つれづれなる日々

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2008年12月の日々


12/31/2008(水)

家族飲み会を途中で抜けてアゴラへ。『その人を知らず』年越し公演を見る。12/29にすでに一度見たんだけど、そのとき気づかなかったあんなことやこんなことに、きょう気づく。前回下手寄り、今回上手寄りから見たので、そのちがいもあるかもしれないが、とにかく見るべきところがたくさんある舞台なんだと思う。

午前2時終演。休憩ののち新年会。キャスト、スタッフによる一芸大会あり。長さもテンションも方向性も人によりバラバラで面白かった。6時前にアゴラを出て帰宅。


12/30/2008(火)

あなざ事情団の台本を直してみたり(こないだどこをどうふに英語にするか3人で決めたので、それを台本に反映させてみた)、洗濯したり、料理したり。TV見たり、ビデオ見たり。あ、ベレー帽が完成しました。

最近読んだ本の覚え書き。『東京大学「80年代地下文化論」講義』(宮沢章夫)の中に、以前水戸芸術館で見たことのある「なぜ、これがアートなの?」という現代アートの美術展への言及があり、私が好きだった、円形の大きな容器の中でチョコレートがぼこっぼこっとわいている作品のことも書いてあった。ヘレン・チャドウィックの「カカオ」。ソフィ・カルの「盲目の人々」のことは、この本で読むまで忘れていた。


12/29/2008(月)

青年団の公演を見るとそのあと自分の周りの会話がみんな演劇の続きみたいに聞こえてくることがあるんだけど、きょう外に出たら、植え込みも、舗道も、自転車に乗った親子も、銭湯の庭に積み上げられた材木も、実のなる木も、行き交う車も、ビルの看板も、紙袋のロゴも、ぜんぶ石田徹也が描いたみたいに見えて、ぎょっとした。いつもはざっと流して見てるんだと思う。それがぜんぶものすごく緻密に描き込まれているように感じて、息が詰まりそうになった。自分の手すら、絵みたいだった。玄関の横にバイクのヘルメットが2つ並んで置かれているその配置にも意味があるような気がした。

「石田徹也フィルター」がかかっちゃったんだな、きっと。でも少しすると、そのフィルターを意識的にオンにしたりオフにしたりできるようになったので安心した。ずっとこの世界を見続けるのは、私には、つらいよ。


12/28/2008(日)

練馬区立美術館に「石田徹也―僕たちの自画像―展」を見にいってきた。以前公式ホームページで作品画像を見て、怖かったので、この展覧会には行かないつもりだったんだけど、友だちがすごくすすめるし、絵は美術館に実物を見にいかないと本当のところはわからないと常日頃思ってもいるので、最終日のきょう出掛けた次第。

ウェブの画像の印象やら作者が若くして亡くなっているという情報やらに気分が引きずられたのか、展示室1の途中までなかなか心を開くことができなかった。順路にしたがって進んでいったけれど、「トイレへ逃げ込む人」という作品あたりで、もう1枚1枚見ていくことができなくなり、とにかく全貌を把握したくなって、展示室1の残りと展示室2、3は、どの絵の前でもほとんど足をとめず、ざーっと眺めた。それで落ち着いてきて、展示室3に展示されているノート(日記?)をしっかり読んでから、もう1度展示室1から見ていった。ホラー漫画が怖すぎてラストを先に見ないと読み進められない子供みたいでお恥ずかしいんだけれど。

どうも私はバックグラウンドに明るい光がある作品が(石田徹也に限らず)好きなようで、「待機」とか「リハビリ」とか裸の男女がゴミ捨てしている「無題」とか、好きと思う作品はそういうのが多かったように思う。「コンビニエンスストアの母子像」は、好きだけどこの表情をおだやか、やすらか、と思ってしまっていいのかどうか自信がもてなかった。「捜索」は、好きなんだけど見るのに勇気と覚悟のいる絵だった。「前線」は、見ているうちにだんだんだんだん好きになっていった。「触手」は、最初はきれいな絵だなと思っただけだったけど、女の人の顔や腕にクラゲの触手にやられたらしい傷があって血がにじんでいるのに気づいたとき、印象深い作品となった。「市場」は、好きっていうんじゃないんだけど、何度も戻って何度も見た。

