2002年は、たくさんの舞台に立ち、いろいろな人たちとご一緒させていただくことができました。ご覧くださった方々、ご一緒してくださった方々、どうもありがとうございました。

昨年をふりかえってみると、まず4月は、バリー・ホール作/長谷基弘演出の『エクリプス―蝕―』で、脚本の翻訳もしたし、俳優として公演自体にも参加しました。中世の辻説法師のようなガウンなんて衣裳を作製したりもしました。

6月にはク・ナウカ主催のワークショップ公演『かもめ』(チェーホフ作/ジャンカルロ・ナンニ演出)で、22歳のマーシャの役をやりました。【P4】の、青年団、ク・ナウカ、花組芝居、山の手事情社の俳優が集まったのですが、顔は知っていても一緒に作品を作るのは初めてという人たちだったので、それぞれのカンパニーの作り方のちがいとか、あぁ、この人はこういう人だったのかということなんかがわかったりして、たいへん面白かったです。

マーシャは不幸な若い娘でしたが、次の7月のあなざーわーくす『喜劇 悪口学校』(シェリダン作/わたなべなおこ構成・演出)で演じたティーズル令夫人は、シアワセいっぱいこわいものなしの16歳若妻。アゴラ劇場狭しと走り回りました。

走り回った次は、THE SHAMPOO HAT『雨が来る』(赤堀雅秋 作・演出)で、座椅子に座ったまま一歩も動かない役をやりました。私のいままでやった中では、すごく「女性」ということが前面に出ている感じの人物だったと思います。

そして平田オリザ作・演出の『東京ノート』のヨーロッパツアーで、ダブリン、ローマ、エーグル(スイス)、パリ、エクサンプロヴァンスを周りました。帰国して東京都現代美術館でも公演。ちなみに左の写真は、エーグル公演の舞台上で、「好恵」さんが、
「じゃぁ、お姉さん(私)と学芸員さんで(写真を)撮ったらどうですか」
と言って撮ってくれた写真です。

2003年は、青年団で2本、『暗愚小傳』と『ヤルタ会談』に出演することが決まっています。その他はまだ未定。いろいろな出会いや、すでに出会った人とさらに理解を深めたりとか、また楽しい興味深いことがたくさんあるといいと思います。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

松田 弘子