこのシリーズを読み始めたんだけど、本のマクベスも面白いね。TV番組は原作とほとんど関連性がないけれど。

20冊とかあるらしいシリーズで、手に入ったヤツから読んでるので、時系列がメチャクチャ。事件自体は1話完結なので別にいいんだけど、タウザー(ヘイミッシュの犬)が死んだ後だったりまだ生きてたり、ヘイミッシュがプリシラと別れた後だったりつきあう前だったり、といった具合。読み始めた頃はTV番組の登場人物の顔が思い浮かんでばかりいたけど、もう6冊くらい読んだかな、いまではTVとは別のヘイミッシュやプリシラのイメージが私の中で生まれてきてる。


06/12/2006(月)

片道1時間半近く電車に乗るので、読みかけのミステリーを読み進めるいいチャンスと思って、座れたしさて読むぞとバッグから取り出してみたら、こないだ2冊買ったうちのもう読み終わったほうを持ってきちゃっていた! なんて間抜け。

そんなに電車に乗ってどこに行ったかというと、美容室に行ったのである。『東京ノート』に向けて。
「きれいなOL、でお願いします」
と言ったら、
「魔法使いじゃないからさぁ。無理」
と言われた。

掲示板再設置に四苦八苦。いえの人に韓国語表示ができるようにしてもらって、なんとか元のような掲示板になった。今度こそ、忘れずにファイルをローカルにコピーしておいた。


06/11/2006(日)

スパムフィルターのファイルを更新しようとして、間違えて掲示板本体のファイルに上書きしてしまった。「上書きしていいの?」とか聞かれて、ファイル名も画面上に表示されていたのに、ポンポンと機械的にOKしてしまった自分のバカ、バカバカバカ(いえの人が、とりあえず昔のファイルを復旧してくれた)。


06/10/2006(土)

『東京ノート』東南アジアツアーに向けて、何人かが担当して字幕作成作業をしている。私はタイ語担当で、といってもタイ語は文字も読めないので、英語の台詞から翻訳したタイ語の台詞を、コピーペーストで字幕用のファイルに貼りつけていくのみ。きょうもその作業をした。あと少しで終わりそうなんだけど、なかなか進まず。

夕方から、ツアーの荷物のミーティング。持っていく荷物が何キロあるのか、それをどうやって振り分けて持っていくのか、ということを、試行錯誤しながら話し合って、結局5時間近くかかった。最後のほうで、ひどくとげとげしい発言をしてしまって、あ、すごく空腹でいらいらしてんだ、と気づいてすぐあやまった。私は空腹に弱い。

その後、『東京ノート』自主稽古。家族のところ。


06/09/2006(金)

2月にカナダのビクトリア大学であった表現言語学会のことをきのうパーティで会った人に話して、「資料を送ってください」と言われてたんだけど、きょうさっそくその方からメールが来た。その場ののりとかじゃなくホントに興味をもってくださったんだ、と嬉しくなった。

来日中のカナダの友を囲んで、3人で飲む。女3人てのも、楽しいね。

駅ビルのスーパーで買い物。会計のとき、いつも、
「○○のポイントカードはお持ちですか?」
と聞かれる。聞かれるのはいいんだけど、「ないです」と言うとレジの人が「失礼しました」と言うのが、いつも気になっていた。別にあやまることないじゃん。ところがきょうのレジの人はちがってた。「ないです」という私の答えを受けて、その人は、
「はい、かしこまりました」
と言ったのである。あぁ、なんと気持ちのいい受けこたえ! これぞ正解、という感じ。すっきりした。常日頃、否定的ではなく肯定的に人と接したいと思ってるんだけど、なかなかそうばかりもいかなくて、反省することも多いんだ、私は。「ポイントカードはお持ちですか?」「ないです」「はい、かしこまりました」――いいなぁ、これ。あたしもこうふになりたいです。がんばろう!