2時間ほどじっくり見た。でもなんだか、じっくり見てるとこを他の人に見られたくないような気もした。1人で見たい。もし1人で見たら、たぶん涙をだらだら流しながら見るだろうと思う。

夜は、あなざ事情団バイリンガル版『三人姉妹』の稽古初日。1幕と休憩1について、どこをどういうふうにバイリンガルにするかを3人で検討した。


12/27/2008(土)

8月末に京都でものすごくステキなベレー帽に出会ったんだけど、赤の色味がちょっとピンクがかっているのが難点、それでも3,000円くらいだったら買ったかもしれないけど値段も良くて、よしこれは自分で作ろうとじっくり観察だけして帰ってきたということがあり、その後わりとすぐに、チュール(天辺の飾り用)と羊毛(フェルトで作るつもりだった)を買って、買ったはいいけどほっときっぱなしになっていた(ときどき考えてはいたよ)。おととい、そうか水フェルトはまだあまり経験がないから不安なんだな、じゃぁだったらモヘアの毛糸で編もう!と思いつき、毛糸とカギ針を用意して、編み始めて、きょう8割方出来たんだけど、うーんサイズがちょっとこれはちがうなぁとなり、半分のとこまでほどいた。モヘアが絡んで、ほどけないかと思ったよ。さて、明日新たに出直しです。細編みで螺旋状に編む作戦。平らな円を大きくしていくの(編む工程の前半)は、様子を見ながらところどころ増し目をしていってなかなかうまくできたんだけど、減らし目をして小さくしてくところ(同後半)がちょっと急ぎすぎてデコボコしちゃったから、その部分をほどいて編み直すことになったのは、ま、ちょうどよかった。

きのうのフレッシュネスバーガーのおみくじマドラーに触発され、おみくじ的文言を考えてみた。「くよくよしたら深呼吸」「とりあえず寝て起きてみよう」「空腹は悲観のもと」「進まない日もあっていい」……あら、励ます系ばっかりだ。ってこれ考えてどうする気なんだろう、私。おみくじセット作ってだれかにプレゼントしようか。


12/26/2008(金)

フレッシュネスバーガーで飲み物に添えられているマドラーに、なにやら文字が。私のはStart writing a novel.、友だちのはYou think too much.だった。フォーチュンクッキーみたいね。

急な坂スタジオのマンスリーアートカフェvol.24「戯曲ってなんですか? 〜岡田利規と中野成樹の場合〜」に行ってきた。岡田さんと中野さんが対談するったらたくさんの人が集まるにちがいないと思っていたけれど、聴衆はわりと少人数で、少しおどろいた。話の内容は、戯曲の言葉は話し言葉なのか書き言葉なのか、戯曲の言葉とどう取り組んでいるか、制作現場では「上演台本」だったものが出版されると「戯曲」となり一字一句変えてはいけないといった力を持つのはどうしてなんだろう、新劇の俳優でリーディングをしたらまさに洋画の吹き替えだった、等々。「劇作家」と「演出家」の仕事のイメージと実態がずれている(テキストレジーはすでに劇作ではないのか)という話(岡田)や、翻訳の台詞の頭についつい「え」とか「や」とか入れてしまう、入れるとしっくりくるという話(中野)も興味深く、特に後者に関しては、戯曲翻訳者として日本語の特徴(あいづちが多い等)の方向から私が日ごろ考えていることとも関連するので、面白く拝聴。終わってみれば、ノンストップ2時間半近いトークだった。まったく長さを感じなかった。


12/25/2008(木)

東京デスロックのアゴラ公演の照明仕込みを手伝う。その後、稽古も見学。これはぜひ本番を見たいです。


12/24/2008(水)

『鈴木先生』1〜4巻読み返す。きのうおとといは、ストーリー展開を早く知りたくて高速読みしちゃったので、だれがなん組の生徒で、だれがだれと仲がいいのか、といったことを把握しきれていなかった。鈴木先生のしゃべってる内容も、論理がどうつながってるのか理解してないとこがあった。何度も読み返してやっとわかった台詞もある。

締切がのびてから手をつけないままだった文章を、ようやく書き終わる。


12/23/2008(火)

『サンタクロース会議』最終日。

友だちから借りたマンガ『鈴木先生』をきのうから読んでいる。4巻まで。とにかく話の続きが知りたくて、台詞も飛ばし読みみたいにして最後まで読んだ。どうしても先が読みたくなるんだよ。泣いたりうなったりしながら読んだ。ただ、最初の、給食時の問題行動の話は、主張したいことはわかるけどそれを言うための材料が強引だという印象を受けた。どうしてその子のことだけ許せないのかが台詞で説明されているだけなところと、この「マナー」ってそんなに普遍的なものじゃないんじゃない?というところが引っかかりました。和食で箸のときはまだしも、スプーンでカレーを、フォーク1本でスパゲティを、食べているときにも当てはまるようなことじゃないと思う。以前友だちがこのエピソードのことを、子供との接し方に関して非常に示唆に富んだ話だ、というようなことを言っていて、それで期待しすぎたのかもしれない。

『サンタクロース会議』の打ち上げに参加したのち帰宅。


12/22/2008(月)

きょうの『サンタクロース会議』は1回めの開演が4時なので、きょうの1日は比較的ゆっくりしたスタート。ゆうべのなまあたたかさが続くのかと思ったら、昼過ぎに雨が降って急激に寒くなった。


12/21/2008(日)

久しぶりに出掛けない日。ぼーっとして一日過ぎちゃった。でも、ぼーっとして一日過ぎる日は、ときどき必要です。きょうは風が強かった。そして夜もなまあたたかい。佐野洋子のエッセイに書いてあったオレンジジュースで炊くサンマ飯を作ってみた。香りはいい。次はしょうゆとかマイタケとかちょっと足してみよう。


12/20/2008(土)

2日ぶりで『サンタクロース会議』照明オペ。きょうは1年半ぶりに会う友だちとかが来ていて、昼公演と夜公演の間の時間に一緒に食事してお茶飲んではなした。次はいつ会えるかな。

あなざ事情団のチラシの絵のものすごくラフなラフスケッチを描いてみた。とにかく人がたくさんいる絵。


12/19/2008(金)

1カ月半くらいぶりにコンタクト入れてみた。鏡の中の顔が目が大きくておどろいた。遠景がメガネとちょっと感じがちがって、外に出てしばらく違和感あったけどすぐ慣れた。

『サンタクロース会議』観劇。照明オペをしながらは何度も見ているんだけど、いっぺん客席で見てみたかったので。きょうは小さい子が多かった様子。

2月のあなざ事情団のイベントのチラシの打ち合わせをしてから、イデビアン・クルー・オム『大黒柱』を見にいく。なんでだか劇場に入るところから舞い上がってしまっていて、座席は別に普通にアルファベット順なのに「H列がない!」とパニックして座席表を見に戻ったり(ないわけがない)、チラシ束を床にぶちまけたり、当日パンフレットをまったく見ないまま開演してしまって、まぁ当日パンフはいつもたいてい読まないで見るんだけどでも公演タイトルまですっかり忘れてしまっていて、このまま公演そのものだけ見て私だいじょうぶかなと心配になったりと、わたわたしたスタートになってしまったけれど、始まれば舞台に集中して最後まで見ることができました。舞台じゅうを男たちが走りまわり踊りまわり、つまみ喰いするように自分の好きなところを目で追う楽しさ。だって、この舞台で起こっている全部のことを見るなんてできないよ。井手さんが、軽やかで可愛くて颯爽としていた。