06/08/2006(木)

『上野動物園再々々襲撃』のバラシの日だけど、『東京ノート』組は、2回めの通し稽古。ダメ出しで私は、「積極的すぎる。他人に対しておどおどする部分がなくなっている」と言われた。

夜は、モンブラン国際文化賞授賞式。平田オリザが授賞したので。前にオリザが岸田戯曲賞を受賞したとき授賞式で会った人たちから「おめでとうございます」と言われてちょっとビックリしたんだけど、外の人から見たら「身内」なんだものね。今回はその経験があったので、落ちついて「ありがとうございます」と応える。いろいろと有名人のかたもいらしたようだが、ほとんど顔を知らなくて、「ほら、あそこに○○さんが」とか言われてもぜんぜんありがたみのない私。

帰りに何人かで五反田の韓国料理屋に。本場のチャミスルがあって、おいしかった。値段はソウルの5倍くらいだったけど。


06/07/2006(水)

11時半集合で、ゲネ。そして最後の公演。冬にカナダでお世話になった大学の先生と3月の北米ツアーでオレゴンでお世話になった大学の先生が見に来てくださった。

きょうはバラシをしないで、公演→アフタートークのあと、すぐ打ち上げ。焼き鳥の美味しいお店だった。終電で帰宅。


06/06/2006(火)

キラリ☆ふじみで、メインホールでは明日の『上野動物園再々々襲撃』の仕込み、マルチホールでは『東京ノート』の稽古。仕込みしていて、『東京ノート』の自分の出番になるとマルチホールに稽古しに行くというシステム。

マルチホールの外の廊下には、市民の人たちが舞台撮影ワークショップで撮った写真(5月に富士見で舞台を組んで稽古をしていたときに撮ったもの)が展示されている。カウンターにもたれた山村の満面の笑みとか、スーパーの袋からはみ出すネギを差し出すまんまるな目の山内とか、アップ(というか、寄り)の写真がだいぶあったのが興味深かった。舞台全体ではなく、そのときその人がどこを見ているのかという、観客の目にとても近い写真だと思った。

仕込みも稽古も、夕食時間前に終了。


06/05/2006(月)

朝から『東京ノート』稽古。新しい衣裳はスーツで、中に着るキャミソールをきょう持っていったんだけど、衣裳の人のOK出ず。キャミソールは4時間で縫えることがわかっているので(すでに2枚作った実績あり)、「じゃ、いい色で布を用意してよ。それで作るから」とお願いした。でもまだ衣裳のぜんぜん決まっていない人もいてそちらを先に進めるから、まだもうちょっと先になるかもしれないとのこと。

18時から、今回のキャストでの初めての通し稽古。やはり、初めての人や、前とちがう役で出る人は、緊張しているようだった。でも、なにをどうかんちがいしたのか台本半ページ分くらい早すぎる登場をしたのは続投の人だったけど。

その後、東南アジアツアーに向けてのミーティング。


06/04/2006(日)

8時半過ぎに駒場東大前に到着。バスはその後新宿まで行く予定、でも私は基本的に車移動が苦手なので、駒場東大前で降りてしまう(新宿からだと乗り換えなしで帰れるんだけど)。

メールの読み書きなどして、昼から眠る。結局7時過ぎまで寝てしまう。バスで寝てきたはずなのになぁ。結局きょう1日無駄になってしまって、釈然としない。


06/03/2006(土)

旅公演で劇場入りしているときの食事は、お弁当が多い。しかし、今回盛岡では、おかずとご飯を配達してくれるシステムで、自分たちでよそって食べる。クリームシチューとかかきたま汁とか、あたたかい汁物がついてくるのがとてもありがたかった。

きょうの公演には、岩手の方々のみならず、山形の友や青森の友も見に来てくれて、久しぶりに会う人たちといろんな話ができた。

夜行バスで帰途につく。


06/02/2006(金)

岩手で高校演劇の集まりがあり、山内がワークショップをするので、サブリーダー(アシスタント)として参加した。40名近い高校生が4人ずつのグループに別れて、言葉をしゃべる状態ってどんなんだろう、この空間が居心地がいいという身体感覚はなんなんだろう、ということを、昼食休憩をはさんで4時間かけて探究。

終了後、JRで盛岡へ。『上野動物園再々々襲撃』盛岡公演は、明日。きょうは自主場当たりをして、早めに退出。美味しいという焼き肉レストランへ。しこたま肉を食べたのに、シメの冷麺も目のさめるおいしさで、大満足。


06/01/2006(木)

歯医者。裏側のよく磨けていないところがあった。映像で見せられると、説得力がある。がんばって磨きます、と宣言して帰る。


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