12/18/2008(木)

午後からバイト。の後、アゴラで稽古中のお遊び助っ人企画 すっごい演劇プロジェクト公演『よろぼし』近代能楽集「弱法師」(原作:三島由紀夫 構成・演出:倉品淳子)の通し稽古を見せていただく。本番もぜひ見たくなったけれど、スケジュール的に無理。残念。夜、打ち合わせ1件。


12/17/2008(水)

2日ぶりに『サンタクロース会議』照明オペ。きょうは、アダルト編→子供参加型の順番だった。参加型はホントに毎回いろいろあって面白い。青年団的観客参加型演劇のノウハウが蓄積されていったら、どこまで行って、どうなるんだろう。非常に興味深いです。


12/16/2008(火)

超早朝というか深夜、に訃報。大変お世話になった、大切な友人。病気のことは知っていたけれど、退院して家に戻っているとつい先週聞いたばかりだったこともあり、しばらく事態がうまく飲み込めなかった。というかただ信じたくなかったのかもしれない。頭のどこかでは、あぁ病院から家に戻ったってやっぱりそういうことだったんだ、とも思っていた。

眠って起きて、友人からメールが来たり、友人にメールで知らせたり、友人と電話ではなしたりしながら、やっぱり本当なんだということを少しずつ受け入れていった。


12/15/2008(月)

よくパスモとまちがえてクレジットカードとか銀行のカードとかを出しちゃうんだけど、こないだもっとすごい人を見かけたのを思い出したので書いときます。そのおばさんは、初めて購入したと思われるパスモを、自動改札機の切符を入れるスリットに入れようとがんばっていた。それを見た駅員さんが、
「それはそこに入れるものじゃありません。タッチしてください」
と言うと、片手にパスモを持ったそのおばさんは、もう一方の手でタッチパネルにタッチした。
「いえ、そのカードをタッチしてください」
との駅員さんの言葉で、無事に通過した模様。

きょうは照明オペを担当していないので、アゴラには行かず、でも別の用事で井の頭線方面に出掛ける。


12/14/2008(日)

『サンタクロース会議』、きょうも照明オペをした。雨だったけど、11時からの子供参加型に子供がたくさん見に来てくれた。14時からはアダルト編の初日。まったく同じ台詞もあるのに、こんなにちがう2本の作品になっている。ということに、見るたびに新鮮なおどろきを感じる。

夜、来年以降の秘密プロジェクトのミーティング。秘密でもないけど、とりあえずいつどこで上演しようとかじゃなく少しずつ稽古してみようという会です。


12/13/2008(土)

『サンタクロース会議』初日。開演前のロビーも、開場してからの子供席も、終演後のロビーも、子供がいっぱい。そうか、いままでこういう人たちがアゴラに来ることってそんなになかったんだなぁ。これからこういう人たちとも付き合っていけるといいなぁ。私とかにも「バイバイ」って手を振って帰っていった子がいたなぁ。

美容室に行ったら、「9月ぶりですね」って言われた。こういう「ぶり」の用法(「ぶり」の前に、期間ではなく起点が来る)、すっかり定着したみたいね。


12/12/2008(金)

『サンタクロース会議』、きょうもゲネプロ。

夜、あなざ事情団来年2月のイベントの仮チラシ作成。なおこさん作成の文案をちょいちょいとレイアウトしただけだけど。文字ばっかりのシンプル版。ホームページのほうも更新しないとだけど、それはおいおい。


12/11/2008(木)

アメリカの友へのクリスマスプレゼントを、ようやく送る。郵便局で、航空便の小型包装物でお願いしますと言うと、
「記録が残りませんが、よろしいですか?」
と言われ、12/3のフェルメール展「一時間以上」待ち、のときとちょっと似てるんだけど、
「はい。……だって、ちゃんと届けてくれますよね?」
と返してしまった。「しまった」っていうのは、なんていうんですかね、それに相手がどう答えるかにはすでにあまり興味がなく、自分の思いみたいなものを相手に届けるところで私のコミュニケーションの欲求が終わっているみたいなそういう感じのことです。

『サンタクロース会議』のゲネプロで、子供バージョンと大人バージョンを続けて、見る。使っているパーツは同じなのに、ぜんぜん別の作品になっていて、そのぜんぜんちがう加減がものすごく面白い。


12/10/2008(水)

『サンタクロース会議』の照明オペを担当するので、きょうは劇場での場当たり稽古に行く。演出家と照明家が照明のきっかけを決めていく。決まったきっかけを確認して、夜の通し稽古でオペをやってみる。なんとか、やれそう。面白くて舞台をじっくり見ちゃってきっかけを忘れないようにだけ気をつけよう。


12/09/2008(火)

定期健診で歯医者。右上の奥歯ら辺がちょっと磨き方が甘かった様子。帰りに寄った布地やらを売っている店で、お店の人と話しこむ。専業主婦だったけど息子二人育て上げてからお店で働くようになって、今人生が楽しくてしようがないんだって。子供が小さい頃も仕事してれば、塾だ何だってあんなにきゅーっと子供のことばかりに集中しなかったかもしれない、子供に悪いことをした、と言うので、私の母は働いていたのでいえにいてほしいって思いましたよ、どちらもいいことも悪いこともありますよ、って、もちろんウソではないんだけど、なんだこの模範的な、というか、当たり障りのない――いやそれはちがうな、でもなんか目の前のこの人が聞きたいと思っているであろうことを予想して答えちゃったみたいな、なんなんだこのそつのなさは!

アゴラで、引き続き布作業。追加の分も含め、4時間ほどですべて終了。しばらくまっ白な灰みたいになっていた。私はでも普通に仕事をしたと思っていたんだけど、仕事が早い、集中力がある、好きじゃなきゃできない、といろんな友だちに言われ、もしかしてこういうのって私の「長所」なの? そんなふうに考えたことがなかったので、ちょっととまどっている。


12/08/2008(月)

午前中、この日記の更新などをする。やっぱきのうまでちょっと根つめてパッチワークやりすぎてたみたいで、昼頃から眠くなり、夕方まで寝てしまう。夜、『冒険王』打ち上げと劇団の忘年会を兼ねた会があり、アゴラに出掛ける。ペース配分がうまくいかず、極度の空腹から一気に満腹に。もっとゆっくりだらだら食べたり飲んだりしたかったなぁ。まぁ自分が悪いんでしょうがない。来年やりたい企画の話を少しだけした。友だちの挑戦の話や不安の話や新生活の話を聞いた。


12/07/2008(日)

まだもうちょっと布作業があったので、朝からアゴラで作業する。ここ数日の作業は、得意分野だし好きな作業なのでぜんぜん苦ではないんだけど、消耗することは消耗するので、これが鶴の恩返しだったらもう相当やせちゃってるね。

東大の駒場博物館の「behind the seen アート創作の舞台裏」展がきょうまでで、どうしても行きたかったので他の用事のついでにさーっとだけだったけど見てきた。「どうしても」っていっても、こんな程度の「どうしても」なんだけども。東大駒場キャンパスには私の好きな木があって、きょうたまたまいつも見てるのと逆方向から見る機会があったら、そっち側はそっち側でおもむきがあってまたよかった。これからはそっちの方向からも見るようにしよう。

友だちと、喫茶店ハシゴして話す。いやそんな長時間ってことでもなくて、営業時間とかの関係で。駒場の街でなんだかいろいろと知り合いに遭遇した。

夜は、『サンタクロース会議』子供参加バージョンの通し稽古を見学。


12/06/2008(土)

きょうも1日布作業。パッチワークをしているんですが、ピーシングのあるボーダーがものすごく時間が掛かって、なかなか進まず少しあせった。でもそれさえ終わったら後は大きめな布をつないでどんどん縫い合わせる作業で、これはすいすい進むんで一気に気が楽になった。

10時半すぎ、帰ろうと思ったら、冒険王の数人がまだ楽屋にいたので、ちょっと合流してしゃべってから帰った。


12/05/2008(金)

作業場が夜まで取れなかったので、朝から夕方まで作業して、夜は春風舎に女道xxxサラダボール『Post-』を見にいった。開演前のアナウンスで、携帯電話は電源を切ってくださいというのはどこでも聞くけれど、マナーモードの振動もダメな理由として「周りのお客様がビックリされるので」とは初耳だった。迷惑になるとか言うよりなんとなく楽しくていいなと思った。


12/04/2008(木)

依頼されていたレポート2種の締切が急に延びた。あとちょっとで書きあがるとこだったけど、急いでやっつけた部分もあったので、延びてよかったともいえる。でも、印象の薄れないうち、書くだけ書いてしまおう。

サンタ布作業開始。中央部分を4分割して1/4ずつ作業を進めたところ、1つ出来たところで寸法のマチガイに気づく。正方形とそれを2つつないだ長さの長方形を作らなきゃいけなかったのに、縫い代の計算を間違えて長方形の2辺が1:2じゃなくて1:2.2になってた。うーん。2つめからは、縫い代の量を調節してなんとなくつじつまを合わせる。いいんです、このアバウトさが味になるんだよ。ものによるけれども。

結局10時間作業して、中央部の3/4までできたところで、きょうはおしまいにした。打ち上げ中の劇場内に一瞬だけ顔出して帰る。


12/03/2008(水)

おとといもきのうも行こうと思って行けなかったフェルメール展に、きょうやっと行く。上野駅でチケット売ってんのね、これは便利だな。私の2人前の人まで、係りの人から「1時間待ち」と言われていたのが、私の前の人から、
「ただいま、待ち時間が1時間以上となっていますが、よろしいですか」
になった。前の人はそのまま購入。私ももとより買う気は満々なんだけど、「1時間以上」って、言葉の厳密な意味としては5時間でも3日間でも「1時間以上」なわけで、そこはちょっと確認したいんだけど、とはいえ確認しないと買えないというくらいまで融通が利かないわけでもなくて、

係「ただいま、待ち時間が1時間以上となっていますが、よろしいですか」
私「はい」
 係の人、発券作業を始める。わたし、財布を出しながら、
私「1時間以上って、どのくらいですか」
係「70分程度ですね」

という会話になりました。普通に返事してもらえてよかったです(「確認」が細かすぎて、ときどき、文句つけてるみたいに思われることがあるので)。

東京都美術館の入口前の列の最後尾に並ぶ。待つのは、最初からそういうつもりで来てるから平気なんだけど、すぐそこで演奏しているストリートミュージシャンの音楽がどうにもこうにも気になって困った。民俗音楽っぽい音色で次々流れる「ローズ」とか「コンドルは飛んでいく」とかが、シゲキしてほしくない部分をシゲキしてくる。具体的にどうこうというのではなく、もやもやっとした、漠然とした、「感じ」なんだけど。あぁ、ヘッドホンステレオがいまここにあったらなぁ!と絶望的な気持ちになりながら、こんなささいなことでこんなふうに感じるきょうの私は何がどうしたというのだろうなどということも考えていた。

フェルメール展は、副題が「光の天才画家とデルフトの巨匠たち」で、まずは「デルフトの巨匠たち」の絵画が延々と続く。とにかくフェルメールを先に見ないと落ち着かないので、順路を無視してどんどん進み、フェルメール作品の展示してある部屋に行く。1室めは、「マルタとマリアの家のキリスト」「ディアナとニンフたち」「小路」。2室めは、「ワイングラスを持つ娘」「リュートを調弦する女」「手紙を書く婦人と召使い」「ヴァージナルの前に座る若い女」。私は、それぞれの絵の前にしばらく立って見ては他の絵の前に移動するという見方をするんだけれど、多くの人たちはゆっくりと絶えず動き続けて順番に見ているようで(「氷河みたいだ」と思いました)、絵の前で動かない人もいるということを認識していない氷河の人にゆっくりとぶつかられたりした。一度係りの人に、「他のお客様もいらっしゃいますのでもう少し左におつめください」と言われたけれど、左に行きたい人は私を超えて左に行ってくれればいいと思った。私はこの位置から見たいんです。小心者なので微妙に左につめたけど。入場制限しているんだから、中に入ってからは自由に見させてほしい。

まぁ、じっくり見ました。それでわかったんだけど、フェルメールって、ものすごく細かく描いているわけじゃないんだね。だから、現実世界で自分がよく知っているレンガだとか板とかは絵でもレンガや板に見えるけど、実物を知らないものの質感は絵からわからない。たとえば、「小路」の前景の石畳(ですよね?)。こういう石畳を見たり歩いたりした経験のない私には、どんな石畳なのかよくわからない。それと、展示されている他の画家の場合、1枚の絵の中で細かさの度合いが変化している(たとえば、小さく描いてある人物の顔はものすごく細かい筆づかいで描かれているけれど建物や地面はストロークが大きい、といった具合)なんだけど、フェルメールの絵は、顔も壁も椅子も腕も同じ解像度なんだ。それであんなに統一感のある静かな絵になっているんだろうか。

画集で見たときぼんやりした暗い絵と思った「リュートを調弦する女」は、実際に見るときれいな気持ちのいい絵だった。「ワイングラスを持つ娘」は、女性のはりついたような笑顔が怖いんだけど、ドレスと窓ガラスのサーモンピンクの美しさと一番奥にいる男の人のたたずまいが好きです。手紙の絵は、婦人と召使の雰囲気のちがいが印象的だった。召使の、心ここにあらずな感じが絵の世界を広げていると思う。

ぜんぜん別件で。夜、初対面の大学の先生から聞いた話が面白かった。いまの学生は、遅刻しても、すまなそうでもなんでもなく普通に教室に入ってきて普通に席に着こうとするんだって。あと、先生が板書してると、それをノートに書くんじゃなく写メするんだって。


12/02/2008(火)

アゴラにて『冒険王』観劇。公演の始まったばかりの頃に何度か見て以来だから10日以上ぶりか。

サンタ布物に関し、デザインスケッチなど見せながら舞台美術家とはなし、方針決定。これは楽しそうだ。

夜、『サンタクロース会議』アダルト編の通し稽古を見学。帰りに友とカレー屋でビール。『スネークさん』んときは稽古のあとよくこうやって飲んだっけね。ビール1杯とかでだらだら話をして、演劇の話とそれ以外の話がシームレスな感じに行ったり来たりして、稽古場と日常の間の時間、という感じ。


12/01/2008(月)

きのうポテトサラダとれんこんきんぴらを持って友だちんちに遊びに行って、ヒジキとオートミール(どちらも乾物)をもらって帰ってきた。きょうはそのヒジキとオートミールを食べた。ちょっとわらしべ長者っぽい。

東大カフェで友だちと待ち合わせて(毎日会ってるわけじゃなくて、きのうの友だちとは別の友だち)、『サンタクロース会議』の稽古を見に行く。その場で台詞が追加・変更されたり、間や言い方の変更でそのシーンの見え方がキュッとかわっていったりする稽古場の現場を見てもらいたいと思っていた。そういうところを見てもらえて、よかった。

帰宅してテレビなど見ているとサンタ関係者から電話。布物の作成を頼まれる。得意分野なので喜んで引き受ける。舞台美術家に電話して詳しい話を聞き、俄然やる気になる。


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